二人で野宿
アランの聖剣。
それは勇者と魔王族の争いを沈めた剣。聖剣波動という名の絶対奥義を使い、争いを沈め自分の命さえも落とした。
そして、勇者アランの意思は何故だか知らないけど、今俺の中で生きている。
そう、アランの意思が俺の中にあるということは、あの争いの地で突き刺さった剣を抜けるのでは?という考えに至った。
で、今その剣を探して、この広い岩だらけの地にいるんだが、
ここ広すぎ!!見つかる気がしません!
さっき英雄の加護を使ってみたんだが、魔力を探ることはできるが、波導を探ることはできないとのこと。
争いの地争いの地で言ってたけど、ここは正式には英雄の荒野と呼ばれている。
見たところ岩、岩、岩たまに石ばっかりの荒野に名前が付けられているのは少し気になるが、アランが戦争を沈めた地としてはぴったりのネーミングだと思う。
付けた奴グッジョブ!!
「はぁ……今日はここで野宿かもな」
「野宿ですか!?私一回野宿してみたかったんです!」
「野宿をしてみたい?それ本気で言ってんのか?」
「はい!いつもは決まった場所で食べたり寝たりしていたので、外で食べたり寝たりするのに憧れていたんです!」
羨ましい性格だよ。本当に頭の中お花畑のようだ。
野宿なんて、したいと思ったことは一度のない。
「そんないいもんじゃねえぞ?自分で寝る場所確保して、自分で食べ物も確保する。しんどいだけだ」
「それが楽しそうなんです!自分で自分の生活をすることがしたいんですよ!」
生まれ元がお嬢様だったら、普通の生活がしたいの思うのが普通…………って!野宿は普通じゃねぇ!ホームレスじゃねぇか!
まぁ、野宿を嫌だと思わない奴で良かった……野宿なんてしてられませんわ!とか言われたら、どうしようかと思ったぜ。
「とりあえず、日が暮れるくらいまで探そう」
「そうですね!でも、日が暮れてしまえば灯りがありませんが………」
「リゼよ………炎息があるではないか」
「!?そうでしたね!それで、火の確保はできました!」
「ははっ」
あれ、なんか楽しい。野宿ってこんなに楽しいものだったっけ?
目の前で、ピシッと敬礼の格好をして俺に向いて笑顔を向けるリゼに野宿も悪くはないなと思った。
「じゃあ、剣を探すか!」
「はい!!」
※
ほんとに見つからん………
マジでどうしたらいいんだ。このまま見つからずにずっと探し続けてただ時間が経っていくだけ…………家帰ってゲームしたい!!
隣のリゼはもう探し始めて2時間程立つのにまだ元気に歩いている。
引きニートの俺には少し、いやかなりの体力消費だ。
もう1ミリも歩けない。
「大丈夫か?しんどくない?」
俺はリゼに声をかける。しんどいと言ってくれ!と願いながら返答を待ったが、返答は俺の思っていた事と違う返答だった。
「大丈夫です!こういうのワクワクしますね!」
「はは………そうだね……わーい楽しいなー」
わかってました。
なんとなくそんな返しがくると思ってたけど、いざ聞くと俺が情けなく感じる………
今考えてみると、こんな荒野で夜ジャージ一枚で寝るとかバカだと思う。
この荒野に来る前に、二日程野宿したんだが、そこでは落ち葉やら何やらで寒さは凌ぐことができたんだが、今回は別だ。
体を覆うものもなく、岩で凌ぐ?普通に考えたら無理だろ。
「野宿するのはいいんだけど、この辺で寝るってなっても多分寒いと思うんだけど」
「それなら問題ありません。これがあります!」
リゼは懐から取り出された、掌サイズのカプセルのような物だ。
そのカプセルの上に付いたボタンをポチッと一押し。
すると、あら不思議バックが出てきたではありませんか!!
「おいおい……すげぇな」
「これはミルバーナ王国の有名な日用品です!」
これが日用品だと!?
下手したら、前世の技術より発展してんじゃね?
ドラゴンボールのホイポイカプセルみたいだな。
「この中に何か入ってるのか?」
「この中には、食料と大きな布団を一つ入ってます!」
食料を自分で確保するのが楽しみって言ってたのに、持ってきちゃったら意味じゃない………
まぁ、これで寒さは凌げそうだ。
あれ?ちょっと待って………何かまずい気がするのは俺だけ?




