表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
放課後のメイザード  作者: 月天下の旅人
ネオナチ襲来編
8/89

空の表情

忍はマジカルロッドを剣に変えたが、かんなのそれは杖のままであった。

「マジカルロッドを杖のまま出した!?」

「飛ぶわよ、しのぶ!」

「分かったよ、かんな!」

 二人は杖を構えて叫ぶ。

「マジカルロッド、フロートウイング!」

 二人の背中に天使のような羽が生える。

 そして二人は空へと飛び立った。

「何をしてくるか分からないけど!」

 しのぶは剣を構える。

「『何をされるか分からない』ことほど、怖い物はない」

 けど、とかんなは続ける。

「今回は模擬戦だから、一発わざと外してあげる。動かないでよ!」

「そういう余裕ぶった態度されると動きたくなる物だけど……」

 といいつつ忠告に従う忍を見て、かんなは呪文を唱える。

「ミラージュシューター!」

 すると黄色い光が忍の眼前で上に曲がる。

「あなたはどこのイギリス代表なのかな」

「そのネタいい過ぎると怒られるわよ?」

「ともかく、その曲がる攻撃は厄介だね」

 攻撃の軌道が予測できないのは、

それを回避するすべが無いといいたげな忍。

 しかしその割に、彼は妙に自信ありげだ。

「とぼけないで。あなたのスピードなら、このくらいは訳ない」

「少なくとも、表情に焦りは感じない」

 そして、とかんなは続ける。

「ここが蒼空そらだからいうけど、あなたは男の娘よね?」

「どうしてそう思うの?」

「私は分かるの。女の子達の表情を見て来たから」

「表情を?それはどうして?」

 忍は冷静に返した。内心焦っていたが、興味があったからだ。

「私は魔法少女に憧れた。2018年に、それが現実だって分かってから」

「必死に練習したわ。おかげで擦り傷も数えきれないくらい負った」

「あなたはボクが小学六年生の時、つまりクローン大戦の時居なかったけど?」

「クローン大戦の時は私は止められていた」

「止められていた?将来有望な魔法少女だから?」

 その疑問にかんなは答える。

「それなら尚更戦力にはしたいはずよ」

「ならどうして……」

「私の感受性が高いから、それを制御できないと判断されたのよ」

「女の子特有の感受性って奴かな」

 思わず本音を漏らした忍に対し、かんなは指摘する。

「そういうってことは、私の推論は本当だってことね」

「うっ……」

「流石に表情で性別までは分からない。けど何か隠していることは分かってた」

「クラスのみんなには内緒だよ?何いわれるか分からないし……」

「そこは心配しないで。私、口は堅いから」

 そんなかんなに、忍は向き合う。

「まあ、模擬戦を続けよう。あなたの力、伊達じゃないってところを見せて!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ