表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
放課後のメイザード  作者: 月天下の旅人
忍の真実編
72/89

名古屋への『帰省』

 駅弁を食べ終えた忍達が名古屋に着くと、そこから在来線に乗り替える。

「これから神奈に会いに行くのね」

 そんな頌子に忍は返す。

「正直少し心配なんだよな。ちゃんと話ができるのか、とか」

「一卵性双生児の男女なんて珍しすぎるしね」

 理香子がそう応じると忍はそれに頷く。

「結構イレギュラーなんだそうだ。医者からも『生まれてきたことが奇跡』といわれた」

 忍はそれを揶揄したかのような発言をした。

「それならそれで支援とかしてくれればよさそうなんだけどな」

「まあ遺伝的に珍しいってだけだしね」

「いってみただけさ、理香子。それより、そろそろ着くぞ」

「次の駅に着いたらしばらく歩いてから病院なんだっけ」

 頌子は忍に問いかけた。そして忍は答えた。

「といっても徒歩五分くらいかな」

 そして歩くと病院があり、神奈の病室。

「神奈さん、面会ですよ」

 看護師がそういって室内に語りかける。

 すると開口一番、神奈はいった。

「ふう。私としては、もう退院したいんだけどね。ここの病院食味は悪くないんだけどね」

「そうもいかないんだよ。まだリハビリが終わったわけじゃないんだよね?」

「そうね。でも二学期が終わるころには退院できそうよ」

 そこに看護師の突っ込みが入る。

「もう入院というよりは、リハビリのためにここに居る状態ですからね」

「じゃあ何で病室に入っているのかな?」

 忍の突っ込みに看護師は切り返す。

「一応足の検査とかがありますから」

「要するに検査入院ってことか?」

「ゴールデンウイークだからね。あなたが来るのに合わせたわけじゃないけど、休みの日の方がいいし」

 そんな神奈に忍は率直な疑問をぶつける。

「学校には行けているの?」

「ええ。一年もすれば学校へは通えるようになったわ。体育の授業は見学だったけど……」

「それまではさすがに病院で勉強していたのか」

 そんな忍に神奈は返す。

「クラスメイトが教科書とかは持ってきてくれたから、内容は理解できているわ」

「ふうん」

 ちなみに神奈のいる場所は個室だ。

 これは単に神奈が有名人だからで、容体が悪いわけではない。

 まあ、個室なので看護師を含めた話もできるわけだが。

「で、忍はどうなの?」

「まあ一応性別は隠せているかな。バレている人も居るけど」

「そっちなのね。授業に追いつけていないとかじゃなく」

「ボクも要領はそんな悪くないしさ」

「悪くないってだけでいいわけじゃないんだから」

「気を付けるって」

 そんな会話をしていると、理香子は頌子にいう。

「さすがに仲のいい姉弟ね」

「まあ、姉弟の仲がいいことは悪いことじゃないから」

 平然としている頌子に理香子は突っ込む。

「でもさすがに普通の姉弟って感じはしないわ」

「そりゃお互い性別が違うとはいえ片割れだし」

「それだけじゃないと思うんだけどな……」

 その会話は忍に聞かれていたらしく、忍は突っ込んだ。

「僕がシスコンだっていいたいの?」

「そういうわけじゃないけど」

 理香子は普通に否定した。

「ならいいけど」

「でもあなたってちょっと疎いところあるからさ」

「それってどういう?」

「この際だからはっきりいうわ。私は、あなたのことが好きなの」

「それは分かっている。幼馴染だからだろ?」

 中学生だからこのくらいトロイのはまあ許容範囲だろう。

 なので理香子はすかさず次の手を打つ。

「私は幼馴染だからとかじゃなく、一人の女としてあなたの好きだと思っている」

「つまり『Iloveyou』ってこと?」

 さすがにこれで気づかなければ正真正銘の朴念仁だが、

忍はそこまで鈍くないので普通に気づいた。

「そうよ」

「ごめん。そういうのは簡単に決めない方がいいと思うんだ。だから、考えさせて貰えるか?」

「別にいいわよ。一時の気の迷いで恋人同士になったっていいことはないんだから」

 理香子の告白を受けても忍はあまり動じなかった。

 まあ今はそれどころじゃあないからだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ