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アーマーリングを左手に。  作者: 蜂蜜 林檎
6/14

アーマーリングを左手に。 4話。

えー。

今回から話が本題へと・・・

そして現代版の修正とでもいいましょうか(笑)

ほんとにどんな設定だったっけ!?

のサルベージが激しいです。

今回はちょっとした小話感もありますが・・

まぁ、それは読んでからということで!!

もしも、世界が、終わるなら。

大嫌いな、愛するアナタへ。

言わせてほしい、言葉がある。

その瞳で、見つめないで。



夜が明けた、だいぶ前に。

なんだったのか・・あの一夜の出来事は。

まだあたしはあの感情を覚えている。

ひりつく様な、悲しいような、怒りにも似たあの感情。


ふー・・・

息を吐いて、またゆっくりと歩き出した。

朝日が照らすアスファルトの灰色の道。すぐ近くに車が止まっているが、窓ガラスもタイヤもない。

これがあたしの生きている場所だ。まつり先生のビルが見えて、なんだかやっと帰ってこれた気がする。

あたしの日常・毎日。「普通」なあたしの場所。


部屋の明かりをつけることも忘れて、あたしはひたすら眠りつづけた。

いつもの夜が見たかった。暗い、暗い、あたしの夜。

眠り続けている間、夢を見た。


燃え盛る炎。誰かの涙。何かの砕ける破壊音。

逃げろ。

そんなような言葉を聞いたあたりで目が覚めた。

冷や汗が頬を伝った。涙かもしれないと思ったが確認するつもりはない。

窓から外を見れば、赤く燃える夕陽が見えた。ここに来てから夕日は嫌いだ。ただ、無言でカーテンを閉めた。

カーテンから漏れる赤い夕陽があたしをざわざわとかき乱す。気持ちが悪い。

あたしは首から下げているピルケースを開けて薬を飲んだ。別におかしな薬ではない。表の世界でも合法的に処方されるただの薬。

・・・いわゆる精神安定剤。表の病院など行けるはずもなく、あたしはいつもこれを十夜に出してもらうのだ。

発作を抑える作用もあるそれはあたしにとって水分にも等しい。・・・徐々に増えてゆくそれ。

これは、毒だ。飲んではいけない甘い毒。

強すぎる薬は人体に有害だ。分かっている、そんなこと。


そんなことを思っているうちに夕陽は夕暮れへと変わっていってくれる。

「夜は安らぎ、闇は愛。」

ふと、そんな言葉が零れ落ちた。誰が言った言葉だった?そんな言葉を誰かがあたしに言ったハズだ・・

誰が・・・?

頭に浮かんだのは銀色に光る長い髪、それと・・もう一人・・

「・・っ!」

ズキンと音がするかと思うくらい頭が痛みだす、それはすぐに背中に広がりチリチリと背中が痛む。

燃え盛る炎。誰かの涙? 誰の? 夢の中で泣いていたのは・・・

窓の外。カーテンの隙間に揺れる。暗闇にも浮かぶ・・あの銀の髪!!

あたしは部屋を飛び出し、彼女の後を追った。

溢れる涙。何かを言った唇も彼女の・・

「十三夜月!!」

いつもそうだ。何かを言いたげにあたしの前に現れる。彼女のことだ、寝首をかけばあたしなど殺せるハズ。

あたしに何度刃を向けても本気で殺すそぶりを見せなかった。殺気を向けられたことすらない。

向けられる感情をなんと呼ぶのかは知っているのは・・彼女しかいない。


「待って!」

息をはずませ、あたしはやっと声をかけた。

・・・十三夜月。

満月の次に美しいとされるその月の名前の少女。

思い出の中で見た、彼女の涙のその理由。まつり先生のビルからこの場所までそれなりの距離がある。曲がりくねり、あたしをやりすごす場所なんていくらでもあったハズなのに。あたしはこうやって彼女と相対している。

「・・・あたしは死んだハズだと、言ったわね。」

無言。

「いつもそう。あたしの前に現れて・・けれどあたしを殺そうともしないあなたがなんでそんなことを言ったの?」

あたしはそっと自分の左肩をつかんだ。

「あたしは焔の中で殺したハズだといったわね、じゃああたしのこの火傷の原因はあなたということ?

あなたがあたしを本気で殺すつもりなら焔にまくなんてことしなくて良かったハズよ!

今までだって、いくらでもあたしを殺す機会はあった!でも殺さなかった!!なんで!?

答えて!十三夜月・・」

ジャッ・・

鈍く、小さな音とともにあたしの髪が数本地に落ちる。

それまでうつむき無言でいた十三夜月があたしに斬りかかってきたのだ。

「・・・おしゃべりも度をすぎると五月蝿いものね、三日月。」

うつむいた顔をゆっくりとひきあげ、あたしを見る。その姿が何かの残像のようにブレて見える。

燃え盛る炎の中で見た、あの涙。涙を流していたあの少女はやはり・・

「十三夜月!」

「さすがに両足をなくせば、貴女もおとなしくなるかしら?」

構えて彼女はこちらをみすえる。

まずい!今のあたしは葛ノ葉すらもっていない・・どうする!?

あたしの脳裏に無残な自分の姿がよぎった、その瞬間。

ひゅんと風を切り、壁に刺さったのは・・一本の、フルーツナイフ?

あたしと十三夜月が同時に振り向いた先。月光を背にした一人の男。

金色の髪、腰に下げた道具入れ、蜘蛛の巣の描かれたエプロン。

そして、見慣れたあの眼帯。

「片目!?」

思わず声をあげたあたしに彼はいつものように気軽に手を振って見せた。

「よぉ、姫。ずいぶんと美人なお友達だな。夜遊びにしちゃ味気のない場所だぜ?」

そう言いながらトントンとアスファルトの道を蹴る。

「・・・シェフ?三日月のお友だちかしら。無粋という言葉を知らないの?」

十三夜月が声をかける・・が、なぜか目線は片目の風に流れる金色の髪を追っている。

疑問があたしの中で流れた瞬間、あたしの脳はある一つの場面を思い出した。

あたしを三日月と呼び、手を差し出す男。・・・なんだ?

「邪魔する気はないんだが、今夜は早く帰りたいんだ。近道させてくれないか?」

片目の声にはっと我にかえる。ダメだ。今は・・!

「片目!」

あたしの叫んだ声に十三夜月が動いた。長い銀の髪をまといながら、刀を振りかざし跳躍する。

片目はよけるでもなく、右手を道具入れへ伸ばすと一閃させた!

カッ。カッ。カカッ。

自分に向かって飛びくる光を十三夜月は振りかざした刃で弾く。

リズムよく壁に突き刺さるそれ。

「!?、調理用の串!?」

十三夜月の言う通り。片目が投げたのは串。おそらく、バーベキューなどに使うそれ。

「無粋は百も承知だ。けれど、だ。

今夜の俺は忙しい・・大好物のストックが減っちまってな。急いで買い出しに行きたいんだよ。」

十三夜月が小さく舌打ちをする。

「・・舐めたマネを。残念ね、大好物を最後の晩餐にできなくて。

・・・・・死になさいっ!」

もう一度片目に向かって跳躍しようとする十三夜月。刃を振りかざし・・・

煌めいた刃は片目に届く前に空でピタリと止まる。

月に照らされきらきらと輝くのは十三夜月の髪?いや、違う。

目をこらせば彼女の周りに張り巡らされている銀糸の蜘蛛の巣。それは細い細いワイヤー。

ワイヤーが絡みつき、動きのとれない体に十三夜月の目が見開かれる。

「動くんじゃねぇぞ。可愛いドレスが台無しになっちまう。知り合いのマッドサイエンティストの特別製だ。

切れ味はお墨付き。大根のカツラ剥きだってできる代物だ、便利だろ?」

片目は、一歩も動くことなく十三夜月と目線を交わす。

「・・・何者なの?お前。」

その言葉に片目はふ。と息を吐いた。

「・・・趣味が高じた・・ただの料理人だよ。今はな。」


『十三夜月姉さま。』


ブチブチッ!

ひどく耳障りな音を立てて、ワイヤーが引きちぎられた。突如として現れた、桃色と水色の二人によって。

小望月と・・十六夜。

二人の両手は鋭い刃物で切られたようにズタズタになっていた、けれどそれを気にする風でもなく二人は片目に向かって走ろうとする。

「・・・止めなさい。」

呟いた彼女の言葉に二人はピタリと動きを止めた。

「興が冷めたわ。」

二人を連れ、十三夜月は近くの屋根の上へと飛び乗る。

「おいおい。レディが聞いて呆れるな、両手を犠牲にするか?普通。」

片目が、頭上の三人に問いかけた。

「三日月、お友だちは選ぶことね。それから・・・。」

十三夜月はチラリと片目に目をやると、

「それから。・・・ライラ計画のことは忘れなさい。もう一度、死にたくなければね。おとうさまも私も貴女のことが、大嫌いなのだから。」

『おとうさま。』

「十三夜月!」

そのまま去ろうとする彼女に問いかける。

触れてはいけない琴線が・・弾かれる、引きちぎられる、

覚えのある・・その言葉!


「・・・・・大嫌いよ。貴女なんか。」

そう言い残して、屋根のさらに上へ上へと。

気が付けば手など届かぬビルの屋上へと消えてしまった。

あたしの頭の中で言葉が回る。(おとうさま)(もう一度)(大嫌い)。

「なぁ。」

はっとして振り向くと片目がこちらへ歩み寄ってくるところだった。

「なぁ。俺、早く帰りたいんだって。手持ちの魚肉があと三本しかないんだよ。注文したいんだよ、ネットで。

ストックも部屋に二箱しかないんだぜ?」

やってらんねーわー。などと続けながら後ろ頭に手をやる。

・・・・・。

早く帰りたいが買い出しに行くというのはそういう意味か。

そして・・・

「・・・結局は魚肉ソーセージなのね?」

片目はその言葉に軽くふんぞりかえり、胸を張って。

「イエス!」

と力いっぱいサムズアップ。

深く追及することはしないけれど・・・。


「ありがと。」


まつり先生の病院までの『近道』とやらは、30分ほどかかった。帰りざまに魚肉ソーセージは業務用が一番だとか、そんなどうでもいい話をしたけれど。そのせいでか、あたしの脳は。


フル回転するのを止められたのだった。



はっきりいいますが、この四話書いててタキシード仮面しか頭に浮かばなかった。(笑)

当時、挿絵を描いてくれた先輩がお気に入りの「片目」。キャラクターのイメージも最初はただのおじさん・・・が、

先輩の「あれ?私、こんな感じのお兄さんを想像してた(笑)」から、おじさん→からのゴシック・イケメンお兄さんへと進化!。

進化、半端ねぇ!!(笑)

魚肉ソーセージが大好物という設定も先輩とお茶をしながらの雑談から生まれたただの爆笑ネタ・・。

それが・・・こんなに強いなんて私も知らなかったです。(爆)ほんと、つくづく面白いお兄さんだ。

今回は「美少女戦士セーラームーン」が再アニメ化ということを祝しまして(笑)

がんばれ!タキシード仮面。(変身する際の大量の薔薇代・・・がんばって稼いでください。)



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