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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第百三十二話 フクロウの後ろ

その後もダークと二人で

探しては狩り続けた。


そんな中で気が付いた事がいくつかあった。


バングは何と言うか蟻の様に

歩くルートが決まっているのか

遥か上空から見た場合きっと一列に

見えるのであろう。


ハグレ

この事知っていたのか偶然なのか

この列からはみ出て迷走する個体が

稀に出て来るようだ。


出現場所がほぼ固定されるので

防衛線を広く取る必要は無く

人が行動しやすい場所に

戦力を集めた方が良いだろう。


それが運よくネルドだったという訳だ。


他に気が付いたのは経験値の入り方だ。

俺の様に変身能力の有る者は

各モードで分けた方が良い。

同じ相手に同じように戦っても

繰り返す程、入って来る経験値は

乏しくなっていくのだ。

変身出来なくとも、魔法や物理と

戦い方を変えた方が収益がデカい。


要するに初体験程、多くの経験値が

入って来るのだ。


この事に気が付いてから俺は

人、下等悪魔レッサーデーモン悪魔騎士デモナイト悪魔上位騎士グレーターデモナイト

それぞれ魔法戦、物理戦と様々な方法で戦った。

流石に人の物理はヤバ過ぎて諦めたが。


そんなこんなで悪魔男爵バロンがレベル70で開放された。

確認は寝てからにしよう。


ネルドに全く襲撃がなくなると

それはそれでまた、油断してダラけたり

逆に攻勢に出るべきだとか無理したりしそうなので

適当に間引く感じで倒して行った。


これは引き継ぐダークにも

理由を説明し同じようにする様に

言いつけて置いた。


「御意。問題ありませぬ

恐れるに足らん連中でござるな」


おい、何で俺が一緒に来ることになったのか

その理由を言ってみろ。


「当然だ。倒したのは皆、雑兵だからな」


俺は1型についてダークに説明した。

これだけ狩っても、まだ1型には

遭遇していないのだ。


「心得たでござる。確かに将と思しき

相手は居なかったでござるな。」


まぁダークなら負けるとは思えないが


「もし1型に遭遇したら・・・。」


俺はダークに1型の仮面を

出来る限り無傷で入手するように頼んでおいた。

魔法が使えないダークには難易度が

高いかもしれないが

ここまでの戦闘で色々試した感じでは

葛飾北祭の切れ味ならば

バングの黒いボディにも

十分通用する。

時間はかかるかもだが

上手く削り切れるだろう。


俺は魔法で倒した個体の残した

2、3、4型の仮面はストレージに

適当数入れて置いた。

1型も是非手に入れたいトコロだ。


すっかり自信満々になったダークは快諾した。

もう行ってイイとの事だったので

後はダークに任せて俺はドーマへの帰路に就いた。


東の空が薄っすら明るくなり始めていた。

悪魔状態で飛行中なのでなんともないが

今日は人で居た時間も結構長い

人になった瞬間、睡魔に襲われる気がした。


人目の無い地域で行ける所まで飛行してしまおう。

悪魔上位騎士グレーターデモナイトの飛行力は

音速こそ出ないもののジェット旅客機並みだ。

馬車で5日の距離も小一時間だ。


雪景色が無くなり

見慣れた温暖なベレン周辺の景色に変わる頃

それを感じた。


「なんだこりゃ?」


ダークとの話で

俺は魔力探知に常に注力するようにした。

大量では無い、むしろ微弱だが

何か異質な魔力を感じたのだ。


気になるので行って見る事にした。


魔力探知、デビルアイなどで

活動している人間が居ないのを確認してから

一気に急降下し半魔化で着地した。


メニュー画面から装備は

旅人風魔法使い一式に変更した。


周囲は普通の森だ。


エルフの里周辺の大樹は無く

高くても10m程度の樹木が並んでいた。

まだ若い森なのかな。


異質な魔力を感じた方向に

注意深く進んでいく

各センサー系、デビルアイも併用して進む

精度を求めなければ、この辺りの能力は

前回と左程使い勝手は変わらない。

ようやく慣れた感じになってきたが

走査系はまだ及ばない

前回は分子構造を始め

かなり詳細まで分析出来たのだ。


程なくして目標の近くまで来て

また別の魔力に勘付いた。


これも微力だが

なんか魔神みたいな魔力だ。


魔力の主は直ぐに分かった。

一匹のフクロウが枝に止まって

俺を注視している。

明らかに俺を見ているのが

魔力の流れから分かる。

間違いなく俺を見ていた。


俺もフクロウを睨み返すと

フクロウはなんと魔法を使って来た。

魔力の少なさと脳内センサーが反応しない事から

危険は無いハズだ。

一体何をする気だ。


恐怖

完全人化だったなら恐怖を感じたかも知れない、

フクロウが唱えたのは恐怖フィアーの魔法だ。

半魔化、それも悪魔男爵バロンともなると

その程度の下級魔法は対策無しで無効化出来た。


このフクロウ、妙には違いないが

大した事無い。

コレはいいや


俺はフクロウを無視して

歩みを進めようとした。


その瞬間フクロウは枝から飛び立ち

猛全と俺に特攻してきた。


折角、無視してやろうってのに

来るならしょうがない

焼き鳥にしてやる。


俺は速度優先、威力弱めの

高速圧縮言語による火球ファイアーボールをフクロウに放った。

しかし、なんとフクロウは命中する直前に

器用に回避した。


俺は驚愕した。

コイツ動物じゃない。


見てから回避したのではなく

俺の呪文と魔力から

攻撃魔法の射線を解析して

魔法発動前に回避を準備していたのだ。


そうでなければ

飛び込んで来るフクロウ

飛んでいく火球

その相対速度上

フクロウの運動性能では回避が

間に合わないハズなのだ。


このフクロウは魔法を知っているのだ。


もう次の魔法は間に合わない。

俺は杖で叩き落とす為に

構えるとフクロウは威嚇だけして

俺の後方に抜けていった。


「おのれ!待てぇい!」


振り返ってそう叫び

フクロウの様子を見ると

フクロウはユラユラと飛んで逃げていく。


よし

追わない。


攻撃は絶対に無いと確信した俺は

当初の目的の魔力の発生地点に

向け走り出した。


フクロウはそれに気づいたようだ。

慌てて方向転換し

逃げたスピード以上の速さで

俺を追って来た。


やはりな。


逃げる時は全速だ。

下手に余裕なんか持たない。

あのフラフラした逃げ方は

誘いだ。

最初の恐怖フィアーの呪文と

合わせて考えて

あのフクロウは侵入を拒んでいたのだ。


そもそも

逃げるなら森の奥であって

街道側の森が終わる方向じゃないハズだ。


俺に奥に行って欲しくないのだ。

そうと分かれば

奥に行ってやるぜ。

ヒャッハー。


悪魔男爵バロンの身体能力は凄い

ヨハンと格闘でもスピードで引けを取る事は

無さそうだ。

俺は飛ぶフクロウより速く

ビュンビュンと森を駆け抜けた。


フクロウがすんごい必死で

俺を追っているのがセンサー系で確認出来た。


ホラホラ

こっちよー


そうして問題の地点ポイントに到着した。


「・・・人か?」


人なら子供だ。

倒れ伏して動かない。

自らの体から零れて溜まったのか

血の水たまりの上に伏していた。


俺は減速して子供の前に行く。

ようやく追いついたフクロウは

俺と子供の間に着地すると

羽を広げ立ちはだかった。


「立ち去れぃ。さもなくば死を与える」


喋った。

魔法を理解しているぐらいだ。

まぁそのぐらいはするよな。

俺は特に驚かずに

フクロウに向かって話しかけた。


「その前に、その子供が死ぬぞ。治療させろ」


俺はデビルアイで子供を走査した。

見ての通り大量出血のショック状態。

脈拍、体温などなど軒並み低下だ。

臓器にも損傷が見られる。

腹部の外傷は・・・大型の獣かなんかの

爪でやられた感じだな。

そして心臓と肺の間に魔核。

これは無事の様だな。


魔核だと。


「去れ!人には治せぬ!」


まだ俺を威嚇するフクロウ。

言うより見せた方が速いか。


俺は完全悪魔化した。


悪魔男爵バロンでかい

前回のデフォルトサイズまであと一歩。

3m以上あるわ。


「な・・・。」


フクロウが驚いた顔・・・でいいだよな。

鳥の表情なんて分からん。

とにかく驚いて態度を変えた。


「おぉ爵位級ロードとは、良し治療を許可するぞ」


許可って

なんで助けてもらうの上からなんだよ。

やめようかな。


「主様。仲間ですぞ、今お助け申しますぞ」


フクロウは子供に振り返り

俺に対するのとは正反対に猫なで声で

子供に話しかけた。


いや、その状態じゃ

意識ないだろ。

そう思ったのだが

なんと、子供は伏した状態から顔を上げた。


血の気はとうに失せ

土気色だったが

幼いながらも気品を感じさせる顔つき

赤い目と髪がババアァルを連想させた。


「わ・・・妾を治療する事を許可する」


うわー

こいつのプライドも相当なモンだ。


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