アインズ
アインズと呼ばれた男は女の子の理想的な顔立ちをしていて、男の割には長い髪を揺らしている。
爽やかな顔から滲み出ている性格の悪さは見てわかる。こういう奴は大体性格悪いんだよな……………
どうやら、リゼお嬢様を取り戻しに来たらしい。
「さぁ、戻りましょうレインお嬢様」
「嫌よ!どうせ帰っても勉強ばっかり!もううんざりなの!」
「我儘は聞いていません。さぁ戻りますよ」
「いやっ!!」
アインズは強引にリゼの腕を掴み引き込もうとする。
必死に抵抗するが女の子の力と成人を超えた男の力では一目瞭然だ。
てかさっきから俺空気じゃね?
あと、レインお嬢様って誰だよ。リゼだろ。
「離して!助けてユウキさん!!」
「ユウキ?あぁあの小僧か。見ろ俺の波動が莫大すぎて立ちすくんでいるではありませんか?」
「そんな…………ユウキさん!!」
なんか勝手にやられた感じなってるけど、ちょっとイラっときたよ?やっちゃってもいいよね?
後で名前のこと聞こうかな。
(気をつけろ。以前の奴らとは桁が違うほど強い)
「んなこと。肌で感じ取れる。でも、これくらいなら何とか勝てそうだ」
「は?私に勝つだと?面白いことを言う小僧だ。二度その口を聞けなくしてやろうか?」
「あんな勇者なのか?」
「あぁ、そうだ。俺はミルバーナ王国第一級勇者のアインズ・ルベルト!!」
いや、名前まで聞いてないんだけど。
それにしてもこんな奴が王国にはわんさかいるのか。耐えられんな。
後顔がイケメンっていうのがムカつくぜ。ここは一発試しにいってみようか。
「んじゃ俺の口聞かなくなるくらいにしてみろよ?」
俺は挑発的にアインズの様子を伺う。ここで乗ってくれればこっちのもんだ。
英雄の加護とミミック能力があれば多少の相手なら確実に勝てる。
最悪イグナイルを召喚すれば、確実に勝てる。この先に負けるビジョンはない。
アインズは俺の言葉に顔を引きつらせて、
「ふっ、いいだろう。ならばお前の口を切り刻んでやる!!」
「きたっ!」
予想どうりの反応。
走って俺の方へ向かってくるアインズに対し、俺はグッと腰を入れて構える。
しかし、アインズは俺に向かっていた方向を変えて俺の周りを目に見えないスピードで回り出した。
スピードが速い相手はあまり好きじゃない。
ん?待てよ。今こいつは俺の周りを走り回ってるけど、リゼ放置じゃん!!
「ふはは!!私のスピードについて来られるか!?」
「よっ、と」
「んな!?」
俺はアインズが回っているスピードを見極め、その間をスルリと抜け出す。
そのままリゼの元に向かっていく。
「そうはされるか!!」
アインズは俺が抜け出したと同時にリゼを取られまいと走って向かっていく。
競争みたいな形になってしまった。
ここは英雄の加護を使うか。
《英雄の加護脚力増加発動!!》
英雄の加護を使ったことにより、俺の脚力は莫大に上がる。
そのまま踏み込み、隣に走っていたアインズと一気に差を広げた。
「これで無事だぜ?リゼ」
「はい!!」
「おのれ!!貴様は許さんぞ!!この私が必ず始末する!!」
うん、あれだなコイツ相当バカだ。




