騒ぐ王都
ミルバーナ王国。三大国と呼ばれる一つの国。
ミルバーナ王宮の一室で、リゼお嬢様がこの屋敷を去られたと騒ぎになっている最中、この部屋で一つの話し合いが行われていた。
「お嬢様の行方はわかったのか!?今回ばかりはマズイぞ!」
バン!と机を叩いて、座っていた椅子から立ち上がり声を張り上げる男が一人。
その男はリゼの捜索を頼んだ者に声を上げていた。
「落ち着きなされクルック、今私たちの精鋭部隊がリゼお嬢様を連れ戻しているはずだ」
椅子に腰掛け、伸びた髭をさすりながら妙に落ち着いた様子を見せる男。
クルックと呼ばれた男は叩いた机をもう一度叩いては、部屋を飛び出してしまった。
「アイク率いる精鋭部隊、私の自慢の子達だ。失敗するはずがない」
クルックがいなくなった部屋で、一人呟く。
気味の悪い空間の中、その空気を遮る出来事が起こった。
「大変ですローズ殿!アイク率いる捜索部隊が、何者かによって全滅させられました!正体はまだ掴めていません!しかし、死人は一人も出されていません」
「なん……だと……。あのアイクを倒すものが?」
「その者はリゼお嬢様を攫って行ったとのことです!」
ありえない報告を受けて、思わず椅子から崩れ落ちるローズ。
自分が育てたアイクがいとも簡単に倒されたという事が一番のショックだった。
そんな絶望するローズの後ろから、話しかける男がいた。
銀色の女性のように長い髪、整った顔立ちはそこら辺の女性よりも美しいものだった。
「アイクはまだまだ駆け出しの勇者ですよ。私ならその男倒せるかもしれません」
「正体がわからんのだぞ?できるのか?」
「私を誰だかお忘れで?」
「では、お前に依頼しよう。そうだった、お前はリゼお嬢様とよく関わりを持っていた人物だったな。任せたぞアインズ」
「受け賜わりました」
またこの男も勇者、アインズはアイクの部隊を倒した男を頭に想像させながら、部屋を出て行く。
「待っていてください。レインお嬢様」
最後に一つ、言葉を残して。
※
「着いた!!ここが争いの………地?」
「ここです!昔、一度だけ父とここにきました!着きましたね!ユウキさんすごく速いんですね!」
「ま、まぁな!俺に出来ないことなんてない!」
言えない!英雄の加護を使ったなんて口が裂けても言えない!!
俺は、この争いの地に着いて一つ思った事があった。それは、
広いなおい!!どこに剣が刺さってるのか分からんぞ………
おーい、イグナイル!!起きてるか?
(なんだ?起きてるが)
ここ広すぎてどこにアランの剣が刺さってるのか分からん…………から教えてくれ!何処にあるのか!
(そこまではできん。その剣から感じられる波動と魔力をお前が探るのだ。まぁ、頑張れ)
ちょ!おい!!イグナイル!?イグナイルさーん!!
なんだよ…………波動と魔力探るなんて、あ、英雄の加護使えば!
(英雄の加護では探れん)
………………
俺の情緒不安定な様子を隣で見ていたリゼが不安な顔をして俺に声をかけた。
「あの、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?」
「あ、あぁ……大丈夫だ。じゃ、剣探すか」
「はい!」
リゼの元気な声と共に、剣探しは始まった。




