表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぞくデビ  作者: Tetra1031
177/524

第百七十六話 漆黒の雷装備

無理だろ結婚とか

どうやってすんだよ想像つかねぇよ。


でもオリジナル俺は結婚したんだよな。

いや

やっぱり嘘じゃないか

こっちから確認する方法が無い

どうせバレないからと

見栄を張ったのかもしれない

元の世界がクソすぎて

こっち残ったコピーの俺に嫉妬し

少しでも悔しがらせてやろうと

付いた哀れな嘘なんじゃないか。


その位、自分に出来ると思えない。

ここは早目に予防線を張った方が良いだろう。


「ナリ君スマン。結婚に関しては

マスターになれない。自分だって未体験だ。」


「ハァ・・・ですよね。」


なんか最初から俺には期待していないって感じだ。

それはそれでムカつく


「やっぱり相手は同族の魔族じゃないと

マズいんだよな。」


純血とか保たないとイケない気がする。


「特に決まりはありませんが

まぁ別種族を選んだ場合、7元老

そう呼ばれる重鎮達の許しが出ないと思われ」


ルークスもその7元老の一人だそうだ。

他のメンバーも会議とかで俺も

顔は見ているそうだ。

王不在でも彼等が魔族を取り仕切っていける。


「行ったこと無いけどヒタイングって

魔族居るのか。」


保護地区があるぐらいだ

他の場所では考えにくいな。

ブンドン、バロード、ネルド、ネルネルド

当足り前だがミガウィン族の領地にも

魔族を見かけてはいない。


「むぅ、望みは薄いかと、しかし

神託で巫女から言われては行かないと言う

選択肢はありません。」


アレか

その7元老が適当に

先回りして嫁候補を配置するんじゃないか

俺が7元老ならそうする。

大事なしきたりなので

蔑ろには出来ないが

さっさと終わらせて決めてしまいたいだろう

隆盛を極めた平時とは状況が違う

一刻も早く祖国再建に向けて動き出したいハズだ。


心配いらなさそうだな。

むしろ他人の心配より

自分の方だな

ハーレム完成はいつの日になるのか


「まぁ何だかんだ言ってもナリ君は王だ。

貴様を妻としてやろうと言えば

相手は即落ちだろう。」


「そう言うモノなのですか。」


その辺は実感が湧ないようだ。

森での孤独な隠居が長すぎた。


「そう言う理屈でしたら救世主で

あらせられるマスターこそ

何でも来いと思われ」


そうなの

早速試して見よう

俺は席を立ってテストを実行し

直ぐに戻ってきた。


「引っぱたかれたよ・・・。」


「な、バカな!」


俺でこれでは自分はどうなるのだ。

ナリ君はそんな不安を感じたらしい。


「ちなみに何とアプローチしたのですか」


「シャーリーにパンツ見せろって・・・。

この方法はよろしくないようだ」


「アホですか。もっと殴られてきなさい」


魔族って露出度の割に

固いというか真面目というか

冗談が通じない種族だ。


「シャーリーには後で我とのゲームの

罰ゲームだったと言って置きます。」


おお

そんなフォローを思いつくとは

コミュ障からリア充へ

ナリ君は着実に成長しているな。

どっかのG3冒険者とは違うな。

偉いぞ。

このままリア充を極めた暁には

リア王と呼んでやろう。


「済まない頼めるか・・・

なんかショック受けてたっぽいし」


「ええ、ショックだったと思います。

そう言う御戯れは程々に願います。」


大丈夫かな俺

グレアにはそう言う事をしてないと思うが

どうもグレアは俺に警戒心を

持っているような態度だし

うーん

どうも俺は魔族女子に好かれるタイプでは

なさそうだ。

まぁ嫌なら適当に金が貯まれば

自分から出ていくだろう。

金の管理も任せている。

いくらでも都合は付けられるだろう。

退職金の話もしておこう

資金計画に重要だ。

でも、これはヒタイングから

戻った後の方がいいかな


などとボンヤリ考えている間も

ナリ君の御小言が続いていた。

うん

魔族は誇りを重んじるのね。


ふと気が付くと

シャーリーが俺たちのテーブルまでやって来た。

何の誇りが発動しているのか

思い詰めた表情だ。


「先ほどのマスターの御戯れの件だが」


早速ナリ君がフォローをしてくれるようだ

シャーリーの要件を聞かずに

話始めたがシャーリーの

耳に届いていないのか

王の語り掛けの途中で行動を起こした


「先程の救世主様への無礼

どうかお許しをご所望であれば

魔族は何でも差し出す覚悟でございます

私とて魔族の端くれ・・・魔族の覚悟ここに」


そう言ってスカートの端に

両手を掛け最終兵器の封印が


「え?」


止めねば

でも、もうちょっとしてから


「ほらぁ!!ちょちょちょちょ」


ナリ君が素早い動作でシャーリーを確保した。

いかんいかん俺もシャーリーを止める。


何だ何だと周囲がざわつき

衛兵が駆け寄ってきた。


冗談がのっぴきならない大騒ぎに発展してしまった。

魔族に冗談を言うのは止めよう

俺は誓った。


ナリ君が例の理由で説明して

事態を収束させた。

それとは別に俺はシャーリーに

真面目に謝った。


そして逃げる様に俺達は

別棟の屋根のある訓練場まで移動した。


「なぜ訓練場なのですか。」


「みんなに装備を渡していてな

ナリ君のもあるんだ。」


「お気持ちは嬉しいですが

我の装備はご心配無用です。」


装備の内容を聞けば。

ここに来るまでの黒装束だ。

祝賀会の盛り盛り王子様でなくて

ホッとした。


「だったら、一度見てくれないか」


専用装備だ。

性能は当然、外観もその人の好みにしてあるのだ。


「まずは兜だ。」


俺はストレージから取り出し台の上に置く。


「兜・・・なんですかこれ」


この状態だと黒い板が重なっている塊だ。

頭を突っ込む空洞など見受けられない。


「ふふ、見てろ」


俺の厨二魂を注ぎ込んだ兜だ。

俺は塊を後頭部にセットし

鎖骨の辺りにあるスイッチを入れた。

板は様々な方向にスライドし

一瞬で俺の顔を覆う兜に変形した。


「おおおおおおおおおお!!」


ナリ君は目を見開き

絶叫を上げ驚いた。


俺は首を傾げるように

側頭部の穴を見せる。


「角逃がしも完璧だ。戻す時は反対ね」


反対側の鎖骨のスイッチ

これはうっかり作動を防止するため

ローラー状のスイッチを押し込みながら

スライドさせる機構だ。

押すだけだと運悪く矢が当たっただけで

作動し無防備になる

これは怖い。


俺は説明し作動させる。


「うおおおおおおお!!」


初見と違い想像がつくハズなのに

声を上げて収納の様子を見るナリ君。

良いリアクションだ。


俺は次々と兜とセットの小手

胸、肩、腰、肘、膝、脛などの

プレート部。

それらを装着するアンダーアーマーたる

専用のツナギを取り出し

各ギミックと性能を説明した。


「つまり小手のメモリの数だけ

雷撃打ち放題なんですね」


マインドダウン対策にクリスタルが

電池代わりに仕込んであり

魔力残量に応じてメモリが減る仕組みだ。

1目盛雷撃一発換算してあるのだ。

常時漏れる魔力で装備していれば

勝手に蓄積するエコチャージ機能だ。


これも身内用に取っておいた

特別保有密度の高い希少なクリスタルを

使い込んである。


輝く瞳で各説明を聞き入るナリ君。

性能はモチロン、禍々しいデザインと

黒を基調に所々走る赤いライン。

黒も素材を複合使用したので

艶のある部分、無い部分

ざらついた部分、網目部分など

複雑で飽きさせないデザインだ。

そして意味があってそうなっている。

ここが大事だ。

機能美でありながらデザインとしても優秀。

完璧だ。

欠点は厨二でなければちょっと恥ずかしい事だ。


着込んでテストをしたナリ君は

欲しかった玩具を買ってもらった子供の様に

はしゃぐはしゃぐ

うん

気に入ってくれた様だ。


「でも要らないんだよね折角作ったのになぁ」


「ちょ・・・頂戴」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ