表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぞくデビ  作者: Tetra1031
144/524

第百四十三話 試作品テストへ

話を終えると俺はネルドを発つ。

入って来た屋上から重力操作で

飛び立つと、ネルドから見えなくなる位置で

悪魔男爵バロンになって高速飛行した。


バングの通り道を上空から辿って行く

結構な時間飛行した。

どの辺りになるのかよく分からないが

雪も無くなった高山地帯で目標を発見した。


「おー居た居た」


俺は下降し滑空に移った。

向こうも俺に気が付いたようだ。


「おぉアモン殿」


「調子はどうだダーク」


ダークの報告を聞いた。

どうもバングの型、割り合いは一定で

2型が10、3型が2、4型が1の割合で

遭遇しているそうだ。


「早く1型とやらに会いたいでござる。」


かなり慣れた様で退屈そうだった。

俺は頼み事を一つした。

明日のテストの為に

適当数、わざとハグレを発生させ

ベレン方向に誘導してもらうのだ。

探し回る時間を短縮させたい。


「お安い御用でござるよ。」


「後、それからな」


ビルジバイツとナナイ召喚の件も

伝えて置いた。

ダークは偉く感激した。


「おぉ勿体なきお言葉。」


「そう言うワケで捜索は南方面に

注力してくれ。適当な所でナナイと

合流してしまっても構わない。

ナナイは強いが所詮は単騎だ

包囲攻撃に晒されれば本人はともかく

受肉の魔王護衛はキビしいと思う

助けてやって欲しい」


「やらいでかでござるが

バング討滅はよろしいのでござるか」


「それは、人間がやらねばならん事だ。

人間が滅びない様に間引いてくれ。

俺もいるし大丈夫だ。」


このままダークを酷使して討滅させたとしても

悪魔に感謝はしない、むしろ神に

感謝してしまうだろう。

魔界の崩壊を食い止める為には

バングのハグレを意図的に大量発生させ

魂の買い取りを促進させるべきだろうが

俺は魔王じゃない。

人間側の利益で動かせてもらおう。


その魔王が一名行方不明。

捜索の為、貧弱な受肉で一名現界。

残り10名いるはずだが

何をしているのやら

魔界の事はそいつらの責任だ。


「じゃ頼んだぜ。」


帰って少しでも寝よう。

俺は超音速でドーマに帰還した。


朝はミカリンに起こされた。

ブリッペとアルコが食事を

作ってくれているそうだ。


顔を洗い眠気の消えないまま

一階のリビングに下りる。


「おはようございます。先に頂いていますよぉ」


すでにユークリッドが朝飯を食い始めていた。

ベレンだけでなくドーマの家も

司教軍団に侵略されてしまうのか。


「おはようございます。」


特に突っ込まず俺も朝飯を頂く

一口で目が覚めた。

マジで美味い。


俺が食い始めると皆も座って

朝食を食べ始めた。

もしかして俺が食うまで

遠慮していたのだろうか。

今度、先に食っていていいと

言っておこう。


「武具のテスト、私も同行させ

ていただけませんかねぇ」


真っ先に食い終わったユークリッドが

茶を飲みながらそう言って来た。


まぁそうだろうな。

後二人位なら乗れるだろうが

護衛がぞろぞろ随行させられない。

連結アモンカーは馬よりも速い。


「私一人だけで結構ですよ」


「護衛とかはいいんですか」


「アモンさんが居れば要らないでしょう」


あっさりと言う

俺を信用しない方が良いのだが

悪い気はしないので了承した。


昨日は夜なべ出来なかったので

商品の補充が出来ない。

今日は「メタ・めた」は休日にしよう。

俺は居残り組、ブリッペとグレアに

そう伝え、買い物でも行ってこいと

軍資金を渡した。


二人ともすごく喜んだ。

まだ新居だ。

色々足りていないそうだ。


裏口からガレージに移動すると

表の入り口に誰か居るのに気が付いた。


「ここの鍵を頂いてません。マスター」


ナリ君だった。

・・・ついて行く気だよね。

俺は大人しく家とガレージの合鍵を渡し

念のため確認した。


「ドーマの命運を左右する武具。

我も見ておかねば。」


やっぱりそうだった。

まぁでもナリ君の雷撃は

頼りになるから心強いだろう。


ミカリンには今のうちに

新調したローブと杖を装備登録させておく

杖は簡錫より威力の出る新型「注錫」だ。

簡錫より優秀な

木材とクリスタルがやっと見つかったのだ。

自分の分はさっさと登録しておいた。


パーティメンバーのレベルを見ると

俺だけ突出してしまった。

今回はトドメを刺さないで

ミカリン達を優先させよう。


魔導院でストレガ、ギガ、マリオを

拾い槍の使い方をアルコに説明してもらう。

万が一の時の為に俺は

最近完成した2分で警告が出るタイマーも

アルコに渡しておく。


このタイマー3分後には中央に組み込んだ

キング・クリスタルから強制的に

魔力が譲渡される仕組みだ。

ベアーマン化をどうしても解けない状況時に

最悪の事態を回避してくれるだろう。


超合金バングの腕にも採用した

伸縮するバンド機構を採用したペンダント型だ。

そのまま変化しても千切れない設計だ。


キング・クリスタルがデカデカと輝いているので

装飾品としても差し支えないレベルだった。


現にアルコは説明を聞くまでそう思っていたようだ。

説明を聞き二重に喜んでくれた。


ブリッペ用の僧侶装備も準備してあるのだが

如何いかんせんブリッペのレベルが

低すぎるので同行はキツい

ブリッペ育成専用で狩りに出る必要がある。

俺と能力が被るが

言い換えれば俺の替わりを務めてくれるのだから

育成必須だ。

ネルネルドみたいな状況も

これから十分有り得るのだ。


アモン2000でアモンキャリアをけん引する。

アモン2000のやっつけ助手席に

どちらが座るかで

ストレガとミカリンがちょっと揉めたが

ミカリンには「お前しか出来ないんだから」と

言ってキャリアのブレーキを担当してもらい

ストレガは偵察のための発進があるので

なんとキャリアの屋根だ。


二人に納得してもらい

やれやれとアモン2000に乗り込もうとしたら

助手席にはなんとユークリッドが

もう座っていた。


「これで体を固定するので合ってますかねぇ」


初見なのにシートベルトをキチンと

装着できていた。


「合ってます。」


科学的考察が出来る人間には

説明など不要だなと感じた。


それが何の為にそこにあるのか


この考え方が出来れば

どうすべきなのかおのずと分かるものだ。


連結アモンカーを南に向け発進させた。


出発してすぐにユークリッドは

話を振って来た。

何か俺に話があるのだろう

その為に助手席に来たに違いない。


「1型なんですけどねぇ。」


「はい。」


まだ俺は遭遇していない。

もしかしたらベアーマンパトロール以外

戦闘経験が無いかもしれない。


「魔法を使うなんて話がありますが

おかしくありませんか。」


「どうしてですか」


1型は知能の有る指揮官だと勝手に

想像していた。

知能があるなら魔法だって使う事も

十分有り得るハズだ。


「バングのボディは強弱に関わらず

魔法で崩壊するのですよね。」


「・・・あ。」


ユークリッドの言った意味に気が付いた。

魔法を使うバングはおかしい

如何なる魔法にせよ。

魔法具でなく呪文ならば

術者の体内に魔力が存在しないと始まらない。

そんな事をバングがしようものなら

その時点で体内から崩壊するハズだ。


「1型はバングであっても他のバングとは

異なる存在だと想定すべきですね。」


俺はさも自分もそう考えていました的な

雰囲気を醸し出し答えた。


「やはりそうなりますよねぇ

仮面に模様なんてのも1型だけの

特徴ですしねぇ。ただそうなると」


言わんとする事が予想できた。

俺はユークリッドの言葉に続ける様に

話を繋げて喋った。


「今回の武具は1型には効果が無い可能性が大です。

別の対応策が必要でしょう。ただ優先順位として

2~4型への対策が先ですよ。」


「ですねぇ、対応しようにも

1型に遭遇してみないと始まりません。

いや、流石ですね。既に考えておられたとは

私が口を挟む必要は無さそうですねぇ

余計な心配でした。」


本気で言ってるのか演技で言っているのか

判断が付かないが

この人の場合は言葉通りで対応すれば良い。


「いえいえ、俺だって完璧じゃないですよ

ユーさんみたいに考えてくれる人がいると

ホッとします。なんかハンスとか俺に丸投げで

終わりみたいな感じがありますし」


「そうなんですよぉ・・・。」


苦笑いしているユークリッド。

やっぱりそうなのか。


出発してしばらくすると

屋根のストレガがジェット音をさせて

ボンネットまで降りて来た。


「お兄様、方向が」


「そうですねぇ、この先はバングの報告が

無い地域ですよ。」


ユークリッドもストレガと同意見だ。

俺はネルネルド方面より東寄りの荒野に

向けて走っていたのだ。


「いや、今日はこっちで大丈夫なんだ。」


うーん、魔神に誘導させているとは

流石に言えない。


勘で押し切ろう。


「まぁバングも、もちろんなんですが

この先は・・・・。」


ユークリッドが何か奥歯にモノでも

挟まったかのような口調になった。

珍しい。

言いにくい事でも無神経にズバズバ言う人なのに

何が言いにくいのか。


「えっと・・・ミカリンでしたっけ

あの方の部族の縄張りがですね。」


「手遅れかも・・・ちょっと見てみます」


周囲を窺っていたストレガはそう言って

空中に飛び出した。


その瞬間、矢が飛んできた。

ストレガは慌てる様子も無く

左手を翳すと矢を射出で撃ち落とした。


「もう囲まれています。」


脳内センサーが鳴った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ