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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第十四話 試聴せい

ベアーマンリーダーの横に立っていたので

近くに行くまで分からなかったが


デカい


180近くあるんじゃないの


見上げる感じになってしまった。

ビキニの位置に同族の毛皮を

身に着けている。

足もブーツ状に同じだった。

後は人の肌が露出している。


おい同族の毛皮使うのか・・・


セクシーなハズなのだが

そう感じないのは

肉付きのせいだろうか

水泳選手並みにいい筋肉だ。


なんか二丁拳銃で遺跡を駆け巡りそうだ。


顔は体に反して幼さを感じる。

表情は暗い印象を受けた。

自信なさ気だ。


「腕前の確認はよろしいのか」


ベアーマンリーダーは俺の即答に

コケそうになりながら言ってきた。


「リーダーからの寸評は?」


試す前にそう聞いた。


「恥ずかしながら、パトロールに

同行出来るレベルでは無い

見ての通り体格的に重さも力も無い

押し付ける様な形にはしたくない

遠慮なく言ってほしい」


自身の評価を改めてリーダーから

聞かされ俯いてしまった獣っ娘。

しまった

すかさずフォローを入れる俺。


「そりゃベアーマンの体格で言えばだな

俺達が行くのは人の里だし

建物も道具も当たり前ながら人サイズだ。

むしろベアーマンの同行が出来ない

彼女なら合格だよ」


後頭部を掻きながらベアーマンリーダーは

更に申し訳なさそうに言ってきた。


「ふむ、サイズは良いかもだが

器量は見ての通り・・・良いとは言えない」


俺は瞬間湯沸かし器になった。


「はぁ?ドコに目ぇつけてんだ

すっげぇ美人じゃないか」


まぁ種族が違うのだから

美的感覚も異なるか

ベアーマンの常識ではブスになるのか

俺は付け加えた。


「人族の美的感覚では美人になる顔だ」


「そうなのか?それはもっと早く知りたかったな」


ベアーマンリーダーは驚いていた。

獣っ娘は俯いたままだったが

頬が紅潮している。

いたたまれなさ、から恥ずかしさに変わったようだ。


「で、彼女の名前は」


なんと

名前は無いそうだ。

彼女だけでなくベアーマン一族に

固有名詞を持つ者は皆無だった。

ちなみにリーダーは「若頭」と呼ばれ

彼女は「若頭の妹」と呼ばれていた。

そう言われてみれば

前回に会ったベアーマン達の中に

名前で呼ばれている者は居なかったなぁ


「じゃあリーダーは若頭の妹の兄なんだな」


「若頭で良いでしょう。なんで一回

壁打ちして跳ね返す必要があるのですか」


タダクニネタが通じるハズも無いか


「じゃ腕前の確認を・・・ミカリン」


「はいよー」


俺が下らないギャグを言っている間に

ミカリンは準備を済ませていた。


「よ・・よろしくお願いします」


声は体格のせいもあって

若干低音だが

大人の女性って感じが良い


「ん?装備は」


そのまま構えた彼女を見て

ミカリンが疑問を口にした。


「あーベアーマンは基本、爪での

格闘がメインだ」


俺はそう言ってやった。


「お詳しいですね」


若頭がそう言ってきた。

森の妖精から聞いていると答えて置いた。


「OK-じゃあいっくよー」


剣だけは稽古用のレプリバーンに替え

後は新装備だ。


鋭い前進から跳躍。

早速、練習中の疑似三次元剣術で

牙向くミカリン。


「「ほぉ」」


若頭はミカリンに

俺は両方に感心して声が出た。


彼女の体術はどちらかと言うと

チャッキー寄りだ。

体の軸を変幻自在に移動させ

あらゆる方向から蹴りや突きを

繰り出して来る。


ミカリンも凄い

相手の掃う動作に盾を合わせ

自身の回転する動力に逆利用して

次手に繋げている。


「OKOK、十分でしょ」


互いに白熱し始めた

ケガする前に中止だ。

どっちが強いかじゃない

同行出来る実力を有しているかどうかだ。


もう十分、検証出来たと言える。


俺は拍手をして稽古を止めた。


二人はぐったりと荒い呼吸をしながら

礼をした。


若頭は地面に仰向けに寝そべり

両手を頭上に投げ出す恰好になった。

ベアーマン流の最敬礼だ。


「未熟者ですが、何卒宜しくお願い致します。」


その習慣は直して無いのね。


彼女も兄に習い

同じ格好になって言った。


「よよよろしくお願いいたします。」


エロい

やめて


「こちらこそよろしく、えーと

んー名前が無いと不便だな」


俺はメニューからパーティーを見る。

若頭の妹があった。


 種族:獣人

 状態:普通

クラス:ファイター

ジョブ:グラップラー


うぉLVは10じゃないか。

ふむふむ


名前はミカリンと同じで空欄点滅だ。

これは俺が付けられるな


「付けてもイイ?」


念のため称号をゴットファーザーにしておく

ふと、見ると

ベアーマン兄妹は怪訝な表情で

見つめ合っている。


なんだ


「ゼータは名付が出来るよ

僕も貰った」


兄妹の不安を察したミカリンが

気を利かせて解説した。


「ゼータ様そそそれならば、私より

兄に付けては頂けませんでしょうか」


「何を言う、お前がゼータ様に

仕えるのであろうが」


美しい兄妹愛だな。


「なんなら二人とも付けようか」


若頭もパーティーに入れる必要がある。

俺は一時的で良いから

俺の指揮下に入る様に説明する。

具体的には何もしなくて良い

それを受け入れる了承をするだけだ。


「・・・どうですか」


入った


4人目に若頭が入った。

うお

LV40かよ

・・・・・

前回の俺とミカリンは

一体いくつだったんだろう


俺は指でOKサインで伝える。

さて何て付けるか


「希望はあるか?」


首を横に振るベアーマン兄妹

全くイメージ出来ないそうだ。


勝手に名乗る者がいないのも

そもそもイメージ出来ない事に

起因しているのかも知れない。


「うーん熊だろ・・・プー」


「アモンいけない!そこだけは洒落にならないよ」


相変わらずツッコミが速いなミカリンは


確かにDの一族に睨まれるのはマズい

輝きが眩しければ眩しい程

発生する影は濃くなっていくのだ。


「じゃあ・・・素敵よお客さん」


「いくつだよKつばめなんて

もう誰も知らないよ。大体セリフで

名前じゃ無いじゃん」


黄金期のチャンピオンを知っているのか。

さて

そろそろ真面目に考えるか。


俺は兄に「マイザー」

妹に「アルコ」

と、命名した。

由来は

大熊座の尻尾の部分

いわゆる北斗七星の連星からだ。


あの伝説の格闘マンガで

見えたら死ぬ星がアルコに当たる。


実際は見えなくなると

死期が近い(老眼)という伝承なのだが

あのマンガでは何故か逆の設定だ。


「はい終了と・・・・ん?」


なんか兄妹の顔が凛々しくなってる気がする。


「んーもう勝負にならないかな」


ミカリンが嘆いた。

そういえばミカリンはまだLV5だった

それがLV10のアルコと互角に打ち合った。


これは名付によるブーストだったのか

それが今、同じ条件になってしまい

本来のレベル差が浮き彫りになった。


どの位、上昇するのか

ステータス画面を・・・

あー名付前の数字を記憶してない。

見ても分からない。


次に機会があれば

名付前の数値をメモしてからにするか。

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