お嬢様
「で、どうするよ?お嬢様。お姫様抱っこかおんぶか」
「何でそうなるんですか!?歩いていけばいいじゃないですか!!それとも………したいんですか?」
いや、別に………したいけどさ。そんな下心丸出しだったかな?あと言い方!!言い方問題あるから!
「あぁー!もう何でもいいわ!!とりあえず俺に担がれとけ!」
「きゃっ!?」
俺はリゼの許可を得ず、身体を持ち上げ結局お姫様抱っこの形になってしまった。
俺だって女の子をこんな形で担ぐのは初めてだよ……おんぶすらしたことないのに。しかも当たってるし、胸が!俺の童貞心がくすぐられるー!!
俺は恐る恐るリゼの顔を見た。
「あ………あ」
顔を真っ赤に染め上げてお怒りの様子だ。
そんなに怒らなくても………確かに俺が悪かったけどさ。仕方ない、おんぶするか。
「ごめん。一回下ろすよ」
「い、いいです!このままで!!このまま行ってください!!」
「お、おう」
あれ?そんなこともなかった。良かったぜ怒ってなくて。女の子を怒らせたら怖いからな。
さっき使った脚力増加使ってみるか。上半身千切れそうになったけど、リゼを抱えてたらいけるかもしれない。
《英雄の加護・脚力増加》
「しっかり掴まっててくれよ?」
「はい!」
ギュッと俺の首まで腕を絡ませて、しっかりと掴まるリゼ。
俺は脚に力を込め、蹴り出す。さっき感じた風圧より、弱かったがやはり身体には応えた。リゼにあまり風圧がいかないよう、俺の腕で覆い被さるようにリゼの身体を包む。
「大丈夫か?」
「大丈夫です。少し息がしづらいですが」
さっきよりも、脚に加えた力を弱めたおかげかな。
これならいけそうだ。
実際、俺もかなり息がしづらい。さっきは呼吸ができないくらいだったから、これくらいは何とも思わないけど。
でも、これ100メートル5秒くらいで走ってるぜ絶対。
これなら、あともう少しで着くかな。
(そうだな。あと5分程度だ。もう少しスピードを上げればお主の身体は持たない)
やっぱりリゼを担いでいるせいか?
(そうだ。一人で走るのともう一人担いで走るではしんどさが違うだろ?それと同じじゃ)
それはそうだけど。
「あ、あの……重いですか?私」
「ん?全然重くねぇよ!寧ろ軽いくらいだ!ちゃんと食ってるか?」
重たいことを気にするなんて可愛いやつだな。女の子なんて何人でも担げるよ!
もう少しスピード上げても大丈夫なんじゃね?
(我の言うことを聞いてなかったか?)
まぁまぁ、そう言わずに。
俺はイグナイルの忠告を無視し、スピードを少し上げた。
さっきから感じていた風の圧力よりもさらに強くなった風圧に思わずリゼを抱えた身体ごと反り返ってしまう。
「きゃあ!?」
「グブッ!すまん」
(だから言ったじゃろ)
一度、リゼを下ろして折れそうになった上半身が大丈夫か確認した。
うん、折れてないな。
「ビックリしました。急に風が強くなったと思ったらユウキさんが飛んで行ってしまいましたから」
「ごめん…………俺が悪かった」
もう無茶なことはしません。




