ヒロイン?との出会い
「ッッつぅ〜!!!」
オーガの頭にに直撃した拳は、少し赤く腫れている。
そりゃそうだろ!!あんな高さから逆にこれだけの被害で収まったのが幸いだよ!!
これも英雄の加護のお陰だな。
おっと、オーガがこのまま倒れてくれたらいいんだけど………そんな上手くはいかないよな。
「大丈夫か?」
取り敢えず追いかけられていた少女に声をかけた…………………可愛い!?
これは絶世の美女だ!!こんな可愛い子は前世にはいなかった!ごめん兄貴、真美さんよりも可愛いわこの人。
「はい!ありがとうございます!」
ペコリと丁寧にお辞儀する姿も可愛すぎる!あかん、この子の笑顔見てたらキュン死にしてしまいそうだ。
守りたい、この笑顔。
「なぁに、人を助けるのは当たり前のことだろう?」
「はい!」
あ、そこ肯定しちゃうのね?
俺的にかっこいいセリフ言ったつもりだったけど、肯定された瞬間かっこ悪くなっちゃったよ…………
あ、オーガがまた復活し始めた。
あのままくたばってればいいのに。ここでもう一発お見舞いしといてやるか!
「少し下がってて」
「?はい」
少女が不思議そうな顔をして、俺から少し下がる。
またあの技使うか。ここは、翼炎放射は大きすぎるから炎息で十分か。いや、むしろ翼炎放射はオーガ一体には無駄といったところか。
うし、やるか!
炎息!!!
口を大きく開けて、出てきたその炎は龍のように舞い、オーガの周りに纏わりつくと、そのまま焼き尽くした。
オーガは苦しさのあまり、咆哮を上げて一心不乱に暴れている。
なんだか可哀想に見えてきた。でも顔がキモいから………でもなー、やっぱり燃やし尽くしたり、殺したりするのは気が引ける。
(魔獣に同情するなと言ったであろう)
「いや、でもやっぱりなんか可哀想なんだよな…………」
目の前で悶え死んでいったオーガは塵となって風で飛ばされていった。
所詮魔王族の魔力で作られた存在は倒されれば死体すら残らない。
(同情するわりには、攻撃するときは容赦ないんだな)
言われてみればそうだ。全く容赦なしに殺しに行ってたな。
やっぱり顔がキモかったからか?そうだな。うん、そうしよう。
敵で可愛い奴がいたらどうしよ………倒せねぇ……
「あの………」
お、さっきの少女か。
「助けていただきありがとうございます!」
「いや、当然のことをしたまでだよ」
ここは第一印象が大事だ。いかに紳士に振る舞えるか。そこが重要になってくる。
異世界において、紳士に振舞うことは当たり前だ。
「私は………リゼと申します!この恩は一生忘れません!」
名前を言う時に少し間が空いたけど、何でだろう?
リゼと名乗った目の前の少女は金色の長い髪を三つ編みで括り、肩よりも少ししたまで伸ばしている。
顔は言うまでもない。完璧!パーフェクト!!スタイル抜群!!
「いや、そこまで言わなくてもいいよ。俺はユウキ。イガラシユウキ、しがない勇者さ」
まぁ、まだ勇者になって二日しか経ってないんですけどね。
「勇者さんでしたか!確かに貴方から感じる波動が妙に高いと思いました」
「波動なんて読めるの?もしかしてドラゴン?」
「そんな女の子にドラゴンなんて失礼ですよ!」
「ごめんごめん」
頰を膨らませてプンプンとお怒りの様子。
可愛い…………
(他人の波動を読めるのは珍しい。何処かの高い貴族なのかもしれんな)
「やっぱりな……なんか外見のオーラが貴族っていう感じがするからな」
「!?わかりましたか?」
リゼに向けて言った言葉じゃなかったけど、貴族という言葉に反応したリゼ。
「ん?おぉ!わかったというか、漂ってる雰囲気が違うというか」
「捕まえないんですか?」
ん?捕まえる?なんか目の前でめっちゃ身構えてるんだけど。
誰かから追われてんのか?でも、貴族がこんな森の中でオーガに追いかけられてるのっておかしいもんな。
どうやら少し問題を抱えたお嬢様のようだ。




