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互いに

「グッ……ゼレフ様にシラセナケレバ」

 


  燃え滾る炎の中で、死ぬ直前にリザードマンが発した言葉はゼレフという名だった。

 


「ゼレフって誰だ?」



  俺はリザードマンに聞く。

  もう後がないリザードマンは、最後に俺にゼレフとはどういう存在なのかを教えた。



「ゼノン様ハ……我々ヲ作リダシタオカタ………オマエラニハカテナイ……思イ知ルガイイ!!ゼレフ様トハドンナ存在ナノ……カ……ヲ」


 

  等々燃え尽きてしまった。

  ごめん。なに喋ってるか全くわからなかったんだけど。ゼノン様ってのはわかったけど。



「なぁリゼ。なんて言ってたかわかるか?」


「わかりませんでした……リザードマンの言葉は読み取りにくいですね。やっぱり作り出された存在が人語を話すこと自体難しいんですよ」



  リザードマンが言っていた事は分からなかったが、ゼレフってやつは何だか強そうな予感がする。いや、絶対に強い!!名前がもう強い!

  もし俺の英雄の加護とミミック能力でも勝てなかったらかなりの強さになる。

  その前に俺の能力値自体めちゃくちゃ弱いだろう。強いのは能力だけで、ステータス自体はどこにでもいる一般人だ。

  つまり、攻撃を受ければ即死…………

  なんか今になって、怖くなって来た。



(心配するでない。瀕死状態になれば、アランの意思が守ってくれる)



  逆に瀕死状態にならないと、守ってくれないの!?瀕死になるまでが痛んだけど………

  痛いの反対。



(すぐ慣れる。お主はこの先、数々の強者と戦っていくことになるだろう。お主よりも強い敵は必ず存在する)


「このチート能力よりも!?あ、ごめん」



  急に叫んだ俺にビックリしたリゼは俺の顔を凝視していた。

  やだ、そんなに見ないで照れる。



「またドラゴンさんと話してるんですか?」


「お?おぅそうだよ」


「ドラゴンさんドラゴンさん。聞こえますか?」


(耳が痛い)


「そこは聞こえてるって言ってやれよ…」



  俺の返事を聞き、さっと耳をすませ必至にイグナイルの声を聞こうとするリゼだったが、聞こえてくる事はなくガッカリする。

  俺はリゼの肩に手をポンっと置いて、



「まぁ、ぼちぼち行こうぜ」



  これが俺の励まし方だ。ぼちぼち行くという言葉を使って、いつかは何とかなるという遠回しに言っている。



「はい!」



  この子純粋過ぎる!もう逆に可愛そうだわ。

  頭の中お花畑超えてるよ。天国だよもう。死んだらリゼの頭の中に行きたい。



「さて、長くここにいるのも時間がもったいねぇし、行くか!」


「行きましょう!」



  で、どの方角に進めばいいんだ?さっきのリザードマンとの戦いで完全に見失っちまった。



(そこから北へまっすぐだ。ひたすらまっすぐ突き進め。さすればつく)



  了解っと。

  んじゃ行きます……………北ってどっちだ?



(ほわぁ!?北もわからんのか!?はぁ………お主が今向いている方向じゃ)



  なんだ、俺が今向いてる方向まっすぐか。



「じゃあ、リゼ。お姫様抱っこかおんぶどっちがいい?」


「ふぇ?」



  突然上がった可愛い声は、俺の耳を殺しにかかった。

  今の声可愛すぎるだろ!!耳が違う意味で潰れるかと思った!ふぇ?なんて初めて聞いたよ!なんたる感動!!ありがとう神様!

 


(…………………)



  言いたいことがあるなら言えよちょろゴンさん。多分、お前も今の声でかなりのダメージを与えられたはずだ。そうだろ?



(否定はせんが、お主は少し気持ち悪いぞ)



  お互い様だろ?

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