表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
放課後のメイザード  作者: 月天下の旅人
クローン大戦編
38/89

思い出のかなたにあるもの

 現在。理香子にニューワールド襲来から一週間の間の話をしていた忍は彼女に指摘される。

「要するに、三幹部が割と律儀だったってこと?」

「今となってはそれも分からないけどな。一ついえるのは僕がその時姉さんに庇われてたことくらいだ」

「あなたが戦っていたからといって、戦局は変わらなかったと思うわ」

「それは僕も同感だ。だが変わっていた可能性がなくはない」

 で、と理香子は続ける。

「結局ニューワールドとの戦いはどうなったの?」

「そりゃもう『gdgdグダグダ』だったさ。下手な魔法少女アニメよりもな」

「『gdgd』……いい得て妙ね」

「感心するところはそこか?だがいかんせん他にいえるものはない」

「ところで、ネオナチス襲来までの間敵は出なかったの?」

 理香子の疑問に忍は答える。

「何か北海道の方でアイヌ民族の末裔と小競り合いがあったらしいが、僕も良く分からない」

「ただ、どうもそこでも『放課後のメイザード』を名乗った奴がいるらしい」

「あなたじゃないの?」

「ああ、僕じゃないことは政府も確認している。僕は名古屋に居たし、姉さんは絶賛リハビリ中」

「だから『放課後のメイザード』に憧れた赤の他人じゃないかと見ているが」

「『が』?」

 不思議そうな表情の理香子に忍は返す。

「僕が彼を『二代目メイザード』として認めるよう掛け合っているところだ」

「『彼』?男の子なの?」

「その話より、まずはニューワールドとの戦いについての説明が先だ」

「ずるーい!」

「話に一貫性がなくなると何話してるんだか分からなくなるからさ」

 忍がそういったので、理香子は根負けしたようだ。

 時を戻し、魔法歴4年5月2日。

 神奈達は旅行のこと頭が一杯だった。

「いやっほー!」

「はりきりすぎよ」

「そういわないでよ、ちひろ」

 頌子は今日がニューワールドの来る日と知っていたが、

旅行を楽しみにする心は分かっていたので抑え役になっていた。

「私はアルファール」

「俺はデルタジア」

「そしてこのオメガリア」

「お前らとの腐れ縁もここまでだ!」

 仰々しいアルファール達に、神奈はこう突っ込む。

「旅行前に来るっていうのは空気は読めているんだかどうか」

「旅行中に来るよりはましだろう?」

 するとアルファールは自動車を元にマジカルガイストを形成していたのだった。

「そうはいかないわよ、みんな!」

 神奈がそういうと三人は右手を横に突き出し、一斉にこう叫んでいた。

「マジカルゲート、オープン!」

 すると小さいピンクの魔法陣が右手から現れ、そこから杖が取り出される。

 杖の先には魔法陣があった。

 周囲の花粉を材料として杖を形成していたのだった。

 そして彼女たちは杖を正面に構えるとこう叫んでいた。

「マジカルゲート、コネクション!」

 すると彼女たちが光に包まれ、衣服が魔法少女のそれへと変化する。

 制服を素材として衣装が形成されていくのだった。

「魔法少女メイザード☆かみな!」

「魔法少女ウインド☆しょうこ!」

「魔法少女アイアン☆ちひろ!」

「我ら、放課後魔法少女隊!」

 そして神奈達は自動車のマジカルガイストに向き合う。

「行くわよ!アイアンブレイク!」

 ちひろは魔力の行きわたってない部品であるワイパー部分を形成し、

それを内側に出っ張らせることでフロントガラスに衝撃を与えた。

「メイザードスター!」

 続いて神奈が☆の形をしたエネルギー弾をマジカルガイストに飛ばす。

 が、マジカルガイストはフロントガラスが砕けただけだ。

「さすがに自動車を元にしただけあって固いのね。でも!」

頌子は接近して、杖を自動車の座席で構える。

「ウインドブレードノヴァ!」

 杖から放たれる風が刃のように座席を貫き、

マジカルガイストは地面に向かって落ちる。

 だが落ち切る前に爆発し、周囲に被害はでなかったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ