一週間ごとの戦争
「まさかマジカルガイストを打ち破るとはな」
「あなたみたいな連中にロシアが落とされたとは思えないわね」
そう返した神奈だったが、アルファールはこう続けた。
「今回は顔見せが目的だったしな。ロシアの魔法少女も二日はかかった」
「だが、我々は経緯を示して一週間おきに来ることとしよう」
そういってアルファールは去っていった。
「侵略者、というかテロリストのくせに偉そうね」
頌子がそういうと、神奈はこう返す。
「まあ、助かるけどね。毎日来られたんじゃさすがにきついわ」
「ここには私達三人しか居ない。彼らが狙う以上ここが落ちたらアウトね」
そんなちひろに神奈はいう。
「確かに三人も戦闘可能レベルの魔法少女が確認されているのはここだけね」
「だから戦力的にここが最大の防壁であることは間違いはない」
すると頌子は彼女の言葉にこう続ける。
「後は各個撃破されるかもしれない。でも対策は取れる」
「いずれにしろ私達が負けなきゃいいだけよ」
身もふたもないことをいうちひろに神奈は突っ込む。
「ニューワールドが来るまでは慎重だったのに」
「実際来てみると負ける気がしないのよね」
「そういうのは何というか、慢心よ」
頌子がそう返したのに対し神奈はいう。
「だけど頼もしいから問題ないわ」
「頼もしければいいという物じゃないのよ」
呆れる頌子に対し、ちひろはいう。
「いずれにしろ、来週ね。次の休み何する?」
「次の休みは近くのファミレスで作戦会議しよう!」
そんな神奈に頌子は突っ込む。
「それって単に『女子会』って奴だよね?親同伴だから違うかもしれないけど」
するとちひろがフォローする。
「まあ魔力の源は精神力だから、気持ちを高ぶらせるのは悪いことじゃないわ」
「お財布には気を付けないといけないけどね」
「お財布って……」
ばばくさいことをいうちひろに頌子は若干あきれた。
「小学生だからって親に負担掛け過ぎてもいけないしね」
彼女達は小学生といっても高学年だから、
そのくらいのことを考えても不思議ではない。
ちょっとませている感じはするがそこはご愛敬である。
というわけでその週の土曜日。
彼女達はファミレスに居た。
「お子様セットとドリンクバー三つ」
「じゃあ私達はこのランチを貰うわ」
親を含めて何気ない会話をする神奈達。
すると神奈がニューワールドの話を切り出す。
「ニューワールドとの戦い、どう説明したの?」
「私は反対しなかったけど、他のママはどうなのかしら?」
他の親を気にするそぶりを見せた神奈の母親。
彼女は忍の母親でもあるわけだが、
優しいわけでも厳しいわけでもない普通の母親だった。
ニューワールドとの戦いに反対しなかったのも、
子供の意思を尊重しただけに過ぎなかったりする。
「私は正直受け入れられなかったけど、仕方ないことよね」
頌子の母親は渋々現実を受け入れていたようだ。
「二人はそう思っているのね。私は正直いうと反対だけど押し切られてね」
ちひろの母親子供のいうことを優先したらしい口ぶりだった。
「そうなのね。ともかく、ドリンク取ってくるわ」
するとちひろはいう。
「正直、ママには心配かけちゃっているよね」
「でも、やるしかないのよね」
そんな頌子に神奈は答える。
「滅入っている場合じゃないわよ。私達はみんなを守る魔法少女なんだから」
すると近くの席で声が聞こえてくる。
「魔法少女、か……アニメや漫画だけの話じゃなくなってきたのかな」
「ニュースでは映像もあったし事実だろうとのことだし」
「マジカルガイストの存在は事実なんだから偽映像の線は薄いらしい」
「しかし皮肉だよな。憧れだったはずの魔法が戦争に使われるなんて」
「これが戦争といえるかどうかなんて分からないけどな」
「そんなことは重要じゃないだろ。小学生が戦争やるなんて世も末だ」




