『新世界』が来た日
「『ニューワールド』は魔法を反映させる機械を開発しています」
「それはまさしく魔法という魂が込められた機械」
「『マジカルガイスト』と呼ぶべきであると専門機関はいっています」
「ロシアで見つけられたのに『ガイスト』?」
そう突っ込んだのは忍の父親である。
「ゴロがいいし、分かりやすいからじゃないかな」
突っ込みにそう返した忍に、神奈はいう。
「彼らは魔法少女を狙っている。ちひろや頌子が私の学校には居るし」
「みさわ、ちひろだっけ?頌子は幼馴染だから分かるけど」
三澤ちひろ。彼女は神奈のクラスメイトにして、クローン大戦における英雄。
しかし、当時の彼女たちは争いと無縁な小学生であった。
「それに、一応僕が居るからな」
「あなたは戦わせないわ。あなたに魔法が使える理由は分からないから」
「でももしお姉ちゃんが戦えなくなったら、その時は僕が戦う」
「その気持ちを受け取ったなら、私は負けるわけにいかない」
そんな二人に母親は指摘する。
「ロシアはともかく、この日本が本当に襲われるのかしら」
「資源も何もない国だぞ?」
「『ニューワールド』の目的、効かなかったわけじゃないよな?」
そんな忍に父親は返す。
「クローンのための新世界、な。組織の名前もそういう意味らしいが」
「世迷い事だっていいたいの?」
そんな神奈に父親はいいあぐねたが、こう返した。
「イスラム国だって結局日本じゃ何もできなかったじゃないか」
「でも、イスラム国の時も少なくない犠牲者が出たわよね」
「姉ちゃんの言う通りだよ。イスラム国だって日本に来れば今でも危ない」
イスラム国は西暦にして2022年となった時に、
勢いはかなり削がれていたがそれでもまだ壊滅していなかった。
テロリストは根源である格差や宗教についても考えなければならない以上、
対応が難しい。
一応ニューワールドもやっていたことはテロだが、
正面切って武力行使する分イスラム国より単純とも取れた。
「それもそうだが、お前らはまだ小学生だぞ?」
「魔法の発見は私が先生に相談して魔法で救える人が居ると思って教えたから」
「責任感を感じているっていうのか?それには若すぎる!」
「だけど僕達は来年からはもう中学生なんだ」
それを聞いた忍の母親はいう。
「二卵性でも双子はシンパシーがあるのかしらね」
「まあ、そういうのを考える年齢ではあるか。だがこれだけはいっておく」
「何をいいたいの?」
「絶対に死ぬなよ、神奈!」
「分かっているわよ、父さん!」




