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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第百七十五話 魔族王、第二の試練

「ねぇねぇこの剣、名前は?」


人化したミカリンは剣を手に

キラキラした瞳で聞いて来た。

剣の反射で本当に輝いていた。

それ見て考えた・・・・。


「レフバーンだ。」


「レフバーン。うんカッコイイよ

で、どういう意味?」


「対象を輝かせるって意味だ。」


「おー!!」


喜んでいる。

元の世界の元ネタは

ばらさないでおこう。


ガレージの扉が開き女子軍団が

入って来た。


「何か凄い物音でしたが」


念のため獣人化したアルコが

そう言った。


「新型の剣の性能テストだ。

騒がせて済まない。大丈夫だから」


俺の言葉に人状態になるアルコ。


「夜食、作ったよー。」


色々と皿やカップの乗ったワゴンを

グレアと押して運びながら

入って来るブリッペ。


「私もお手伝いします。」


グレアもそう言って来た。


内職はほぼ終わっていたので

そのまま夜食だ。

食いながら在庫の説明をグレアに

引き継いでおく。


「剣の事は分かりませんが・・・

この剣が只の剣で無い事は感じます。」


レフバーンを見せてもらっていたアルコは

また獣人化している。

本能的に危険を感じ取って防衛本能が

自動で発動させたのだろう。


「そうだ。丁度良い。みんなのも渡しておこう」


俺は半魔化すると、寝っ転がっていた間に

設計しておいた各々の装備を生成していく。


アルコには槍兵用のフルアーマーと

タワーシールド、ランスのセット

更に

獣人格闘専用の爪、小手、各関節部の当て

露出面が多いのは毛で空気の流れを感知している

それを阻害しない為だ。

装備した状態でそれぞれ登録した。

自分で切り替える練習をしておくように

伝えて置く。


「はい。お任せください」


レフバーンが羨ましかったのだろう

生成の為半魔化した時に

微妙だが嫉妬を感じた。

自分の分があると知ってからは

羞恥と自己嫌悪だった。

素直な良い子だな。


アルコは専用装備に興奮気味だ。


「これスゴイですね。」


早速、切り替えの練習と

各装備の試しを始めたアルコは

上気した顔で感想を言った。


「現時点での俺の限界だ。」


身内用に取っておいた

取って置きの材料を

惜しげなくつぎ込んだ。

これ以上を求められても困る。


「これ以上となると、多分

地上にはもう無いと思うよ。」


ミカリンが後ろからそう言った。

レイバーンを知っているミカリンの言葉だ。

俺は素直に嬉しい。


「ねぇねぇ、ブリッペの槍は?」


「スマン。自動で攻撃してくれる

妖怪みたいな武器は作れん」


「えーっ」


えーじゃないが


「その代わりだがな」


槍は諦めた。

というか前線に出て欲しくない。

貴重な回復役だ。

最重要だ。

前線の被ダメを回復が上回る限り

戦線は崩壊しない。

ミカリンとアルコを失わない為には

ブリッペの健在が不可欠なのだ。


俺は僧侶用の装備一式をブリッペに

渡しておく、ブリッペは登録切り替えが

自発的に出来ないので

専用ケースに入れた。


「わーい」


ブリッペも大喜びだ。

しかしこの喜びは

性能よりもプリティなデザインと装飾に

対する喜びだった。

喜んでもらう為にそうしたのは

自分自身で、喜んでもらえて

してやったりのハズなのだが

俺は内心複雑だった。

性能もスゴイんだぞ。


「で最後に」


俺はグレアにショートローブとナイフ

ブーツ後はクリスタルをあしらった

アクセサリを渡した。

金属部分以外は各地で入手しておいた

素材だ。


組み立てるのに少々手間取る。


「わ・・・私にも」


自分の分があるとは

思っていなかったようだ。

ビックリしたまま受け取るグレア。


俺は各装備の説明をしておいた。

グレアは非戦闘員だ。

戦闘そっちのけ攻撃力は後回し

ダメージカットと逃亡に

全フリした内容の装備だ。

サバイバル装備だ。


「後は王様なんだが・・・」


今日は来ていないようだ。


「そういえば最近見かけませんね。」


グレアがそう言った。

王様だからな

そうそうヒマになるハズが無い。


「明日、魔族のトコに顔出すか」


翌日、朝食を摂った後

魔族の迎賓館に向かった。


最近、見かけない理由は簡単な理由だ。


ナリ君は死んでいた。


「ヂョンロォーック!!!」


蘇生は簡単だった。

外傷は無く、ただのショック死

死後の保存も良好で腐敗は進んでいなかったのだ。

考えてみれば蘇生呪文は初めてかも知れない。

助かった。

練度が低い呪文なので

腐乱死体や部位欠損などの死体だったら

成功しなかったかもしれない。


「なんと・・・お礼を申し上げれば・・・」


ルークスは土下座で苦しそう言った。

この数日間、不眠で事態の対応に当たった。

死んだとは言えない

蘇生の為に内密に動き回り

疲労の限界だった。


お礼が心苦しい

死因はどう考えても俺の弱体だ。

名付効果でナリ君に出た悪影響

それも運悪く最悪の結果だ。


「次からはすぐ俺に言ってくれ」


俺はルークスに回復呪文を掛けた。

王が蘇った事と回復の呪文の効果で

そのまま熟睡状態に入ってしまった。


ルークスは執事達に寝所に運ばれていった。

そのまま昼飯を久しぶりに迎賓館で摂った。


シャーリーを見かけたので

ネルドで入手した珍し気な本。

その中からアルコも絶賛だった。

歴史創作物を渡した。

こういう系の好きだったよね。


シャーリーは酷く恐縮して

ブンブン手を振って恐れ多いを連呼して

断ろうとしていたが

俺の後ろからのナリ君の援護射撃

「断るとは不敬な」の一言でやっと納めてくれた。


うーん

俺のやってる事、迷惑なのかな

自重した方がイイのかな。


「マスターの意志が最優先事項です。」


メシを食いながらナリ君に

相談したのだが、この返事だ。

これはどっちにも当てはまる。

親切にすると決めるか

遠慮すると決めるか

どちらだろうが、俺が決定すれば良いからだ。

相談にならなかった。


魔族の料理は相変わらず辛目だったが

久しぶりな事と馴れて来た事もあり

想像以上に美味く感じて

ちょっと食い過ぎてしまった。


「ヒタイング、我も参りますよ。」


調査の事を相談したら即答だった。


「出られるのか。」


あまりにも即答過ぎる

絶対後でルークス辺りから横やりが入る

そう思った俺は訝し気に聞き直した。


「啓示がありましたので」


なんでも次の試練の為の占いを

魔族の巫女にしてもらったそうで


「北に向かえと言われました。」


成程、ドーマからは北方向だ。

試練の為の巫女の神託となれば

邪魔も出来ない。

むしろ実行の為に最優先に

動かねばならないだろう。

そうなると

俺と一緒というのは逆に好都合になるのか。


「ほう、で次の試練のお題はナニ」


前回は国を救う程の偉業だった。

大型のバング討伐はそれに十分だった。

今度の試練の内容は何だろう

気になった俺は素直にそう聞いた。


「それが・・・。」


真剣な表情になるナリ君。

そんなに困難なのか

なんだなんだ

戦闘系は済んだんじゃないのか

いや

むしろナリ君の場合は

戦闘系が一番ハードルが低いのか


「それが・・・?。」


中々言い出さないので

後を促す俺。

意を決して、やっとナリ君は口を開いた。


「伴侶を見つけねばならないのです。」


「な、なんだってー!!」


俺達には無理じゃないか





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