第十六話 三つ目の理由
女神に恋をした悪魔アモンは
女神の為に仲間を裏切り
西では地震を
東では大火事を起こして
全ての仲間を退治しました。
「ヴィータさ・・ま・・・」
如何に強者のアモンでも
仲間全員を相手にしては
体がもちませんでした。
アモンは満身創痍で女神の待つ
ベレンにようやくたどり着きます。
しかしアモンを待ち構えていたのは
人間達の攻撃でした。
「悪魔だ。悪魔が来たぞ」
「おのれ悪魔め」
ベレンの街の人々は皆一斉に
悪魔目掛けて石を投げつけました。
「醜い悪魔め」
「出ていけ悪魔め」
次々と投げつけられる石は
絶え間なくアモンを痛めつけます。
しかし、アモンは避けもせず
ただただ打たれ続けていました。
「何をしているのですか」
騒ぎを聞き駆けつけた女神は
民衆にそう言いました。
「悪魔が現れたので石を投げています」
「悪い奴をこらしめています」
それを聞いた女神は民衆に言いました。
「そうですね。悪い奴は懲らしめなければいけません」
そう言うと女神は民衆と悪魔の間に立ち
続けてこう言いました。
「ただし投げていいのは一度も罪を
犯した事の無い者だけです」
民衆は皆、顔を見合わせ
手に持った石を足元に落とすと
一人また一人と広場を去っていきました。
こうしてアモンに石を投げているのは
とうとう女神一人になりました。(なにこれ)
「ヒャッハー」
「ヴィータさま・・・そろそろ」
アモンの声に我を取り戻した女神は
石を投げ捨てアモンの元まで駆け寄ります。
「ああ、なんてヒドイ怪我」
倒れたアモンを抱きかかえた女神は
アモンの哀れな姿に涙しました。(半分お前のせいじゃね)
もうアモンに残された時間は僅かでした。
最後に一目だけでもと思い、攻撃される事を
覚悟で戻ってきたのでした。
「良いのです。我が君」
アモンの手を握りしめると
女神は自らの頬の温もりを伝えました。
「ああアモン。どうしたら私は
あなたに報いる事ができるのでしょう」
女神の涙はアモン手を伝って
地面に墜ちました。
「笑って・・・最後に見るものが
あなたの笑顔なら私の人生は
それで最高のものになるでしょう」
涙を流しながらも女神は精一杯の笑顔を
アモンに見せました。
「ああ、この笑顔は百万の死に値する
私は幸せだった」
その言葉を最後にアモンは息を引き取りました。
「ズルい人・・・愛しています」
女神の流す涙はベレンを囲む川となり
今もベレンの人々を魔物から守っているそうな。
おしまい
って
なんじゃこりゃあああああ!
風呂上りに
アルコがベレンに行きたい
三つ目の理由の話題になり
荷物から取り出したのが
この一冊の絵本
「女神に恋した悪魔」
前回の降臨
実際にあった出来事の絵本版だ。
この憧れの舞台になったベレン。
聖地だそうだ。
それは行きたい理由として十分だ。
理解出来る。
とりあえず俺が読む事になったのだが
途中から嫌気MAX
始めた以上最後までやる主義なので
根性で読み切ったが
ヒデー創作だ
全然、事実と違ぇじゃねぇか
まずヴィータが美人なのはいい
性格はこんなじゃなかったが
それは仲間しか知らんし
外面は確かに頑張って演技して
こんなだった。
ヴィータはいい
だが俺がおかしい
八頭身のイケメンになっている
翼も蝙蝠じゃなくてカラスみたいな
黒い羽根だ。
これ悪魔じゃなくて堕天使だろ
なんか常に背後に花畑が展開されるし
タキシードにマントだし
なんだコレ誰が書いたんだ。
マジやめてくれよ
そりゃあ伝記って正確じゃないのは
しょうがないよ。
沖田総司もイケメンじゃなかったしね
だが
話が違うのはマズいだろ
俺もあいつも「愛してる」なんて
一度たりとも言って・・・・ないぞ。
つか
目が
目がなんだよコレ
まつ毛300%増し
後、モブ
その他の人物の描画が適当すぎ
へのへのもへじだよ。
・・・いいのか?
女子眼ではこう見えているのか
お目当ての男子以外は
へのへのもへじに見えているのか
いいやいやいやいや
光学的にも生体学的にも
そーんなハズは無いだろう
後さあ
なんか真っ暗な背景に
白いまりもみたいなのが
漂っているだけの絵とかさ
ナニこれ
どこ?
どこを描画してるの
異次元?
脳内?
このまりもみたいなのは何?
ふとアルコ見てみると
ボロ泣きしていた。
お前、散々読んで
内容知っているだろうに・・・
で
隣のミカリンを見てみると
おいおい
お前までボロ泣きかよ
どういうこと?
女子的には有りなの
えー
分からない
分からない 分からない
分からない
女子のツボが分からない
どっちが受けとか攻めで
ガチの喧嘩とか
理解出来ない分からない。
出展
冒頭の投石事件 キリストの有名なエピソードです。




