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ぞくデビ  作者: Tetra1031
1/524

第一話 本当に裏切ったんですか


そこそこデビルマンhttps://ncode.syosetu.com/n0870ew/

オーバー老後https://ncode.syosetu.com/n8983fc/

の続きです。




宮本たけしは今ログアウトしていった。

今の自分が彼がプレイ中に懸念していた

コピーされた人格とやらなのだろう。


いいなぁビール飲めるのか。


羨ましさ半分。


ざまぁ向こうじゃただの人間だ。


優越感が半分だった。


機能を失い砂になった一粒一粒の背後。

背後と言っても物理的背後では無く

何て言うか、その

次元的な背後

まぁとにかく背後にミカを飲み込んだ

光の裂け目が現れ

全て吸い込まれていった。


視覚がもう無いのだが

それを認識する事が出来た。


光のトンネルとでも言おうか

その中を進む際に体が再構築されていく


ババァルの空間転移とは

また違った感触だ。

どこへ向かうのか


再構築が終了し

ぼんやりと周囲に漂っていた

意識は体へと戻り、形を取り戻す。


たけしー新しい体よー。


って思えば

〇ンパンマンは頭を交換するが

奴の自意識は体のどこにあるのだろう。

頭以外なのは間違い無いはずだが

それなら体だけで行動すればイイ

パンチを攻撃の主軸に据えるなら

むしろあの巨大な頭部は邪魔でしかない。


要らんだろ頭。


そう思っていた時期がありました。

しかし、今は違う。

俺は成長したぞ。


体だけだと何マンだか分からなくなるのだ。

つかパンシリーズから外れてしまう。

存在の力の根源を失うのだ。

これでは活動できない。


自分が何者であるのか

その為に必須なのだ。


じゃあ

今の俺はどうなのだろう

オリジナルの自意識が出て行ってしまった。


多分


いや絶対


残ったコピーの俺の事なんて

考えるハズも無い。

思いつきもしない。

せいぜい転ぶ振りしておっぱい掴めないか

とか、そんな事位しか考えない脳みそだ。

だって俺だもん。

嫌なくらい想像がつくわ。


などと

いつもながら下らない事を

考えていると時間が来たようだ。


触感が帰って来た。


俺は仰向けに寝そべっている。

背中のチクチク具合から察するに

草の上だな。


目を開けゆっくりと起き上がる。

手を握ったり開いたりして

感覚を確かめた。


視力はOK

反応速度はまぁ人レベルだな。

聴力はどうだろう。


そう思った時

声が聞こえて来た。


「やっと来た」


声がした方向を向く


小麦色の肌

本来なら隠す部分も同じ色なので

日焼けでない事が見て取れた。

ショートの金髪

碧い瞳

華奢な体つきの美少・・・・

年?

女?

どっちだコレ


「欲情した?する?」


ナオコとしむらのWケンコンビの

古典コントみたいな事言って

またぐらを開いて見せて来た。

俺の心の声が聞こえるのか


はいはい美少女でした。


俺は両手を合わせ拝んでから立ち上がり言った。


「大人をからかうんじゃない。」


言ってから自分の声の違和感に驚いた。


なんだこの声

高ぇ


「自分だって子供じゃん」


ケラケラと笑う少女。

彼女は岩の上に座っていた。

その岩の向こうに見える湖

この景色。


知っている風景だ。


俺は少女をスルーして

湖まで急いで歩いた。


立ち上がる際に

見た自分の下半身が

いつもの人間の俺の下半身とは

異なっていた。

毛が少ない。


おれは湖面を鏡替わりに

自分の姿を写した。


前回は天使のつもりで見て

悪魔だった事に嘆いたが


今回は大人のつもりで見て

餓鬼が写っていて嘆く事になった。


あちゃー

これ小学校卒業か

中学入学あたりだろ


一物に生え始めたばかりの

頼りない毛。


あー術式で取り除いた

皮がすっかり元通りにー


ヴィータか?

いや存在として時間が巻き戻ったのなら

この頃は術式前だからあって当然なのか


いや

今そんな事に思考リソースを割いている場合か


取り合えず俺は湖に向かって叫んだ。


「ウゾダドンドコドーン」


なに

リスタートの初期村

俺ココなの?

村じゃないし

セーブポイントのオブジェクトすら無いよ

しかも全裸って


「どうかしたの?」


少女が岩から下りて

四つん這いになっている俺の

所まで来てそう言った。


どうもこうも無いな

まず

お前は誰だ。


俺はデビルアイを起動させる為に

半人化

・・・

半人・・・化・・


できない。


俺は咄嗟に立ち上がり

また湖に向かって叫んだ。


「ウゾダドンドコドーン」

「ウゾダドンドコドーン」


少女も面白がって真似し始めた。

しばらく二人で叫んだ。


出展


ウゾダドンドコドーン   オンドゥル語、訳すと「嘘だそんな事」と言う意味である。

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