「乙女ゲーム と 悪役令嬢も出てくる大人気乙女ゲーム 」は構造的に成立しない
さて、わたくし「乙女ゲームユーザー」として「乙女ゲームに悪役令嬢なんておらん」を主張し続けているわけですが。
はあーーーーーやっぱり歪んでるな、「乙女ゲームの悪役令嬢」
「ジャンルとして成立しちゃってる」のは解ってるんですが、乙女ゲームをしってるからこそ、「世に溢れてる〈乙女ゲームの悪役令嬢ですがナンラタカンタラ〉系は
歪んでます。(断言)
あ。
「乙女ゲームとして」、「歪んでる」って話ですよ?
あれらに「乙女ゲームの~」の冠さえ着いて居なければ、別に何の歪んでも居ない、よくできた悲劇のシンデレラストーリーだと思います。
さて。
それを踏まえたうえで、ですね~~~。
・発売されている実際の乙女ゲーム
の観点から見てみると、〈なろう小説ヲトメゲーム〉は〈人気の乙女ゲーム〉として成立しないと言いたい。
成立しない。
まじで。
うん。
どうやっても無理。
どれぐらい成立しないかというと、地球の裏側から1時間で移動するぐらい。
本当に無理。
では、どうして成立しないのか。
そこを、「商品乙女ゲーム」を知らないあなたに伝わるように綴ってみましょう。
以下:
実際の乙女ゲーム=「恋愛乙女」
なろうの乙女ゲーム=「なろう乙女」で表記していきます。
***
まず、
「恋愛乙女」は「恋愛ゲーム」です。
顧客は10代~50代の、「疑似恋愛を楽しみたい女性」がターゲット。
イケメンに優しくされるでも、
ちやほやされるでも、
イケメンのたった一人になるでも何でもいいんですけど、
「疑似恋愛を楽しみたい(それを満たす商品)」が大前提です。
で、そのジャンルの暗黙の了解として、
いくつかの決まりがあります。
1:攻略対象の男性は、完全フリーであること
2:プレイヤーである女性キャラは善良であること
加害性のないこと
3:攻略対象の男性は、みな誠実であること
4:プレイヤーの周りのキャラもみな、魅力的であること
5:バッドエンドもあるけど結ばれエンドが幸せ
これは鉄則。
まあ、細かいことを書いてしまえば、主人公のヒロイン(ユーザー)が殺されたり軟禁されたり手錠かけられたり命狙われる~なんてゲームもあるんですけど、基盤はそこ。
──で。
それを踏まえて、「なろう乙女」を見てみますと……
大体の基礎
「悪役令嬢は、婚約者を取られて《悪役》の汚名を着せられた子。正ヒロインは婚約者を奪って見下してくる。婚約者もこっちを捨てた男。そいつらを見返してざまあ!」
ですね?(大まかはそうだよね)
ですがこれって~~~~~~~~
商品路線に直すと
悪役令嬢→既存キャラ
正ヒロイン→プレイヤー(消費者)
婚約者の男→攻略対象のイケメン
ってことになるので、
こんなの発売したら、乙女ゲーム界隈、大炎上します。
ええ。
大炎上間違いない。
いくら、豪華声優・神キャラデザ・完全な造り込みをしたとしても、炎上します。
プレイヤーが倫理的加害者になる設計は、恋愛疑似体験商品として致命的です。
だって詐欺に近いもん。
「新シリーズ!やった!」と思って恋愛する気100%で購入したら、《あなたは婚約者を奪う寝取り女です!!!はい、サレ奥さんをあざ笑ってください、はい、断罪しちゃってください!!》。
こんなの、
”…………どこが恋愛?”
”どこが「乙女ゲーム」?”
”はあ? なんで私たちが不倫女にならなきゃならないのよ!!???”
”え。ねえ、これホントに欲しいと思った?”
”信じてたのに、もう二度と買わない……”
こんな言葉がネットに溢れるし、大炎上ですよ。
そういう界隈です。
めっちゃデリケートなんです。
なので、「なろう乙女の基礎構造」のままだと「大人気の乙女ゲーム」にはなり得ません。買う人おらん。
そもそも、満たす快感が違う。
恋愛乙女の快感設計は
・恋愛一体化
・誠実なヒーロー
・プレイヤーの倫理的安全性
なろう乙女の快感設計は
・社会的逆転
・被害者ポジのまま制裁
・他者の転落による快感
恋愛乙女は、恋愛欲求。
なろう乙女は、自業自得見下し欲求。
まるでベクトルがちがいますね。
で。
本題。
「そのベクトルが違うものをどうやったら成立できるか、乙女ゲー知ってる私が全力で考えてみた」なんですが……
むっっずかしい………
無理くない?
だって、恋愛乙女の大前提と、なろう乙女の大前提がもう、喧嘩してる。
恋愛=ヒーローは誠実
なろう=攻略対象のヒーローはクソ
恋愛=ユーザーは善良
なろう=(本来のユーザーの正ヒロイン)は寝取り女
恋愛=彼の特別になって幸せ
なろう=邪魔者蹴散らしてざまぁ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!
いやーーーーーー
無理じゃない?
豚肉をりんごと言い切ってフルーティーなパイにして年商一億稼ぐぐらい無理そうだけど……
よし、よしよし、
全力で考えてみよう。
「悪役令嬢もの」を「乙女ゲーム」として成立させるのなら
まずヒーローは誠実(ここは鉄板)
ヒロイン(ユーザー)も加害性がない。
(これも鉄則)
で、
悪役令嬢さん主体として、すとーりーを進める、・・・・・・・(商品化してもヘイトを集めないように配慮して)
案
①
・悪役令嬢は、攻略対象であるヒーローが好きすぎて、昔から好意を示してきたが、彼にとってはそれが嫌がらせに取られてしまい、めたくそ嫌われてるところからスタート。(まだ)ヒーローと恋人未満のヒロインに相談したりして、彼の心をゲット!
(でもこれ、「悪役令嬢ものの醍醐味・ざまぁ感がまるで無い)
②
・悪役令嬢は敵国のスパイ。だがしかし攻略対象であるヒーローに即疑われ、断頭台にかけられるものの、なんとかしてそれを切り抜け生き延び……
(でもこれ、ただの政治サスペンスでは?)
③
・ヒーローとヒロインはもともと政略結婚で愛はなく、悪役令嬢が本当の思い人…………(お、乙女ゲームが成立しません。ダメです。ヒロイン(ユーザー)ルートが気持ちよく恋愛できなくなる)
えっと
えと、ええと……
まって、ざまぁと、誠実と、善良性と、加害性の無さを交えて、「ざまぁ」しつつ、恋愛して、ハイスペックのおとこ捕まえて……???
────や。無理じゃね???
「ざまぁ」は、他者を貶めて得られる快楽。
「乙女ゲーム」は、他者とつながって得られる幸福。
落とす快感と結ばれる快感は、同じ物語の中心には立てないよ。
ざまぁを成立させるには、ヒーローかヒロインのどちらかを汚す必要がある。
しかし乙女ゲームは、ヒーローもヒロインも汚せない。
じゃあ、他の悪役を作るべきなんだろうけど、そうしたらヒーローもヒロインも要らないし……
乙女ゲームとして成立させようとすれば「ざまぁ」が消え、ざまぁを成立させようとすれば「乙女ゲーム」壊れ……、
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………????????
「大人気乙女ゲームの悪役令嬢」は、構造上、成立しなくない……??
むしろ、おしえてほしい。
「乙女ゲームとしても成立しながら、ざまぁ快楽を満たせる、大人気恋愛ゲームのストーリー」。
だれか。
思いついたら教えてください。




