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放課後のメイザード  作者: 月天下の旅人
忍の真実編
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戦う『理由』

「僕はクローン大戦の時守られた、なら今度はボクが戦わなきゃいけない」

 そんな忍に頌子は問う。

「それを戦う理由にしていいの?」

「日常を守るためっていうのももちろんあるよ」

 けど、と忍はいう。

「これは使命感とかじゃなくて、ボクの心の問題なんだから」

「心の問題、か。それは分かるような気もするわ」

 そんな理香子だったが、こういいつつ忍の顔を覗き込む。

「でも、お姉さんから託されたというのは結局のところ『自分』がどうしたいか分からなくなる」

「それを忘れるな、っていいたいんだよね?分かってるよ」

「本当に分かっているのかしら。あなたって結構無鉄砲なところがあるから」

「無鉄砲で悪かったね」

 こうして昼食時間は過ぎていき、その日は何事もなく過ぎていった。

 ゴールデンウイークまではそれなりに平穏な日々が過ぎ。

 忍は理香子や頌子と共に名古屋へ帰省するべく新幹線に乗っていた。

 無論、男姿であった。

「もしお姉さんに会ったらどうするの?」

 理香子の問いに忍は返す。

「とりあえず、ターナー症候群だったことでショックを受けてないか見てみないとね」

 神奈は排卵を確かに行えていたのだが、不妊は別の要因もあるので一概にいえない。

 この時代になると不妊治療の技術も大分発達してきたのだが、

いかんせんまだ完全ではなかったのだ。

「まあ、幸せはそういう物じゃないだろうしね。姉さんにはきっといい人が見つかると思うよ」

「世界を救ったから?」

「それは一人の女性として見るには関係ないかな。むしろ明るいところとか」

「親ばか、ならぬ弟ばかね」

 そんな理香子に忍は返す。

「家族なんだからこのくらいはいいだろう?」

「長らく会ってなきゃなおさらね」

 頌子は忍に同調したようだ。

「会ってないということはもしかして成長した姿を見てないの?」

 理香子の不安に忍は答える。

「お互い写真は送っていたし、前居た育成所は東京だったから盆と正月であれば普通に帰れた」

「その時も会っていたの?」

「さすがにゴールデンウイークは遊びに専念していたけど、今回はやっぱりあの結果もあるし」

「帰ろう、と思ったの?」

「そうだな。あのアイスを食べたいから一日泊まってから広島に戻るが」

「それは聞いたわよ」

 理香子は予定を忍からしっかり聞かされていたのだ。

「念のためだって」

 忍もさすがに流れがあったためかいい返した。

「それにしても、ここまでネオナチスは何で動かなかったのかしら」

「そうだね……一応学校にはかんなが居るから安心はしている」

 何より芹田拓夢を名乗る少女である、芹田美夢もあそこには居る。

 だから忍は安心して学園を離れることができたのだ。

「だけど不穏だな。一週間に一度ペースだと思っていたのが、二週間ほどは来ていなかった」

「世間は今でも彼らの動きを注視しているわね」

 そんな理香子に頌子は突っ込む。

「そりゃ昔だってイスラム国の動きは注目されていたわけだしさ」

「国家の存亡がかかっていると知っていれば、尚更動くわけだ」

 忍も理香子に続いた。

「日本は能天気な国民性だけど、最近はそうでもなくなってきたからね」

「まあ理香子のいうようにクローン大戦での戦いも見たから、戦争が他人事じゃなくなったんだろう」

「忍のいうことには一理あるわ。あれでかなり国民の意識は変わったと思う」

「良くも悪くも、な。昔よりはピリピリしてきた感じがする」

 そんな忍に頌子は返す。

「でも今では世界の中心。アメリカみたいに色々注目されることとなった」

「だから滅多なことはできないわけだが、核は持たなくても今は問題ないわけだしね」

「そればっかりは憲法九条の恩恵かしら。平和ぼけの象徴でもあったけど」

 そんな頌子に忍は呆れたような口ぶりで行った。

「時折こういう皮肉をするのは頌子らしいというか、何なんだろうな」

「ともかく、駅弁を食べましょう。今回は岡山の駅弁ね」

 そんな理香子の発案もあり、忍達は一斉に手を合わせた。

「いただきます」

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