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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第十七話 レベルのからくり

攻撃アタッカーが二枚なので

盾役タンクをしようと重装備で

構えたのだが

上から横から俺を追い越して

速攻仕留めてしまう脳筋二人。


ただ棒立ちしているだけの俺

馬鹿らしくなったので

最近は専ら魔法職の後衛だ。


「へっへーん。また頂きっー」


素早さはアルコと同等なのだが

戦いの流れの読み

立ち位置や動きなど

長年培われた戦闘経験が

ミカリンにはあった。


アルコは良いトコロを

常に持っていかれてしまう。


「お見事です」


悔しがる様子もなく

普通に賞賛しているアルコ。


「アモン置いてけぼりで

僕ばっかり強くなっちゃうなー」


ルンルン気分で踊るミカリン。

俺は愛想笑いで答えた。


ゴメン

ミカリン

それ不可能なんだわ


経験値の入り方にムラがあるようなので

放置出来る相手だった場合

二人に任せて、俺はステータス画面を

開きっぱなしで観察した。


ミカリンの攻撃が成功する度に

俺とミカリンに均等に経験値が入った。


アルコの場合はアルコのみに入った。

俺の場合も同様だった。


アルコが

トドメの一撃の時は値は4分割され

決めた者に2

残りの二人には1づつだった。


これがミカリンが最後の一撃だった場合

ミカリンが1

アルコが1

俺が2になるのだ。


そして俺だった場合

俺が2.5

アルコ1

ミカリン0.5


おかしい

色々考えたが恐らく

これは呪いが原因だ。


ミカリンに入るべき経験値が

無条件で半分俺に譲渡されるのだ。


俺は何もしなくても

ミカリンと同等にレベルアップしてしまう。

そして自分で行った行為は

自分にだけだ。

そしてその差は永遠に埋まらないのだ。


どんなに頑張っても俺を追い越せない

仕組みなのだ。


・・・・

黙っていよう

申し訳なさ過ぎて言えない。

知ってしまいやる気無くされても困るし


今現在のレベルだが

俺10

ミカリン9

アルコ11


俺はメイジのスキルが開放され

攻撃魔法を使える様になった。

ただ属性が土だったせいで

使える魔法は三っつ

土の壁を出現させるソイルウォール

石の棘を地面から生やすスパイク

地面に限るが任意の場所に落とし穴を発生させる

デスラーホール


まず土壁だが

これが頼りない

なんせ土だ

ただの土だ

俺のパンチでも壊れる。

吹き矢ぐらいしか防げないかも


で次がスパイクなんだが

突っ込んで来る相手には

タイミングが難しい

速すぎれば相手は軽くジャンプで

飛び越えて来る。

遅すぎれば言うまでもない

気づかないで迫って来る。

ドンピシャでも致命傷には至らない。

動きは封じられるので

アルコとミカリンが居れば

イイが俺一人だった場合

他に攻撃手段が必要だ。

で、待ちの相手には

発動前に光るせいで

足元の異常に気付かれ

大体、回避されてしまう。


最後のデスラーホールは

呪文がちょっと長いので

動き回る相手に決める自信が無い。

出現時間も5秒

それを過ぎると引っ込んだ地面が

自動で隆起して戻ってしまう。

トラップとしても使えない。

ただ沈下と隆起は瞬時に行われるので

この勢いを利用して

大勢でジャンプ出来る。

これが結構高く飛ぶので

落とし穴のダメージよりも

ジャンプしてからの落下の

ダメージの方がでかいかもしれない。

ミカリンやアルコなど

体術に優れた者には

なんの脅威にもならないどころか

遊びに使われてしまう

悲しい攻撃呪文だ。


三つとも呪文レベルが1なので

上がれば強力に変化するかも知れないが

期待薄だ。

そして三つとも


飛行する相手には何の効果も無い。


土系の悲しい弱点だ。

と、言っているソバから

飛行系のモンスターが現れた。

大型の蜂、キラービーだ。


「ミカリン」


俺はそう言って愛用の杖「癇錫」を

ミカリンに投げて渡す。


癇錫かんしゃく

キャスタリアが湖の底から

拾って来た材木で

なぜだかやたら魔力の伝導率の高い

材木があったので、切り出して作り

川で拾ったクリスタルを先端に仕込んだ。

最も簡単な杖だ。


「丁度良い。試してみろ」


杖を受け取ったミカリンは了承の合図に

一回だけ頷き、納刀すると

杖を構えると呪文に入った。


ミカリンも魔法が開放されていた。

彼女の属性は火だ。

最も簡単な呪文のファイアボールだが

これが今の所、うちの一番強力な遠距離攻撃だ。


「ファイアー」


ミカリンがそう叫ぶと

杖の先端から火の玉が

勢い良く飛び出していく

が、軌道がすでにズレている。

これは外れるだろ


「いけね」


そう言うとミカリンは

杖を動かす。

その動きに連動して火の玉は

軌道修正しキラービーに命中した。


そんな事出来るの


「よっしゃー」


ガッツポーズのミカリン

一撃で倒した。


うん、間違いなく俺が一番弱い。

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