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ドラゴンとの会話

三話目です!

  とりあえず、現状把握しよう。

  今、俺が立っているのは、ドラゴンの鼻の上。これは、問題ない。

  いや、そこがまず大問題だよ!しゃれになんねぇ。

 


(!?お主、もしや………いや、そんなはずは……)



  うーん、どうしよう食べられそう。



(聞いておるのか?)



  それに、脳内に直接話しかけてくるこいつは何だ?さっきから耳障りなんなけど。



(お主なのか?我の眠りを妨げたのは?どっちか聞いているのだ!)


(あぁ!うっさいなジジィ!今考え中なんだよ!)



  俺も心で思ったことを伝えてみた。案外いけるかも。

  もしかしたら、聞こえてないかもしれないし、どうやってこの状況を、打破しようか………



(ほう、この我に向かってジジイとは、言ってくれる!まだまだピチピチの1500歳だ!!)


(1500歳!?クソジジィじゃん!てか、さっきからどこから話しかけてるんだ?もしかして、俺の心の中に住み着いた妖精?)



  あらやだ。かわいらしい



(何言っとる。お主、我の鼻の上に乗っているではないか)



  は?何言ってんだこのジジイ。

  ドラゴンが話せるはずないよな?でも、心なしかドラゴンの目つきが鋭くなった気がする。

  やっぱり、ここは天国か?そうだ!そうに違いない!


  すぐに現実を理解できるはずもなく、俺は自分で今はただの地面の上に立っていると思い込ませた。



(ふぅ、さて、どうしたものか)



  俺は再び考えた。



(この我を無視するとは、いい度胸じゃないか)



  これは幻聴、そう、俺は今何も聞いていない。聞いてないったら、聞いてない。



(このまま無視するのであれば、容赦せんぞ!覚悟しろ!)


「………………」


  俺はひたすら無視し続ける。


(今からお前を喰ってやる!)


「………………」


  まだ、続ける。


(あのー、そろそろ無視するのやめてくれんか?)


「………………」


  俺が無視し続けるあまり、落ち込んだドラゴン。


(シクシク)



  シクシクって、ドラゴンが泣いてやがる。こんなに女々しいのか?ドラゴンって。

  いい歳したおっさんが泣くなよ。



「あー、ごめんごめん。ついからかっちまって」



  まぁ、嘘だけど。ただ単に少しかわいそうだと思っただけ。



(お主、どうやってここへ来た?)



  えー、急に雰囲気変わったんだけど。

  さっきの弱そうな雰囲気がもう既に消えてるんだけど。



「わからん。気づいたら、ここに居た。それだけだ」


(転生者か……。珍しい。100年ほど前にも現れたが、今生きているかはわからんがな)


「はぁ!?転生!?んなことありえるのかよ」


(ごく稀に存在しておる。それは百兆分の一の確率と言われていてな。そして、お前はその百兆分の一の確率で転生して来たわけだ)


「なんで、そんなに知ってんの?」



  俺は、少し怪しげな目をドラゴンに向けて言った。



(ふっ、我に知らないことなどない!聞いて驚くがよい!我はこの世界に5種しか存在しないドラゴンの一種、爆炎竜・イグナイル!覚えておけ。ふっはっはっはー!!)



  自分の自己紹介を終えた後に高笑いしだすドラゴン。何が面白かったのか俺にはさっぱりわからん。

  それに、答えになってないし……



(お主、名は何という?)


「俺は五十嵐優希。ただの高校ニートだ!」



  どうよ、俺の自己紹介は………あれ、ちょっとドラゴンさん。イグナイルさん。そんなに引かないでよ。

  確かに、高校でニートはヤバイけどさ俺中学はれっきとした普通のまともな人間だったよ?

  だから俺を哀れむような目はやめて!



(胸を張って言えることじゃないんだがな……)


「それは俺が、一番理解してます」



  ドラゴンにすら呆れられる俺。

  それを認めてしまう俺は俺を救いようのないクズだと改めて思った。


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