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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第百話 世論に左右される

それにしても俺が中年とは

そりゃだれだって年は取る

頭ではそんな事は分かっている。

が、気持ちが受け入れる事を

断固、拒否しているのだ。


「まぁでも40代になった時は

むしろ嬉しかったぞ。

これで俺も立派なおっさんだってな」


何言ってんだコイツ

そのおっさんになるのが嫌なんじゃないか。


「辛かったのは30になった時だな

もう20代じゃない、これはショックだった」


遠い目をしながら語るオリジナル俺。

でもこいつはそう言うのを乗り越えて来た

俺なんだよな。


今の俺は迫りくる30代の恐怖に

怯え、考えないようにしている

真っ最中だ。


「事実30代は色々つらい、20代後半

・・・丁度ストライクだよな」


俺を指さすオリジナル俺。

俺は頷いて返す。


「その頃でも体力低下が著しいのに

30代になると、それが更に加速する」


「マジかよ」


ログイン前の俺の肉体を思い出す

あの時点でも相当ガタが来ていたのに


「もう徹夜なんて無理だが

回りは若者と同等に扱ってくるし

本人もイケると勘違いして

無理をしてみるんだが

もう底力が湧いてこないんだ」


徹夜は・・・まだ出来たハズだ。

それがダメになるのか。


「後、同世代間でも分かれる

若いつもり派と年寄派だ。

それと残りHPの差が如実に出て来る」


「残りHP?」


「若い頃に若さブースターで

無茶しまくってた連中は軒並み

体壊し始める。

一方、トレーニングを続けてた

ような奴は」


「ターザンとか読んでいたやつか

会社のデスクで腹筋とか始めるんだよな」


居たな、そんなの


「そいつらはまだまだ元気で

スノボとかしてる」


20代では一緒に行動出来たが

その辺からついていけなくなるのか。


「40代になるともっと悲惨だ。

無茶組は死ぬ奴が出て来る。

特に酒だな肝臓がもうダメ」


うわー聞きたくない!


「おい、オリジナル俺。

お前は大丈夫なんだろうな」


どうせ戻れないが自分の体だ。

心配だ。


「健康診断で引っかかるのは

血中脂肪ぐらいで後は健康だよ。

でも、この前、娘の運動会で

転んだわ」


あーお父さんあるあるだな。


意識は前に行くのだが

衰えた老体はついて来れず

後方に有り、足が間に合わず

転ぶんだ。


笑えるわ。


・・・・て

おい、今何て言った。


「おい、今何て言った。」


「あ?運動会で」


ふざけるな

そんなどうでもいい事じゃなくてだな。


「その前だ。・・・娘とか」


「ああ、小学生の娘が一人居るんだ」


俺に娘?


「未来のヤフオクでは娘も落札できるのか」


オリジナル俺はこめかみを押え

ながら返事をした。


「そうか。そうだよな、その頃の

俺じゃ信じられないよな。

あのな俺、結婚出来たんだ。」


「嘘つけ見栄か!自分に見栄張るなよ

嘘だろ。俺がリア充になれるワケないだろ

爆破されてぇのか」


ここでオリジナル俺は

真面目な顔になって答えた。


「大事なモノが出来て

それを大切にしているだけだ。

特別な事じゃない。普通だよ

俺もそれに出会ったんだ。」


ガーン

マジですわ。

俺がリア充・・・

俺がリア充・・・


ここは祝福しよう

コピーの俺はこんな状態だが

オリジナルはオリジナルで

色々大変だったハズだ。


「そうか・・・おめでとう

って相手はどんなんだ。」


オリジナル俺は頬をポリポリと

照れくさそうになりながらも

答えて来た。


「あー・・・その・・・

中身はお前も知っている人だ。」


「中身?」


「吉岡光って言ってな

ヴィータの中の人だ」


一瞬で意識はバロードの夜に巻き戻る。

太郎がゲームのシナリオライターと

言っていた人物だ。


予想通りだ。

ヴィータはプレイヤーだった。


「その辺の馴れ初めから

俺の方の事情を説明しようか」


オリジナル俺は語り出した。


ゲームは加速時間で無く

一か月も寝たきりで衰弱した体に帰還。

記憶は曖昧になりリハビリ生活。

同じ施設で同様にリハビリしていた。

吉岡光に会い。

お互いハッキリ思い出せないまま

交際が始まりゴールイン。

工場は無断欠勤でクビ

その補償的な意味合いで

太郎の会社に引き取ってもらい

開発部に配置された。


ここでオリジナル俺を止めた。


「待て、開発なんて出来ないだろ」


ベーシックですら打てないぞ。

意味あり気な表情を浮かべ

少し自嘲気味にオリジナル俺は言った。


「あー平たく言ってモルモットだ。」


そこからの説明は驚きだった。

ゲームのテストは失敗だった事

小梅は愚か、太郎すらINしていなかった事


「じゃあ、あのプリプラとカルエルは

誰だったっていうんだ。」


「それを調べるのも仕事に入っているかな」


「仕事?」


モルモットの仕事とは


「CERNは知っている頃だったけか」


オリジナル俺は少し考えてからそう話し出した。


「スイスにある大型の粒子加速器だな」


オリジナル俺は頷いて続けた。


「一般には伏せられているが

そいつが事故ついでに新発見をした。」


「ブラックホールが出来るとか」


オリジナル俺は首を振り答えた。


「ブラックホールは発生しなかったが

平行世界の存在とそのゲートだ。

そいつを発見した。」


「・・・・。」


「こいつは太郎の推測なんだが

日本でも秘密裡に研究が進んでいてな」


「筑波のじゃセルンに勝てないだろ」


確か筑波が3kmちょいで

CERNは27kmあった。


「筑波じゃなくて東京の地下

山手線をベースに40km以上のが

内緒であってだな」


おいおい

事故ったらどうなるんだ

ジュリーじゃないが

TOKIOが宙を飛ぶんじゃないのか


ボケかどうしようか迷っている内に

オリジナル俺は更に続けた。


「で同じ事が出来たらしい

まぁCERNの開けたゲートと

同じ世界なのかどうかは確かめようが

無いんだがな。

ただ、そのゲート、質量の有るモノは

通過出来ないそうだ。」


なんだ

飴玉ひとつ行き来できないのか。


「そこで、質量の無い

観測可能なモノとして

人の意識だけ飛ばせないか

そんな方向に研究が進んだらしい」


そこまで聞いて想像がついた。

短縮の為にもこっちから言おう。


「それが最新VRゲーム God or demonだったと」


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