レミリア編3 「己の運命に抗え!」
お久しぶりでごわす!アリシア(桜花)です!
うんむ、詳しい事は活動報告をみてくだしゃ(笑)
「……」
とても静かな…
とても暗いこの場所。
何度ここに来ただろうか…
目を瞑れば、僕は必ずこの場所へと辿り着いてしまう。
何度もこんな場所は嫌だと…
こんな所に来たくないと…
僕は何度も抗った…。
……
「う…」
「あら、ようやく目が覚めたのね」
僕は、少し重たい瞼をゆっくりと明けながら
この声の主を探した。
探したと言っても、近くから声はしたし
おそらく僕の事をずっと看病してくれていた方であろう
そんな訳で、声の主はすぐに見つかる。
「あなたは…?」
「私は鈴仙、ここは永遠亭で、ある人の助手のようなものをやってるわ、あなたは?」
「僕は○○です」
「○○っていうのね、あなたをここに連れて来た人だけどもうそろそろ来ると思うわ」
鈴仙さんは立ちあがりながらそう言い
後でまた来るわと一言だけ言って
僕が居るこの部屋を後にした。
それから数分後…
「お前は何者だ?」
「えっ?」
あれから数分して
僕を助けてくれた●●さんがやってきた。
なんでも●●さんは、修行をしている身であるらしく
偶然、あの場の近くに居たとのこと
そしてあの少女はレミリア・スカーレットと言って
何でも紅魔館の主らしい。
っと、何でこんなに僕が知っているのかと言うと
自己紹介もかねて、●●さんからいろいろと教えていただいた事だ。
それから、なんだかんだと話ていて
最後に一つ聞きたいと言われて
言われた事がこれだ。
「俺は生まれつき相手の持つ力を感じ取ることが出来る、その能力か力か知らないが、お前からは不思議な力ともう一つ…邪悪で危険な力を感じる」
「……」
「その顔だとどうやら知らなかったみたいだな、邪悪なその力を言い換えるといわゆる妖力だな」
「妖力…」
「そう、その妖力は妖怪が持つ力を意味する…、それはつまり…」
「僕が…、妖怪…?」
「そうなるな」
僕が妖怪…?
だとしたら僕は一体なんの妖怪だ…?
それ以前に、妖怪だと言うのならば
何故、○○家で僕は育ったのだ?
考えれば考えるほど、頭がどうにかなりそうだ…。
○○は、何故自分が妖怪なのか
妖怪だとすれば何の妖怪だろうか
人である○○家で何故、妖怪の自分が育てられたのか
○○は、それらを考えるのが苦痛となっていた。
「あのレミリアがお前を求めると言うところで、お前が一体何の妖怪なのかはだいたい想像はついている」
「…」
「おそらくお前は、やつと同じ吸血鬼なのだろう」
「吸血鬼…」
「そうだ、血を食らう鬼だ…」
「だが俺からすればそんな事はどうでもよい、○○…、もう一つだけ聞こう」
「…」
「お前は何だ?」
質問の意味がわからなかった
僕の正体が吸血鬼とわかったところで
さらにお前は何だ?と聞かれ
どう答えたらよいのか僕にはわからなかった。
「すまない、質問が少し難しかったな、ではこれならどうだ?」
●●さんは質問が僕にとって難しい事だと察したのか
質問の内容を変えて、改めて僕に問いだす。
「○○、お前は人間か?それとも吸血鬼としてのお前か?」
「…!」
ようやく質問の意味を理解した。
僕は人間としてなのか、それとも吸血鬼としてなのか
今、自分の正体がわかったところで
今の僕はそれでも尚、人間として居るのか
それとも吸血鬼として染まるのか
そのどちらだと言う事なのだろう。
僕はこれまでに、人間として過ごしてきた
自分が吸血鬼だと思った事なんてない。
むしろ妖怪だと思った事がない。
ならば僕の答えはこうだ…
「僕は…、人間です」
そうだ、僕は人間だ
妖怪だとか、吸血鬼だとか
そんな事は僕は知らない。
たとえ僕が本当に吸血鬼であっても
僕はこれまで通り、○○家の人間の○○だ。
それは今も変わらないことだ。
○○が●●の質問に対し人間だと答える
質問に対して、人間だと答えられた●●は
どこか少し、驚いたような表情をし
少しの沈黙が訪れる。
「……」
「……」
そして、その沈黙を破ったのは●●だった。
「ふっ…ふははははは!」
「……、一体何を笑って…」
「いや、すまない、なかなかと面白い奴だと思っただけだ」
「お、面白いって…」
「ふむ、○○よ、お前が人間だと言うのであらば、私について来い」
「え?」
「レミリア・スカーレットに対抗する…、いや…、奴を倒す力をお前に授けよう」
「…!!」
「どうだ?来るか?」
「本当に倒せるのなら」
「ならば決まりだ!」
こうして、○○は
レミリア・スカーレットを倒すべく力を身に付けるため
●●と、しばらく修行へと身を投じるのであった。