違和感
浮いている、、、明らかにクラスから浮いている
高校が始まって2ヶ月ほど経ったが俺はクラスから浮いている。友達は好きなバンドきっかけで仲良くなった愛と康太の2人だけだ。クラス内で話せる人もその2人だけだ。
俺だって最初は努力したさ。けど、陰キャがどんなに頑張っても相手にされない。会話が続かないのだ。特に女子に話しかけてもすぐ会話を終わらせようとされる。
そんなにキモイのか?俺(涙)
試しに一番後ろの席で1人でスマホいじってるあの子に話しかけてみようかな。
「どうも……….」
「………………………」
「次の授業ってなんですかね?」
「………………………」
「あの……次の……授業って」
「……チッ…………」
この始末である。業務連絡さえ無視される。
舌打ちって絶対俺のこと嫌いじゃん
「おい創。また無視されてやんの」
「うるせぇ。聞こえなかっただけかもしれないだろ」
「なぁに創。また陰キャ発動したのー?」
「なにやい、なにやい。2人して。いじめるなよ(涙)」
こうやって話しかけてくれるのは愛と康太しかいない。2人のおかげで完全に孤立することなく楽しめてる。
しかし、俺が浮いてる原因は陰キャだからだけではない
「康太君、愛、今日放課後カラオケみんなで行くんだけど来ないー?」
「んー?誰来るの?」
「クラスの7割くらい来るよ。綾香ちゃんグループ主導でクラスの親睦会やろうって」
これである。このクラスは異常にみんなの仲が良い。クラスの親睦会と称して週に数回クラス全体で遊んでいる
「いいよー。康太と創も行くよねー?」
「行けるぜ。創は?」
「俺はいいかな。今日用事あって」
「毎回用事あるじゃねーか笑」
もちろん綾香がいる場所には行きたくない。全て何かと理由を付けて参加したことはない。
しかし、このクラス会でみんなの仲が深まってるようで参加していない俺はどんどんクラスから浮いている。
俺にとって愛と康太もクラスの仲で1番仲が良い友人だ。愛と康太にとってもそうだろう。2人にとっても俺が1番仲が良い友人であると思う。けど、2人は2番目に仲が良い人、3番目に仲が良い人といったように俺以外にも友人はいる。俺には2人しかいない。
やっぱりダメだよな。こんなことしてたらそりゃ友達も出来ないよ。綾香が嫌いだからってクラスで孤立してたらなんか悔しいし。よし、
「あ、ごめん。やっぱり俺もカラオケ行っていい?」
【放課後】
「お前らまで残らなくてもいいのに」
「せっかく創がクラス会行くから一緒に行ってあげるだけよ」
「そうそう。お前1人委員会の仕事で遅れたら合流しずらいだろうし」
「お前ら、、、マジでありがとう」
「なんかキモイんですけどー」
「ちょっとキモイな」
「感謝の言葉なんだが?」
正直助かった。クラス会に参加しようと決心したが、その日委員会があることをすっかり忘れていた。遅れて1人合流するのは陰キャの俺にとってはハードルが高い。
「創って歌上手いの?」
「わからんな。アダルトチルドレンしか歌えないけどね」
「アダチル縛りで歌うのもいいかもね」
「おっ着いたぞ」
「確か201室なはず。グループチャットにそう書いてあった」
えっ、グループチャットなんてあるの。初耳なんだが
マジで俺ハブられてるじゃん。
「愛、グループチャットなんてあるのか?」
「あんた、入ってなかったっけ?」
「入ってないよ」
「後で招待しとくよ」
そんな会話をしながら、201室を見つけカラオケの中に入る。愛に続き、康太最後に俺が部屋に入った。
『おぉー。愛ちゃんと康太。遅かったなぁ』
『愛ちゃんじゃん。ゲッ康太もいるのかよ』
「ゲッとはなんだ。ゲッとは」
愛と康太を、見た時は楽しそうに話しかけていたクラスメイトが俺の姿を見た瞬間気まずそうにする。
『一ノ瀬君も来たんだね。珍しいね』
「ああ、せっかくだから参加したんだ」
異物が入り込んだような扱いだ。そりゃそうだ。クラスでほとんど関わりがないのに急に来たんだ。クラスメイトも扱いに戸惑うだろう。
やっぱり、このクラスに馴染むのは厳しいのかな、、
『愛ちゃんこっち座りなよー』
『康太お前歌えよー』
愛と康太はクラスメイトに呼ばれる。当然俺は呼ばれない。隅っこに1人ポツンと座る。
来なきゃよかったかなぁ。そんなこと思いながら康太が歌ってる姿を眺める。
「おい、創。お前も歌えよ」
「えっ」
康太が俺にマイクを渡す。気遣ってくれたのだろうか。馴染むチャンスをくれたのかもしれない。
よし、1番好きな曲を入れよう。俺の十八番だ。
アダルトチルドレンの線香花火をデンモクに入れる
「どれくらいの値打ちが〜
歌い切った〜。微妙な盛り上がりだったけどシラけさせるほどではなかったな。良かった良かった。
「あんた上手いじゃん」
また隅っこに座る俺に愛が話しかけてきた
「だろ〜。あの歌だけは自信あるんだよ。てかお前俺のところ来ていいの?」
「なになにどうして?」
「あの陽キャグループとずっと話してたじゃん」
「あっ創妬いてるんだ〜笑。私たちが構ってあげなかったからって」
「んなことねぇよ」
「見栄張っちゃって〜。ツンツン」
「おいやめろよ。脇腹はダメだろ」
「あははは〜」
やっぱり、俺にはこの2人いてくれたら十分かもな。頑張って馴染もうとしなくても2人と楽しく出来てたらそれでいいのかもな。そんなことを思ってると、
「愛ちゃん、一ノ瀬君楽しそうに何話してるの?」
動悸が激しくなる。聞き覚えのある声だ。あいつと1番離れた席に座ったはずなのに、、、
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