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放課後のメイザード  作者: 月天下の旅人
クローン大戦編
33/89

戦争と犠牲

 忍の励ましもあり、活力を得た神奈。

 彼女は再びニューワールドと対峙する日を迎えていた。

「今日はあいつがくるわね」

「この日本を落とすことに戦略的な意味があるとは思えないけどね」

 頌子がそういうのも無理はなかった。

 日本は技術力は高く自衛隊には兵器もある。

 しかし災害が頻発する国でもある。

 災害について陰謀論が巡ったりもするが、

その真偽を差し置いても支配には向かない。

 陰謀論における地震兵器だって、プレートにぶつからないとお話にならない。

 ゆえに日本は地震に合いやすい国なのだ。

 アメリカだって東部で地震が起きるし、

それは日本だけといえないかもしれない。

 しかし日本は四つのプレートの上に乗っかっているだけでなく、

火山までもが存在する国だ。

 つまり日本は地震大国なのだ。

 ぶっちゃけるとこの国を支配するのはそれこそ人種差別意識か、

ないし誰かの掌の上で踊らされたかだっただろう。

 例外があるとすればニューワールドのように、

本気で世界征服を狙う連中くらいだっただろう。

 クローン大戦で最後まで支配されず、

ニューワールドの野望の終わった国になるまではの話だが。

 ネオナチスが日本を狙うのは、

もはや日本が世界の中心であったからというのは何度も述べた通りである。

 しかしニューワールドは違う。

 彼らは世界征服のために支配する意味がないと思えるような国まで、

一様に支配していったのだから。

 そんなこともあり支配を受けた国の食料は全てニューワールドに握られ、

発展途上国の食料は先進国に吸い上げられていった。

 日本は未だチョコレートがあるが今現在それはアメリカで生産されている。

 当時はガーナであったがガーナの人々は、

物の役にも立たない金のためにチョコレートの素材となるカカオを取られた。

 金が物の役に立たないというのは、食料がなかったからだった。

 ニューワールドに食料を統制されてしまい、

発展途上国の人々は次々と飢え死にしていく。

 ニューワールドにとってしてみれば、

クローン開発の元となった『旧人類』は侮蔑すべき存在だったからだ。

 復興が進んだ今でも発展途上国の人々は見殺し同然であり、

金と技術の暴力の前にどうしようもなくなっていった。

 戦争に巻き込まれた時犠牲となるのはいつだって弱者だ、

とは誰がいった言葉だろうか。

 戦争自体を全否定することは誰にもできない。

 侵略者の脅威の前に力を持たず蹂躙されるよりは、

力を持って立ち向かった方がいいからだ。

 しかしニューワールドとの戦争であるクローン大戦は世界を巻き込んだ。

 当然その影響は計り知れない。

 直接的な死者は百万人居るかどうかだが、

間接的な死者が多かった。

 クローン大戦によって人口の半数が死滅したことは以前記したが、

その原因は餓死や病死といった関連死だった。

 食料が得られない理由は前述した通りだが、

当然そんな状況では薬も後回しになる。

 助かるはずのなんてことない病気で大勢の人が死んでいく。

 当然薬を作る技術は発展途上国になく、

先進国の人々がやったことは自分たちに火の粉がかからないようにするくらい。

 むしろ病気のせいで隔離されますます物資が届かなくなっていた。

 そんな状況だからこそネオナチスが蔓延り、

日本(というか世界)が再び危機に陥るわけだが。

 それにしたって目を覆いたくなるような、

筆者をして書き連ねるのがはばかれてしまうくらいの出来事。

 クローン大戦においてはそれが現実となってしまっており、

その光景はさながら地獄絵図であった。

 だからといって神奈達がニューワールドと戦っていなければ、

それこそ人類は絶滅寸前まで追い込まれていただろう。

 世界の惨状はともかくとして彼女達の活躍によって、

少なくとも日本は守られ今に繋がっているのだ。

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