関わるな
「教えてほしいの、二葉叶のことについて全部」
「………………え?」
「知ってるんでしょ?」
「……………………」
「大丈夫。私には安心して話してほしい」
「え、えっと、そ、それは、でも」
「話せない?」
「ちょ、ちょっと、こ、怖い、かも、しれないです」
「ふーん」
「ご、ごめんなさい」
「私は信用できないの?」
「い、いえ、そういうわけでは…………ないです」
「じゃあ何に怖がってるの?」
「そ、それは」
迷ってる。けど、あとひと押しでこの子は堕ちる。
「ごめんなさい。やっぱり話せません。お金も先輩からは受け取りませんので、、、」
「いや、お金はあなたが話すか話さないか関係なく渡すわよ」
「え、、、」
「当たり前よ」
「ど、どうして先輩はそこまで私に優しいんですか?」
「…………私にとってもあなたは大事な存在だからよ」
「え、、、」
「この夏休みの間ずっと一緒にいたよね」
「は、はい」
「私はどんどん花のこと好きになったけど、花は私のこと好き?」
「も、もちろんです!」
「先輩の美人なのに着飾らないところ、こんなにすごい人なのに私なんかと一緒にいてくれるところ、優しいところ、全部全部全部大好きです。私の憧れの人です。」
「私もあなたの愛と同じくらい花のことが大好き。だから、花が困ってるなら助けてあげたい。別に話してくれなくても助けるのは当たり前」
「………………」
「だから、気にせずお金は受け取って」
「じゃあ、私は帰るね。お金のことについては、また連絡するね」
「ま、待ってください!」
「ん?」
「…………は、はなします」
「え?」
「話します。…………二葉叶のこと話します」
ついに、、、ついに来たわ。
これで、、、
計画通りね。
♢
「まずは、なんで話そうと思ったの?」
「先輩は助けるのは当たり前って言ってくれてるのに、私が何もしないのは違うと思ったからです」
「私も先輩の助けになりたいんです」
「…………ありがとう」
花が一呼吸置く
「あの子のことですよね?」
「そう、知ってること全部教えてほしいの」
「わかりました」
ようやく、ようやく、知ることができる。
「あの子…………二葉叶を一言で表すとしたら、、、」
「…………うん」
「サイコパスです」
「…………サイコパス?」
「そうです。しかもある人の存在によってその残虐性が表に出てしまうのです」
「あ、ある人って?」
「二葉明、叶の兄であり、現生徒会長のことです。」
やっぱりね。なんとなく点と点が線になった。
「花と叶はどういった関係なの?」
「…………仇です」
「仇?何をされたの?」
「私の…………親友が……彼女に壊されました」
「壊されたって、、、どういうことなの?」
「わかりました、ちゃんと説明します」
「私の親友…………仮にA子ちゃんとします。A子ちゃんは優しくて、とても可愛い女の子でした。」
「そんなA子ちゃんは小学4年生になった頃にある人に恋をします。その人はスポーツ万能で勉強もできて、顔もカッコいい、そんな完璧な人でした。」
「そ、それって、、まさか」
「そうです。A子ちゃんは二葉明に恋をしたのです。けど、A子ちゃんは奥手な女の子でした。なかなかアプローチはできませんでした。」
「そんなある時、A子ちゃんの友達のひと押しによってA子ちゃんは二葉明に告白をしました」
「その友達って、、、」
「そう、私です」
「私のひと押しにより告白したA子ちゃんは二葉明ととてもいい雰囲気になりました。」
「告白は成功したの?」
「まずは友達からという回答でしたが、とても前向きな返事だったそうです」
「そうだったの、、、」
「そこから2人はとても仲良くなっていき、付き合うのも時間の問題だと周りから言われていました」
「一見なにも問題ないように見えるけど、、、」
「しかし、しかしですよ。2人が仲良くなっていくことをよく思っていない人がいたんです。」
「…………それが、それが、あの子だったのね」
「そうです。二葉叶は…………」
花は意を決したように私を見る。
「二葉叶は重度のブラコンだったんです。しかもとても拗らせた愛だった」
「………………」
「当然、A子ちゃんと二葉明の関係を認めるはずもなく、2人を引き裂こうとします」
「それでもA子ちゃんは二葉明のことが好きだった。だからちょっとの嫌がらせなんて耐えていたんです」
「けど、ある日事件は起きました」
「な、なにが、あったの?」
「A子ちゃんが飛び降り自殺をしたんです」
「え、、、」
「ギリギリ一命は取り留めましたが、A子ちゃんは身体に重い障害が残ってしまいました」
「A子ちゃんは自殺なんてしようとする子では絶対にありせん。絶対に二葉叶によって引き起こされた事件です」
話を聞いていると気になる点が出てきた。
「その話で気になる点があるんだけどさ」
「はい」
「証拠とかはないの?不自然な自殺未遂だったら何か証拠は無かったの?」
「そこが二葉叶のすごいところです。おそらく証拠が残らないようにしたと思うんです」
「どうして、あなたは証拠も無いのに叶が犯人だと思ってるの?」
「3つ理由があって、1つ目はA子ちゃんが自殺未遂をする前に『私になにかあったら二葉叶が犯人だと思って』と言ってきたことです。」
「そんなこと…………言われていたのね」
「2つ目は事件の前日にA子ちゃんと叶が言い争いをしているのを見てしまったからです」
「どんな言い争いをしてたの?」
「遠くてなにを話しているかは聞き取れませんでしたが、叶が怒っている様子は分かりました」
「そして、3つ目は同じように自殺をした人はA子ちゃんふくめて3人いるということです」
「え?どういうことなの?」
「A子ちゃんの前に1人、A子ちゃん後に1人、私の学校では自殺が起きたんです」
「そ、そんなことが、、、」
「A子ちゃんは助かりましたけど、2人は亡くなりました」
「そして、この3人とも共通点があります」
「え、な、なに?」
「3人とも二葉明と恋仲かそれに近い関係だったことです」




