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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第百九十 話 my world

「アモンには驚かされる事ばかりだよ。

僕はもう気が狂いそうだ。」


親指と薬指で両のこめかみを押さえながら

プラプリが言った。


一人称が「僕」だ。

これは長から出会った頃ぐらいまで

バックしてるな。


確かにプラプリ視点で見た俺は

形ある物、無い物、関係なく破壊の権化だろう。

彼の回りの色々な・・・ほぼ全てと言っていいか

プリプラ、里長、里そのもの

慣習や伝統、常識なんかもぶっ壊れたな。

命だけ助かったようなモノだ。


そしてこれは

恐らくプラプリだけでは無く

ハンスとか・・・とにかく該当者多数だろう。


考えたくない

アモン被害者の会とか立ち上げないでね。


俺は取り合えず平謝りして

話を流した。


その日は里で宿泊する事になった。

負傷者も多いので

盛大とはいかないがささやかな宴で

もてなしてもらい

復活したバイスはプラプリと

今後のブンドンの協力体制の話を詰めていた。


俺は俺で

宴前に約束した武器、クリスタルを

配布し各々のリーダーに説明しておいた。


魔力充填のクリスタルの説明は

なんとペルナ相手だった。

ちょっとの期間なのにペルナは

妙に大人びた雰囲気になっていて

もうクソ餓鬼キャラじゃなかった。

リベンジマッチはいいのかと聞いたが

エビのようなアクションで

恐縮するばかりだった。


その直後、ペルナの部下から聞いたが

あの魔法戦は伝説化しているそうだ。

敗北にも関わらずペルナは羨望の的だ。

俺と一対一、ただそれだけで勇者だそうだ。


ギドとの話は盛り上がった。

アモンカー製作に快く協力してくれた

里駐在のドワーフ鍛冶師だ。

ゲアとドーマで合っている事に

羨ましがられた。

蒸気船の事を聞かれたが

ベレンに海は無い

俺も見ていなかった。

ドーマに召喚された武器鍛冶師ギガの話になると

ギガも知り合いだったようで

ギガに関しては「根はイイ奴」を連呼し

擁護に必死な様子だった。

「知っている」と答えて置く

基本、ドワーフに悪い人は居ない気がする。

クズリポはロクなのが居ないが・・・。


タムラさんには

お待たせ

やっと鉄が生成可能になったので

フライパンやら何やら調理器具を

渡しておいた。

これが

本気で喜ばれた。

剣や矢尻に加工されないように

隠し持っているな状態だったらしい

俺は幼い頃に祖父から聞いた

ゼロ戦とベーゴマの話を思い出していた。


適当に盛り上がっている最中に

俺はこっそり抜けだし

アリアをパーティに入れた際に

解放された工作員エージェントになり

隠密機能最大で

最大って言っても、まだ工作員エージェントレベルが低いので

大した事ないのだが

まぁ最大限こっそりと集団から離れ

エルフの里の心臓部

最重要ポイントである長樹木に向かった。


重力操作だけで音を立てないで上昇すると

金属探知を使いミスリルのテイアラを目指す

そこがプリプラの頭だった場所だ。

会話は期待していないが

報告だけはしておきたかったのだ。


そして予想外の事態だ。

先客が滞空していた。

俺と同じように重力操作だけで浮いていた。

見かけないと思ったら

こんなトコロで

一体何をしているんだ。


「ストレガ。」


重力操作で上昇してくる俺を感知していたのだろう

俺の突然の問いかけにも驚く様子も無く

ストレガはミスリルのティアラに

手を添えていた。

そのまま返事をして来た。


「こちらお友達は、元の世界に

お戻りになられたのでしょうか。」


ストレガには全部話してある。

カルエルとプリプラは俺と同じ

別世界の人間がこちらの人や天使

悪魔を乗っ取った存在である事。

ただ、その後に発覚した

太郎も小梅も来ていなかった真実の件は

言っていない。


これは言わなくても良いだろう。


「ああ、だからもう話せないんだけどね」


これで話は通じるであろう。


「分かってはいるんだが、折角来たんでな

形だけでも報告をな・・・・。」


俺もミスリルのティアラに手を添えた。

『おかえりー』なんて聞こえてきそうで

ちょっとだけ

ちょっとだけ怖かったが

なんとか震えないで接触に成功した。

そして期待はやはり叶わず

何も語り掛けてはこなかった。


「・・・お兄様。」


月の明かりを受け

クリスタルは反射光を様々な角度に放ち

ただでさえ怪しく妖しいストレガを

より一層パワーアップさせて照らしていた。

見慣れているハズだが

やはり目を奪われる美しさだ。

ただなんか怖い

余裕綽錫のクリスタルもストレガも

作ったのが俺なので文句も言えない。


「何だ。」


努めて普通に言ったつもりだが

変に声が裏返ったかも

大丈夫だよな。


怖いのは演出だけのせいじゃなかった

ストレガの様子も何かおかしい。


「元の世界にお戻りになられるのでしたら

私以下、魔導院はその総力を挙げ

実現の為に尽力する事をお約束致します。」


思えば様子がおかしくなったのは

オリシナル俺が言った「元の世界にコピー俺も」辺りからだ

すぐ顔に出る。

俺のこの弱点は今だ健在で

俺は「帰れるのか?」と可能性を模索した顔に

なっていたのであろう


このクソ真面目な妹は

大して価値の無い下らない兄に

疑問も感じず尽くしてくれた。


俺の為に自分に何が出来るのか

そしてそこに自分の希望をいれようとしないのだ。


「ストレガ。」


「はい。」


気合の入った顔だ。

戻りたいと言えば

本気で研究する覚悟を決める気だ。


「ここが俺の世界で、お前が俺の妹だ。」


俺の一言で緊張の糸が切れたようだ。

仰向けになったストレガは

そのままゆっくりと地表に落下していった。


そんな中「はい」という

小さく嬉しそうなストレガの返事を

俺は聞いた。


バキン


そんな音が俺の周囲で聞こえた気がした。

そしてファンファーレが脳内で鳴る。


俺はメニューを開いて確認する事はしなかった。

この感覚は知っている感覚だ。

今は歯車がキレイに回っている状態だ。

ババァルが現れる時は不自然に

空転したりしていたっけな。


こうして時空系が開放された。


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