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昔は仲が良かったヤンデレ美少女幼馴染になぜかいじめられてます  作者: アレクサンダー
フッたはずの幼馴染がなぜか一緒の高校にいて、俺のことをいじめてくる件
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綾香視点

 私には好きな人がいる。その人以外と付き合うことなんて論外だし、結婚するならその人しかいない。そのくらい好きな人がいる。

 

 はっきり言って私はモテる。今まで告白された回数は数百回を超える。中には、プロ入りが内定してるサッカー部の人や、有名メンズアイドル、大企業の社長の息子など様々な人がいた。けど私はそんな人たちに興味はなかった。


 私がひとりぼっちだった時、唯一優しくしてくれた「彼」だけが、私にとっての王子様だ。

 だから、そんな彼と気軽に話せない現状がとても辛い。彼と楽しそうに話している彼女がどれだけ羨ましいことか。

 彼を手に入れるためなら私はなんでもする。過程はどうでもいい。最終的に彼と結ばれればなんでもいい。

 だから、まずは彼の周りから人を排除しなくちゃね。


「佐々木さん、今日のカラオケ池田さんと桜井君も誘ったらどうかしら?」

「わかった〜誘っとくよ〜」


 彼らを誘えばいつか(はじめ)君も来てくれるだろう。その時に彼が暴走してくれれば、私の計画は進む。


「何?高梨。俺のこと見た?」

「なんでもないのよ。平野君」


 あなたにも期待してるわ。平野君


「綾香ちゃん。康太君と愛ちゃんもカラオケ行くって〜。あと、一ノ瀬君も行きたいって」


「そう!別にいいわよ」


 ついに来たわ


『一ノ瀬ってだれだっけ?』

『いつも桜井くんと池田さんと一緒にいる人だよ。おとなしめの人』

『あいつか。俺らあんまり話したことないよな』


 知らないのも当然だわ。彼は私には近づかない。私の周りにいる人たちは彼と接点が無いもの。


「高梨。一ノ瀬が来るの大丈夫なのか?」


 平野君が私にだけ聞こえる声で話しかける


「どういうこと?」

「噂で聞いたけど一ノ瀬が高梨に酷いことして泣かせたって聞いたぞ」

「その噂誰から聞いたの?」

「俺は他校の知り合いから聞いたんだけど出所はよくわからないんだ。本当なのか?その話。というかどういった関係なんだ?」


噂の出所を知らないのは当然である。私が流した噂だからね。


「彼とは中学が同じだったの。噂は………本当よ」

「マジか。あいつが来るの大丈夫なのか?」

「大丈夫。私も悪かったところはあるし、せっかく同じ高校だから彼とまた仲良くしたいの」

「…………高梨は優しいよ。事情があっても泣かせるまで追い込むなんて男のすることじゃない。何かあったら俺がなんとかするから安心して」

「ありがとう平野君」


 これで種はまかれたわね。カラオケの時が楽しみね

 


「綾香〜歌ってよ〜。綾香の美声聴きたい」


 舞が私に抱きつきながら懇願する。


「え〜。私上手くないよ〜」

『俺も高梨さんの歌聞きたいな〜』

『私も綾香ちゃんの聴きたい』


 ここまでお願いされたら歌うしかない。もちろん歌う曲はアダルトチルドレンの線香花火。理由は創君が1番好きな曲だから。中学生の頃、会話したいがために何回も聴き込んだ曲。


『やっぱり高梨さん上手いよ』

『アイドルかと思った』


 当たり前。私に出来ないことは無いの。出来ることなら創君に聞かせてあげたかったけど、彼はまだ来ていない。


「遅れてごめーん」


 扉が開き、桜井君と池田さんが入ってくる。その後ろから創君も入ってきた。

 あれ前髪おかしくないかな?

さっきまで気にならなかったことが急に気になってくる


クラスメイトと打ち解けてる様子の池田さんや桜井君と比べ創君は明らかに浮いている。誰とも話す様子は無い。案の定、彼は私と1番離れた席に座った。

 彼が私を嫌ってると理解はしているが、目の前でそんな行動されると傷付く。


「おい、創。お前も歌えよ」


 桜井君のお陰で創君の歌声が合法的に聞けるわ。

やっぱり彼はアダルトチルドレンの線香花火を歌った。私が先に歌ってたせいか変な空気になっている。

 別にいいわ。私だけが彼の魅力を知っていればいい。


「見栄張っちゃって〜。ツンツン」

「おいやめろよ。脇腹はダメだろ」

「あははは〜」


 創君と泥棒猫のいちゃついた声が聞こえる。

 私には見せない笑顔で彼は笑っている。羨ましい。まだ出会って1ヶ月の彼女にはその笑顔を見せるのに10年以上の付き合いのある私には久しく見せていないその笑顔。

 私たちどこで間違えちゃったんだろうね。

 その間違えを正すために、私は全力を尽くす。まずはこの女を排除しなくちゃ。


「愛ちゃん、一ノ瀬君と楽しそうに何話してるの?」


 この女から私の創君を守らなきゃ。


「あっ、綾香ちゃんじゃん。こいつが私のことでやきもち妬いてるってからかってたんだぁ」


 妬いてる?そんなわけがない調子に乗るな泥棒猫

 

「へぇ〜やきもちね。愛ちゃんと一ノ瀬君って仲良いよね」

「そんなことないよ〜。陰キャな創が可哀想だから絡んでるだけ〜。ねー」


 だめだよ。愛ちゃん、そんな見え見えな嘘。顔赤くなってるし、創君のこと好きなのダダ漏れてるよ。

 

「……………………」

「えっ、黙ってないでツッコミなさいよ。これじゃ私嫌な女みたいになるじゃん笑」


 嫌な女だよ。私の創君を奪わないで


 あとは創君が1番嫌がることをしていけばいい。


「もちろん。じゃあ今度愛ちゃんと私と康太君、一ノ瀬君の4人で遊びましょう」


「やめろよ。気持ち悪いんだよ」


 ほら怒ったぁ♡

 私にむけてくれる感情が怒りでも嬉しい。彼が私のことを考えてる証拠だもの。

 あとは平野君が勝手に進めてくれるはず。


――――――――――――――――――――――


「みんな楽しいクラス会の雰囲気壊してごめん。俺帰るからみんな気にせず楽しんで」


 彼はそう言い残し帰って言った。

 ここまで上手く行くとは思わなかった。彼が孤立するための第一段階だったけど、ここまで効果があるとはね笑


「さっきの話本当だったのね」

「創自身が認めてるからな」


 愛ちゃんと桜井君もショックを受けている。

 もっと孤立させないと。彼の周りから誰もいなくなって。追い込んで追い込んで追い込んで私しか味方がいない状況にする。そうやって私に依存させる。

 まだ計画は始まったばかりだけど絶対彼を手に入れる♡


 

 


 

モチベに繋がるので是非評価お願いします!

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