アインズⅡ
「貴様は私が殺す!!」
鬼の形相をしたアインズが剣を持ち構えて俺に向かってくる。何に怒ったのかは分からんが一人で突っ走って一人で自爆している。
「リゼ捕まっとけ」
「は、はい!!」
リゼを再びお姫様抱っこの形で持ち上げると、俺はアインズが向かってくる方向と逆の方向に走る。
ここは逃げるというよりアインズと距離を取ることが最善だと思う。
(そうだな、リゼを持ってる限りお主に勝ち目はないだろう)
「リゼを一旦アインズの目に見えない場所…………に…………あ!!そうだった」
(どうした?)
「どうしましたか?」
「初めからイグナイルを召喚しとけば良かったわ」
(なるほど)
そうだ。イグナイルを召喚してリゼを乗せると俺が手ぶらになって戦いやすくなる。
何で気づかなかったんだ…………
まぁいいや。今気付いたし。じゃ、イグナイル頼む!
(しょうがない………あまり人前に出るのは気がひけるが)
さっきまでバリバリ出てた奴が言う言葉か…………
いいからさっさと出ろ!
(まったくお主は………)
俺はリゼを持つ両手の片方を空を仰ぐように上に突き出す。
今回二度目の召喚だ。俺の手が赤く光るとイグナイルが手から出てくるように召喚された。
「うし、じゃあリゼを頼むぞ」
(うむ、任された)
「気をつけて下さいね!アインズさんはあれでも私の国ではトップレベルの勇者です!」
「安心しろよ。俺はあんな奴には負けないからさ」
「……………はい」
リゼをイグナイルの背に乗せ。上空へと上がっていく。
残されたのは俺とアインズ。
「ドラゴン使いか………よく考えたな!だが私には秘策があるんだよ!」
「秘策?」
「ふふっ、飛ぶ斬撃は見たことあるか?」
「!?やばい!!」
よくアニメとかで見たことあるやつじゃん!!飛ぶ斬撃!!
「ハリケーンソード!!」
アインズがそう叫び、剣を竜巻のように回し始める。
すると、剣に見る見るうち風のようなものが纏わり付いた。周りにある石や砂を巻き上げてかなり痛そうな風が出来上がってる。
そして、アインズは空にいるイグナイルに向かって放った。
「イグナイル!!」
(そんな攻撃で我がやられるとでも思うたか?)
いや、そんなことは思わないけど一応それっぽいことを言ってみたって感じ。
イグナイルは飛ぶ斬撃とやらを、翼で跳ね返した。軽々と飛んでくるハリケーンソードを跳ね返す。
あれ?これ俺にも来るんじゃね?やばくね?
「んな!?」
「おい!!お前!俺にも当たるって!!これ!」
殺す気か!!あー!やばいー!!
俺は跳ね返されたハリケーンソードから全速力で逃げる。ハリケーンソードの範囲がうざいほど広い。
英雄の加護を使うか!!脚力増加!!
…………あれ?おーい脚力増加は?
《脚力増加、使用限度が上限に達した為、使うことができません》
はぁ!?おいポンコツ………って言っちゃダメだな…………
まじかよ……………
軽く詰んだ。




