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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第百三十一話 ダークVSバング

仕方が無いのでダークと一緒に

ネルドに向かう事にした。


一緒に戦って自信が着いたら

命令通りに独りでやるそうだ。


それまでは一緒に戦う。

・・・自転車の補助輪外そうと

頑張っている弟に付き合う

お兄ちゃんか俺は


なんとダークは飛行出来ないそうだ。

そういえば前回もババアァルを抱え

エルフの里方面に飛行している俺を

発見して、走って追いかけてきたっけな。


なので再び影に入ってもらった。


「何から何まで申し訳無いでござる。」


本当だよ。


問題はアモン2000だ。

置いて行くのは避けたい。

施設に居たあの短時間ですら

吹雪で雪に埋もれた。

発見出来る自信が無い。


悪魔騎士デモナイトの腕力なら

持ち上げられない事も無いのだが

遠くまで運ぶとなると途中で

バランスを崩して落っことすと

かありそうで嫌だ。


体積がデカいので受ける風圧も

馬鹿にならない。


「うーん。どうせダメ元だ。」


試しにストレージに収納を試みたら

なんと入った。


あー

駐車場代でスゲー損してるじゃん

今まで

あーくそ


「ど、どうかしたでござるか」


悶え苦しむ俺の様子に

思わず影の中からダークが

心配してきた。


「何でも無い。後、チェックに

少し時間をくれ」


俺はそう言ってメニュー画面を

開き自分のステータスを確認した。


レベル60で悪魔上位騎士グレーターデモナイト

解放されていた。

専用槍も強化され、

追加武装で専用盾と

サブウェポンとして専用片手剣も発生している。


うーん流石は上位だな。


後は今度ゆっくり見るか。

俺はメニューを閉じると悪魔化した。


鏡に写してじっくり見たいところだが

悪魔騎士デモナイトよりマッチョで

バゼルに近い感じだ。

もしかしたらバゼルは悪魔上位騎士グレーターデモナイト

召喚の際にグレードダウンしたのかも知れない。


「見せてもらうか。新型の実力とやらを」


俺は独特のイントネーションの語り口で

そう独り言を言うと吹雪の中飛び立った。


飛び立って直ぐ感じたのは

パワーがある事だ。

悪魔騎士デモナイトが単発なら

悪魔上位騎士グレーターデモナイトは双発って感じだ。


詳しい場所は知らないが

大体の方向は分かっていた。

そうそう建物がある地域ではないので

適当に進んでいってもネルドを

発見する事は出来るだろう。


事実その通りネルドと思しき

巨大な砦がネルネルドの先3kmにあった。

たった3kmだが雪山の3kmなので

地上での移動は結構大変だろう。

飛行ってやっぱりズルいわ

あっと言う間だった。


発見されてバリスタが飛んでくるのは

御免こうむるのでネルドを

大きく迂回し、バングの占領している

領空に入って行くが一向に

バングの姿は見えなかった。


しばらく付近を旋回し探すが居ない

仕方が無いので更に奥地に向かうと

城というかネルドとは別の砦が見えて来た。

なんかバルバリスのより造形が凝っている。

おそらくドワーフ族の建造物なのだろう。

ここはかつてのドワーフの国

ドルワルドの領内だった所だ。


明かりが一切灯っていない

その砦の正面に動かずにボーッと

突っ立ている2型を一体発見した。


「おお居た居た」


影は地上なので声は届かないだろう。

俺は話しかけるのを止めて

地上に降りた。


「よし、丁度一匹だ。良い練習台だな

行くぞダーク」


「ハハッ」


俺の影から飛び出すダーク。

俺も専用の槍と盾を生成、装備した。

ゆっくり歩いて2型に近づいて行く

その間にざっくりとバングの知識を

ダークに教えて置く


「では初手は拙者の雷遁らいとんで参るでござるよ。」


「ちゃんと黒い場所を狙えよ。」


繰り返しになるが

一気に喋ったので再度注意を入れて置く

仮面部分には魔法は通らないのだ。


「ハハッ」


もうバングからも俺達を視認出来ているハズだが

バングはボーッと突っ立ったまま

一向に動く気配すらない。

脳内センサーも反応しない。


俺は気になったので一度止める事にした。


「ちと様子が変だな、しばし待機で」


「ハハッ」


俺はデビルアイでバングを補足するが

ここまでレベルを上げてもまだ解析不能だ。

ノイズが走るばかりで

構成素材その他、何にも分からん。


「死んでるのか・・・。」


いや立ってるしな

元々生き物じゃない

なんか休日の工事現場に

置きっぱなしになってる重機を連想した。


俺は試しに足元の雪を握り固めて

投げつけて見た。


悪魔上位騎士グレーターデモナイトの腕力で投げると

只の雪玉も何かの新兵器みたいだった。

スシュンとか音を立てて高速で飛んでいく


今度、天使軍団が集まったら

みんなで雪合戦を是非やってみたいものだ。

絶対燃えるぞコレ


雪玉は見事命中し木っ端みじんに弾けた。


「お見事でござる」


いや、こんなの褒めなくていいから

接待ゴルフされてる人って

本当い気分イイのかなぁ


そこでバングの様子が変貌した。

攻撃があった方向に向きを変えると

例のもっさりした動作で

えっちらおっちらこっちに向かって

歩き始めた。


「お、エンジン掛かったな

ようし行けィダークよ!

その無慈悲な雷で奴を倒せ!!」


俺は演劇調でそう叫ぶと


「13将が一人、影のダーク参る!」


ダークも調子を合わせて答えた。

ノリの良い奴だな。


「食らえ我が雷!雷遁の術ぅ!!」


印を結ぶっていうの

何か両手で高速影絵チェンジみたいな動作を

した後にダークはそう叫んだ。


その瞬間、眩い雷光がほとばしり

バングに命中した。


命中しただけだった。


バングは何も無かったかの様に

えっちらおっちら歩き続けていた。


「ぬぅ?!」


大袈裟に驚くダーク。


「おいダーク。ちょっと来い」


「ハハッ」


飛び出した勢いより速く

俺の元まで戻るダーク。


「雷遁ってどうやって出してるの」


俺はダークの説明を聞いて

全てを理解した。


「それ魔法じゃ無ぇじゃん!!」


ダークの頭にげんこつを落とす。


雷遁は

物理的な仕掛けが有る手品だ。

魔力関係無い、俺がイメージを

払拭する前の魔法使いだ。


「な何をするでござるか」


「こっちのセリフだ。何やってんの

雷なら何でもイイ訳じゃ無ぇ

魔法だって言ったろうが」


ここで驚愕の返答をするダーク。


「拙者には、いわゆる魔法は

使えないでござるよ。忍術でござる」


忍術

MPを消費しない物理特殊技

当然、物理ダメージに換算される。


俺は取り合えず嫌味を言った。


「そうか、忍術が効かない事が

新たに分かったぞ。良くやったダーク」


「それ程でもないでござるよ」


恥ずかしそうに恐縮するダーク。


こいつ・・・・

ハンスを超えるかもしれない。


そんなコントもガン無視で

バングはそろそろマズイ距離まで

接近して来てしまった。


俺が倒しても意味がない。

物理オンリーなら

ダークが取る手段は一つだ。


「ダーク。仮面をぶった切れ」


「ハハッ」


見えなかった。


返事の直後にキーンって音が響き

定規を当ててカッターで切断したかのように

本当に直線でバングの仮面は真っ二つになった。


ダークは

どこを滞空していたのか分からないが

飛び出した位置、俺の直ぐ近くに

そのまま着地して戻って来た。


「ふむ。そこそこ硬いでござるな」


葛飾北祭の刀身に異常が無い事を確認すると

ダークは刀を背中の鞘を見る事も無く

慣れた動作で鞘に一発で戻した。


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