ミミック能力
争いの地まであと少しまで来た。
ほんとに長すぎる………洞窟から軽く地球一周できるんじゃないかってくらい空飛んでるしな。
イグナイルもそろそろ戻らないといけない時間が近づいてきているかも。
まだいけるのか?
(うむ後持って10分だろう)
10分!?着くのか?
(ちょっと厳しいかもしれん。もし時間が過ぎたら走って行ってくれ。道案内は割れがする。と言ってもここをまっすぐいけば着くのだがな)
「まじかよ………」
俺はチラッと隣にいるリゼを見た。
走って行くのはいい。英雄の加護を使えばいいだけの話なんだが、このお嬢様を抱えて走るとなると、かなりしんどそう。てか走りたくない。
「はぁ………」
(精神的にきておる……もう無理じゃ…)
何が精神的だよ……そんな言い方で信じるわけないだろ。
(お主、もっと丁寧に使い魔を扱えんのか?)
使い魔とは使われるものだ。だから、丁寧に使うもの雑に使うもの使い主の勝手。
てか、俺そんなに扱いひどい?
「危ない!!」
横から聞こえたリゼの声に反応が遅れた俺はすぐ様 イグナイルに注意を配る。
イグナイルと話をしていたせいで不覚だった。
しかし、イグナイルは俺を話しながらでも、リゼの声を聞き飛んでくる何かを翼で弾く。
「何だこれ?」
俺は翼で弾かれた何かをキャッチすると、それを見た。それはよくわからない楕円形の硬いものだった。
(それは石じゃ)
「石かい!」
「向こうから生き残りのリザードマンが投げてきました!」
「おいおい、まだ懲りねぇのかよ………あんまり、痛めつけるのはしたくないんだけどな」
仕方ない。最後の生き残りを始末するか。
(すまん、魔力切れだ)
は?おいおい!!まだ10分経ってねぇだろ!?
イグナイルの身体は澄んでいき、やがては俺たちが載っていた大きなドラゴンは消えて無くなってしまった。
俺とリゼも乗るものが空中でなくなれば、もちろん下に落ちて行く。
「リゼ!掴まれ!!」
「はい!!」
咄嗟にリゼを抱くと、俺は英雄の加護を使ってなんとか着地した。
これで何回目だよ英雄の加護使うの。加護使うのって魔力いるのかな?
俺がそんなことを考えていると、石を投げたリザードマンが現れた。
「来たな………リゼ、ちょっと下がっててくれ」
「わかりました!頑張ってください!」
可愛い!!この笑顔があれば、俺は何度でも闘えるぜ!
「ヨクモ、我々の仲間タチヲ痛メツケテクレタナ!覚悟シロ!」
「うるせぇ!!お前らが突っかかって来たんだろうが!!それと、痛めつけてねぇ!倒しただけだ!」
「意味一緒ですよ!?」
リザードマンの怒りに怒鳴りかえした俺と俺の言葉に反応するリゼ。
背中に背負う大きな剣を抜き出し、リザードマンは俺とリゼに斬りかかってくる。
「魔王ノホコリニカケテ我々ハタタカウ!!」
「敵にも敵の事情があるのか知らんが、俺にも事情はある!だからお前は倒す!」
「それ理由になってませんよ!?」
一々俺の言葉に反応しては正論を言ってくるリゼに俺は顔をひきつらせる。
わかってるわ!取り敢えずぽい言葉を言っとけばいいんだよ!
俺は手で輪っかを作ると、口にもっていき風を吹き込むようにして技を放つ。
「炎息!!」
口から出て来た炎は円を描いた手で、丸く放射する。
一点に集中した炎は襲いかかるリザードマンに向かっていった。
これが俺の新たな炎息だ!手を丸くして打つことによって的が絞られる!!ということは一つの範囲に強威力の技が出せるっつうわけだ!
「グォォ!!」
炎息に直撃したリザードマンの身体は炎で覆いつくされ、持っていた剣は灰となって消えた。リザードマンが灰となって消えるのも時間の問題だ。
「どうだ!」
「凄いです!!さすがユウキさんです!」
はっはっはー!!俺にかかればこんなもんよ!
あー、チート能力サイコー!
俺は今となってミミック能力があることに感謝した。




