表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぞくデビ  作者: Tetra1031
131/524

第百三十話 勅命ダーク

「兄貴。魔力譲渡って・・・

これ通常何回までなんだ。」


思考が正常に戻ったヨハンだが

激しい頭痛と格闘中だ。


「通常なんて言える程テストしてない。

こんなにしたのはお前が初だ。」


しかも改造人間だから

なんのサンプルにもならないというね。


「兄貴のせいでケツも痛ぇってのに」


フルで一日、アモン2000で悪路をカッ飛んだ。

慣れないシートに尻が痛いそうだ。


俺のせいで尻が痛い・・・。


ハッ


慌てて俺は周囲を確認した。


「・・・誰か探してんのか?」


俺の挙動を不審に思ったヨハンが

そう聞いて来た。

こう言うセリフの時はモナちゃんが

居るケースが多いのだ。


流石にアモン2000より速くここに

来る方法は無いだろう。

俺はモナが居ない事にホッとした。


重傷者は一通り終わったので

ヨハンを無間地獄から解放し

残りの軽傷者は滞在しているシスター達に

魔力譲渡し後を頼んだ。


彼女達も毎日マインドダウン寸前まで

振り絞って頑張っていたのだ。


魔力を蓄積出来るバッテリー


この開発が魔導院に指示されていたが

それがここにもあれば

もっと違ったハズだ。


魔バッテリーとMP回復薬も

武器と同様に重要だ。

戻ったら俺も何か試して見よう。


健気に頑張るシスター達を見てそう思った。


「しかし、なんでみんな若い女子なんだ」


今回の俺の目標であるハーレム。

ある意味ここがそれに近い感じだ。


「そりゃあな。」


回復魔法の使い手はガルド学園の

卒業生が主だ。

男子は最前線で体を張っているので

結果的に後方のネルネルドは

女子だらけになるそうだ。


納得、若い女子だらけになるわ。


ひと段落ついでに食事を摂った。

人状態で魔法を使いまくったので

結構、腹が減っていた

なんだかんだでヨハンが

断り切れずに頂いた分も平らげてしまう。


「そう言えば、今何時なんだ」


時間を忘れて治療に没頭した。

施設の窓は閉めっぱなしなので

外が昼なのかよるなのかも分からないのだ。


お茶をいれてくれた若い女子。

彼女も政府関係に就職した卒業生だ。

その彼女の答えを聞いてビックリする。


もう夜中と言ってイイ時間だった。


「今日中にネルドに着く予定だったがハハ」


「いや、マジで助かったぜ兄貴。」


ヨハンも疲れと頭痛から今日はここに泊まり

明日、戦場に戻れる回復組のソリで

ネルド入りする事になった。

俺は単独で帰還する事にした。


ヨハンを始め皆、引き留めたが

時間が惜しいと言って

半ば強引に飛び出す。


その際すれ違う人の反応が面白かった。

なまはげヒーラーがよっぽど怖かったのか

「ヒィ。私は無傷です」とあからさまに

言葉にする人も居た。

「オメは悪ぐ無ぇ子が・・・。」と脅しておく


外に出て俺は焦った。


アモン2000が無い。


と思ったら吹雪で埋まっていただけだった。

止めて置いた場所のもっこりを掘ると

アモン2000は出て来た。


「行くぜ」

「・・・・。」


そう言ってボタンを押したのだが

返事が無い。

何かしらの部品が凍り付いて動かない様だ。


俺はアモン2000を

真っ暗な中、走らせた。

半魔化なので暗視スキルがある

ヘッドライトは不要だ。

つか搭載していない

電球自体がまだこの世界に無い。


防寒着は着たままにした。

半魔化なら要らないのだが

道中なにがあるか分からない

人化せざるを得ない状況下では

防寒着が無いと俺が死ぬ。


半ば強引に飛び出した。

時間が惜しい

これは半分嘘だ。

独りになりたかったのだ。


流石にあの施設内で魔神を影から

出す訳にはいかない。


ヨハンが戻ったせいで

話が中途半端なままだ。


ババァルが気になる。

世界なんざどうでもイイが

ババァルは心配だ。


「結局、俺は世界よりババァル一人の方が大事なんだな。」


『キャー!!もう一度仰って下さいな』


相変わらず幻聴ババァルは平和だ。


「結局、俺は世界よりババァル一人の方が大事なんだな。」


『キャー!!キャー!!』


メッチャ喜こんどる。

さて、おふざけはこの辺で

施設から大分距離が開いた。


「ダーク待たせたな」


俺はアモン2000を停車して

そう独り言を言った。


「ハッ問題無いでござる。」


足元からダークの返事が聞こえた。

どこもかしこも真っ暗だが

俺の影はその位置になるのだろう。

返事と同時に洩れて来たモノを感知した。

俺はそのまま質問してみた。


「何だコレ。お前の恐怖か」


漏れて来たのは極上の恐怖だ。

半魔化状態なので美味い美味い。


「アモン殿を相手に見栄や虚勢は

愚かなだけでなく失礼な行為。

正直に申すでござる。

先程の戦闘の相手・・・アレは

何でござるか。13将ともあろう者が

この拙者が恐怖に震えたでござる。」


やだー怖い

が、この長文である。

調子は良さそうだなダーク。


「恥じる事は無い。あれはああいうモノだ。

大天使も揃って怖がっていたぞ。」


ラハですら正直に認めた。

ミカリンなんて泣いて俺の後ろに隠れたからな

・・・・今思えば奴隷失格じゃね。

身を挺して俺を庇うのが奴隷だろ

なんで俺が庇うんだよ。

逆だろ

まぁカワイイかったからイイけど。


「恐怖の正体が分からぬでござる。

アモン殿の戦闘を見る事ができたので

拙者でも勝利をお約束出来るでござるが

それを認識してもなお恐怖が消えぬでござる。」


人で言うゴキブリみたいなモノか

一対一で物理的には幼稚園児でも

負ける事は無いだろう

大人ならもっとだ。

素早さ・隠密性にいくら優れていても

攻撃力・防御力の差を埋める事は出来ない。


一対一で戦えば人が絶対勝つ


だと言うのに

人はGを見かけた瞬間、正気を失い

悲鳴をあげて怖がる。

見失えば怯えながら周囲を見回す。


一体何がそんなに怖いのか。


左程、外見の変わらないクワガタやカブトムシなどは

愛して育てたりもするのにGは正視に堪えない。


遺伝子に何かしらGを怖がる因子が

組み込まれてでもいるのだろうか


何があった人類創世。


「バングと言ってな、繰り返しになるが

そう言うモノだ。恐怖を伴う性質があるんだ。

その恐怖を排除しなくていい、認めて同居しろ

忍者なんだろ、だったら

刃と同じように

心の上にキチっと乗せて行動しろ」


シャコシャシャシャコ


メモを取る音が影から聞こえて来た。


「・・・流石でござる。やはりアモン殿の

強さはレベルなどで推し量れるモノでは御座らん。」


ダークは俺を褒めてくれるから

結構気に入ってしまっている。


・・・。


あーレベル!!

そう言えば上がってるよな。


んんん

ババァルの話の後で見てみよう。


「で、話の続きなんだが」


「それでござるが、確かに姫様は

灰になられたのでござるな。」


そうだ。

人の形をした炭になって

粉々に崩れて

抱きかかえる俺の腕から

みんな逃げて行った。


「ああ、受肉じゃ耐えられる温度じゃ無かったな」


「ならば、魔界へ戻っているハズでござるな」


そう結論づけるも

考え込む様な口調でダークは言った。


「なぁ探すって言っても

何か方法はあるのか」


「気を探知するのが確実でござるが

アモン殿のご質問は自らも捜索に

協力する為の手段をご所望と

お見受けした。」


えーと

えーと

そうです。

長いんだよ。

俺は頷く。


「であるならば、魔力

それも膨大な規模の魔力に

ご注意くだされ。可能性が高いでござる」


それなら俺も探せそうだ。


「分かった。じゃ早速で悪いが任務だ。

空いた時間で捜索は好きなだけやってくれ」


影から飛び出すと

片膝を着いて畏まるダーク。


「誠にかたじけい」


俺はダークに命令した。


【ネルドに赴きバングを狩り続けよ】


レベル90の魔神が行くんだ

一騎当千だ。

武器・防具・魔バッテリーなどなど

開発を急ぐが、どれも一朝一夕には行かない。

その間にも、ネルネルドで見た

負傷兵、その発生が留まる事は無いだろう。

決定打にはならなくても

ダークの戦力は十二分な支援効果が期待できる。

ネルドの状況は良くなるハズだ。


「・・・一人では怖いでござる」


怖いTVを見た夜中の弟クンのトイレかお前は


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ