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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第百八十五話 クフィールの属性

食事の時はチンチクリンだ。

でも人妻ジゼルさんにはこの方が受けが良かった。


夕飯はクロード邸で皆で御馳走になった。


「30!!」


食いながらクロードは武器の希望数を教えて来た。


「あくまで希望ぜよ。エルフの里を優先してくれって

その上での話ぜよ。」


俺は大丈夫だと言って置いた。

これから夜なべすれば多分イケる。


「本当にコレ貰っていいの?」


ボーシスさんには専用で別個で作成したのを

プレゼントしたのだ。

前回一緒に行動していた際に

使っていた槍と寸法、重心などを合わせた

特別仕様でカラーリングも味方を鼓舞する

意味合いを考慮し朱色と目立つ

クリスタルもキラキラしているのを選んだ。

狙い通りクリスタルの美しさに心を奪われている様だ。

女性はやっぱり光物が好きみたいだ。


「ボーシスさんの為に作ったんですよ

貰ってくれないと困ります。」


「えーえー」


嬉しそうだ。


「・・・これは何て書いてあるのかしら」


槍の刀身に日本語で「ドS女王」と掘っておいたのだ。


「私の祖国の言葉で一生懸命な人という意味です」


「流石マスター。ピッタリですよ」


横からナリ君が言って来た。

もしかして日本語分かってるのか

とにかく上手く誤魔化せたようだ。


「しかし、本物だったとはホッとしたぜよ。」


どうもクロードはあの稽古でしてやられた事が

引退を考える程ショックだったらしい。

仮にもG級冒険者がこんなガキに

一対一で無様を晒した。

寄る年の波も考えて悩んでいたそうだ。

俺が本物のゼータ・アモンだと知って

その悩みから解放されたそうだ。


「あの時は上から色々とご指導を」


「人の悪さも相変わらずぜよ!!」


真っ赤になって怒るクロード。

傍らでそれを見ているジゼルさんも

とても嬉しそうな表情だった。


食べ終わってお茶タイムだ。

ジゼルさんの視線が何を要求しているのか

即、察してしまった俺は

ストレージからジャムを取り出して渡した。

持って来ておいて良かった。


その後はバラバラだ。

俺は車に戻り武器の内職を始めた。

途中、女性陣から風呂を準備しろと

言われ作業中断を余儀なくされた。


おい人類の存亡を掛けた戦いと

風呂とどっちが優先なんだと思ったが

ボーシスさんもいたので

大人しく風呂の準備をした。


「悪いわねー。」


本当だよ

しかし、思わぬ大好評となり

噂を聞きつけたというか

アモンカーが目立ちすぎるのだ。

協会の職員やら教会のシスターやら

ボーシスさんの話がブンドン中の女性に

伝わり行列になった。

何回、お湯を変えたか

途中で数えるのを止めた。


もう浄化装置が必要だ。


ちなみに

お湯変えを装ったラッキースケベは

全てストレガにブロックされた。

ディフェンスに定評のある3年の池上かお前は


組み立てはナリ君が手伝ってくれた。

ダークの様な常識外れな工作スピードでは無いので

お湯変えで俺が途中抜けても

追いつかれる事は無かった。


30本分のパーツの作成を終えてから

俺も組み立てに入った。


「私も手伝います。お兄様」


女子軍団の風呂襲撃が終了したようだ。

監督指導役のストレガがそう言って

キャリアに入ってこようとして

入れない。


「・・・これは?!」


「ああ、ゴメン。ナリ君

完成品は外に出しちゃおう」


「イエス、マスター。」


30本の槍、いくらキャリアが広いと言っても

所詮は馬車サイズだ。

完成しては次々と立てかけていき

俺達は自ら檻の中に封印された状態になった。


「それじゃない。こっちを先に・・・。」


「むぅ天井に引っかかりますマスター」


「えぇ?じゃコレか」


「NOOO刺さってます刺さってます」


出られない。


「マスター。我々はこの永久槍牢獄で

朽ち果てるのを待つしか無いのですか。」


「覚悟が速すぎだ。最悪、逆の順番で

解体すれば元の状態に戻るハズだ。」


「我は嫌です。折角組み立てたのに」


長物は車の外で組み立てよう

俺は誓った。


「あの、お兄様。一つ提案が・・・。」


槍の牢獄の外からストレガがそう言って来た。

ええい

女子おなごのお前に槍が分かるものか

そう思いながらも、困っているのも事実だ。


「なんだ良い案があるのか」


「お兄様は何も無い空間から物品を

取り出してますが仕舞う事は

出来ないのでしょうか。」


なるほど


俺は完成した槍をストレージに仕舞い

俺とナリ君は永久槍牢獄から解放された。


ストレガが合流したものの

槍は完成したのでお茶を入れてもらう事にした。


「クフィが落ち込んでいましたが・・・。」


ああ

昼間のレベル上げの件か

・・・。

ストレガにも相談してみるか。


俺はナリ君の見解を説明し

クフィールの本来の属性探しで

手間取っている事を話した。


話を聞いたストレガは悩む素振りも見せず

ほくそ笑んで答えた。


「ふふ、クロードさんじゃ無いですけど

人が悪いです。お兄様」


何の事か分からない。

俺の返事を待たずにストレガは続けた。


「私を試しているのですね。

確かに私が先に見抜くべきでしたし

この機に確かめようと思われるのも

道理です。」


何を言っているんだこの子は

なんか俺は分かって無いとマズいっぽいのは

伝わった。


「分かりました師匠。一番弟子がお答えします。」


妹設定する前、ごく短い間だったが

俺を師匠呼ばわりしてたっけなぁ

そう言えば。


「クフィの属性はズバリ、時空系ではないでしょうか!!」


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