放課後の戦記
そして昼休みも終わり、放課後となる。
「まだ奴らは来ないんだね」
すると頌子がそれに突っ込む。
「そりゃこことドイツじゃ時差もあるし、今頃船の中で昼寝でもしているんじゃない?」
「彼らの拠点はパレスチナだから、時差はドイツより少ないだろうが」
それを聞いた理香子がスマホで調べる。
「そうね。サマータイム込みで6時間みたいだし。朝早起きしたのかな」
「早起きなんてレベルじゃないぞ。あの演説は8時半。つまり向こうは二時半だ」
「むしろ寝るのを遅くしたってこと?」
そんな理香子に忍は答える。
「そっちの方がありえるだろうな。準備とかを考えれば充分可能性は高いから」
「ってことは、徹夜であれを組み立てているかもってこと?」
「魔法少女に徹夜はさせれないが、その可能性はあるだろうな」
それに頌子が返す。
「もっとも、徹夜しているといってもこっちは6時間進んでいて今こっちだと午後5時ころだから」
「大体十一時で、お昼前ってことか。もっとも、さすがにブランチを食べてから攻めるだろうが」
「あれから『徹夜』したとしてつまり十五時間。それでマジカルガイストを完成できるかしら」
「できないんじゃないか?脳を接続するなんて簡単なことじゃない」
「じゃあ、消耗させて翌日まで持ち越させる可能性があるってこと?」
そんな頌子の疑問に忍は頷く。
「ああ、だから奴らの本拠たる船を叩く」
「船ね……でもそこまで行けるかしら」
そういった理香子に忍は断言する。
「はっきりいおう。それは可能だ。僕には作戦がある」
「作戦?」
「それはいえないな。口裏合わせるのも難しいだろうし」
「そんなこというくらいだから、とんでもない作戦なんでしょうね」
「ああ、この作戦は一歩間違えれば君たちに見限られるかもしれない」
すると頌子が冷静に分析する。
「逃げるふりでもするつもり?」
「まあ、想像に任せる」
そこに理香子が突っ込む。
「そんなこといったら、そうしますっていっているような物だけど」
「ぼかしたほうが本当にやるのか分からない感じにできると思ったんだが」
「まあどっかの漫画でも逃げるふりして捨て石になった人がいるからね」
それに忍も同意する。
「ああ。全員がここに来るとも限らない。下手すりゃ玉砕しかねないかもしれない」
「そんな!危険よ。どうしてあなたがそんなこと」
「誰かがやらなきゃいけないことなんだ。誰かがやらなきゃいけないなら、僕がやる」
すると頌子がそれを皮肉る。
「まるで特攻隊みたいね。でも、絶対生きて帰りなさい」
「ああ、それは約束する」




