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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第百六十三話 クリシアマフィアの噂

ユークリッドの話では

ヒタイングに1型と思しきバングが

現れたらしいと言う情報だった。


白い仮面を付けた

黒装束で武器は鎌。


「成程。1型っぽいですね。

それにしても報告が曖昧じゃ・・・。」


それに関しては

ヒタイングでは目撃例が無かった事と

隣接する友好国クリシアから

流れて来たらしいとの事だ。


噂を広めたくないが為に

出現する可能性の無い所は

警戒もしていなかったそうで

どうしても情報網が薄くなっていた。


「そういう理由で不審者として扱っています。」


「本当に不審者じゃないの」


バングなら大騒ぎだ。

その気になれば

時間は掛かるだろうが

都市を壊滅だって可能だろう。


「つか、何かしたんですか。その不審者」


2~4型なら

問答無用で襲い掛かって来るが

1型単騎の場合は

考えて行動する。


何しに来たんだ。


「黒装束に仮面ですからねぇ。

やましい事をする人間が

その恰好をしてもなんら不思議では

無いですよねぇ。」


笑いながら、そう前置きをして

目撃となった事件の詳細を

ユークリッドは話してくれた。


襲われたのは勇者を名乗る男だそうだ。


「勇者の偽者自体は珍しくありません。

とあるお方に次いで二番目に多い偽者です。」


やったー勇者に勝ったぞー。

勇者に勝った魔神てすごくね。

俺すごくね。


「その偽勇者がクリシアからの

流れ者だったので、情報がですねぇ。」


クリシア

エラシア大陸の南端。港町ヒタイングから

東に位置する半島全域。

教会を受け入れる形で

バルバリスとは友好国となった

美しく豊かな海に囲まれた半島

国民の気質は良く言えば陽気で

悪く言うと不真面目だそうだ。

古くから犯罪組織が国政を

半ば牛耳っているそうだ。

麻薬や犯罪者も特産品で

バルバリスの頭痛の種でも

あるそうだ。


ミガウィン族が目の上のタンコブなら

クリシア・マフィアは

尻のおできと言った感じか


最重要の頭痛の種

ミガウィン族問題が一応の解決を

向かえた今、次に痛い場所が

気になり出している状態だ。


「・・・俺、行った方がイイすか」


1型から流れた話だ。

俺を差し向けるつもりが

ユークリッドに最初からあったとは

考えにくいが

なんとなく勘ぐってしまった。


「とんでもない。休んでいてください。」


俺の体を心配するように

ユークリッドはそう言った。


「ただですね。魔族の王から

ちょっと耳にしたので」


ナリ君か


「何を?」


「ヒタイングに行く予定があるとか無いとか

もし、もし行くのであればついでになどと

どうしても考えてしまますねぇ。」


うーん。

どうせ1型は追わねばならない。


「ミカリン。入学までの期間は」


傍らで話を一緒に聞いていたミカリンに

俺は聞いた。


「30日くらいあるかな」


俺が適当なせいで

ミカリンに細かい所を押し付けているのだ。

そしてミカリンはアルコに

そのまま押し付けているらしい。


「まさか行くのですか」


アルコだ。

本気で心配している。

ゴメン

もう寝てるの退屈でダメなんだ。


「クリシアまで行くのなら

是非、私をお供に」


ストレガがそう名乗り出た。

なんでも昔あば・・・活躍した事があるそうだ。


「行くのであれば、是非同行を

お願いしたい人がいましてね。」


ユークリッドがそう話に割り込んで来た。

うーん

完全に準備してココに来たのか

判断は微妙だ。


ここからは人選のやいのやいのになった。

ブリッペは嫌がったので居残り。

グレアはお店をお願い居残り。

地理に詳しくクリシアにも知り合いが居る

ストレガは同行。

アルコとミカリンは同行を強く希望したが

バングの大群、これがまた現れないとも限らない。

倒しきれなくとも、この二人なら

グレアとブリッペを連れて脱出は可能だろう。

それを理由に二人は納得してもらった。

ナリ君は誘うがルークスが何て言うかだな。

後はユークリッドの言った人物だ。

誰なのか聞いて見たら

決めるのはこれからで

「流」の中の誰かになるそうだ。

パウル自身はベレンから動くワケにはいかない。

代わりにヒタイングの仲間と

やりとり出来る者が選出されるそうだ。

ただ、非戦闘員なので戦力には

数えないで欲しいとも言っていた。


「最低限の自衛はして頂きますがねぇ」


なんか、もう戦闘が前提になってる気がするが

きっときのせいだ。


教会側の人選と、こちらの準備も

考えて出発は3日後になった。


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