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昔は仲が良かったヤンデレ美少女幼馴染になぜかいじめられてます  作者: アレクサンダー
フッたはずの幼馴染がなぜか一緒の高校にいて、俺のことをいじめてくる件
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悪魔なライバル

「綾香、最近楽しそうね」

「そ〜かな〜」

「見てるとわかるくらいにはね」


 ヤバッ、顔に出てたかなぁ。浮かれすぎはダメ


「一ノ瀬と普通にクラスでも話せるようになってから綾香とっても元気よね」

「うぅ、、、」


 否定できない。事実だから


「一ノ瀬も普通にクラスに馴染んでるし、全部綾香の願い通りじゃない?」

「……そうだね」


 私が昔から願っていたこと。

 それは創君の幸せ。今の創君は幸せかな?

 幸せだといいな、、、


「あっ、綾香。あれ見て」

「えっ、なに?」


 舞が指差す方を見る。


「ねぇ〜、先輩今度遊びに行きましょうよ〜」

「うーん」


 聞き覚えのある声が聞こえる。

 あの子は、、、叶だ。

 叶が創君の手を引っ張りながら何か話している。


「綾香いいの?あの子ほっといて」

「…………」


 ダメ。舞の話を聞く限り、あの子は怪しい。

 創君が心配だ。私は2人のところに向かう。


「なぁに話してるの?叶ちゃん」

「は?」

「私のこと忘れた?」

「覚えてますよ。兄の彼女さんですよね?」


 また私が嫌がることばかり言ってくる


「い、今は関係ないでしょ!」

「アハハ、怒った、怒った」

「創君!」

「な、なんだよ」

「私、意地悪されてる!」

「お、俺に言われても」

「やーい、味方してもらえなかった、やーい」


 とことん生意気な子ね。私をイラつかせることに特化してるわ。


「まあ、こんな人どうでもよくて、、、」

「どうでもいいとは何よ!」

「まあまあ、綾香も落ち着いて」


 創君が私をなだめる。


「一ノ瀬先輩、私と遊んでくださいよ〜」

「うーん、それはなぁ」


 先ほどと同じように、叶は創君の手を引っ張りながら子供のように駄々をこねてる。


「は、創君。遊ぶってどういうことよ!」

「そ、それがなぁ」

「高梨先輩には関係ないですよ」

「私は創君に聞いてるの。答えて創君」

「い、いや、叶が遊園地に誘ってくれてな」


 そうかそうか。叶ちゃんが創君を遊園地に誘ったのね。

 

 ん?今「叶が遊園地に誘ってくれてな」って言った?

 ん?何で名前で呼んでるの?何で何で?私ですら名前で呼んでくれないのに?何でこの子には名前?


「名前」

「え?」

「な、なんで叶ちゃんのこと名前で呼んでるの?」

「いや、別に普通だろ」

「…………私のことは名前で呼んでくれないのに」

「え?何か言ったか?高梨」

「何でもないわよ」


「あー、そういうことですか」


 叶がニヤニヤしながら私を見ている。


「な、なに?」

「つーまーりー、高梨先輩は嫉妬しちゃってるんですよ」

「は、はぁ?」

「私のことは名前で呼んでるのに自分は名前で呼んでくれないから嫉妬してるんでしょ?」

「そ、そんなことない!」

「それはないだろ」


 私の否定に間髪入れずに創君も否定してきた。


 否定が早すぎるのよ。ちょっとは察してよ

 

「高梨が嫉妬する理由がないだろ」

「いや、あるとは思いますけど。一ノ瀬先輩は本当に鈍感ですね」

「はぁ?」


 創君の鈍感力には救われる。何にも気付いていなさそうだ。


「まぁ、どうでもいいです。そ、れ、で、遊園地は行くんですか?」

「い、いや、テスト前だろ?遊ぶのはなぁ、、、」

「テストなんかちゃんと授業聞いておけば大丈夫ですよね?」

「い、いや、2年のテストは難しいんだぞ。なぁ高梨?」

「残念ながら私も叶ちゃんと同じね。授業聞いておけば簡単よ」

「ちっ、天才どもめ。はいはい分かったよ。俺はお前ら天才とは違って凡人なんだよ。だから、ちゃんとテスト勉強しなきゃダメなの。だから遊べない。これで終わりな」

「ちょっとー、一ノ瀬先輩拗ねないでくださいよー」


 やった。創君がこの子の誘いをちゃんと断ってくれた。


「私の誘い簡単に断るのなんて一ノ瀬先輩くらいですよ」

「それはそれは光栄ですな」

「ほ、褒めてないから」


 叶が押されてる姿は珍しい。ちょっとスカッとした。


 けど、創君もすごいなぁ。普通こんな可愛い子に誘われたら断らないでしょ。


 ま、まぁ、創君のこんなところが好きなんだけどね


「じゃあ、勉強会とかどうですか?」

「勉強会?」

「はい、そうです。遊びじゃなくて勉強会ならいいですよね?」


 残念でした。創君はそんな誘いには乗りません。


「うーん。勉強会ならいいか」

「え、いいんですか?やったー」

「ちゃんと真面目にやるならな」

「もちろんですよー」


 えっ、何で何で?何でOKしちゃうの?


「ちょ、ちょっと」

「ん?どうした高梨」

「な、なんで、勉強会するの?」

「え?あぁ、別に勉強会なら断る理由ないしな」

「そういうことですから、高梨先輩は黙って指咥えててくださーい」

「叶、失礼だぞ」

「ごめんなさーい」


 ヘラヘラしながら、叶は私たちのクラスから出ていった。


「はぁ、全くあの子は掴みどころが無い子だなぁ」

「創君」

「な、なに?」

「説明してもらいましょうか」

「な、なにをだよ。あと、そんなに怖い顔すんなよ」

「…………色々あるけどあの子を名前で呼んでるのは何で?」

「そこ気になるのか?どうでもいい気がするけど」

「…………説明して」

「お、おう。説明するからその目やめてくれ。怖いから」

「………………」

「説明するから睨まないでください」


 そうして、創君は説明を始めた。


「いや、叶って会長の妹だろ?だから、二葉って呼ぶのは会長のこと呼び捨てにしているみたいで嫌なんだよ。だから、叶って呼んでるだけなんだ」

「そういうことね。…………私も名前で呼んでもいいのに」

「え?後半部分が聞き取れなかったけど」

「なーんでもないわ」

「高梨だって、俺のこと名前で呼んでるじゃん。それも最近だよな?」

「ダメなの?」

「ダメじゃ無いけど、、、」

「じゃあ、いいじゃん」


 私が口を尖らせて創君を睨む。

 

「アハハ」

「どうしたの?急に笑って」

「いやさ、最近こうやって高梨と普通に話せるようになったのが嬉しくてさ」


 何その発言。めっちゃ嬉しいんだけど!


「やっぱり、1番長い付き合いだし喋りやすいからさ」

「う、うん」

「こうやって他愛のない話できる存在は居心地良いよ」


 創君の前じゃなかったらガッツポーズしてしまうくらい嬉しい。

 だからこそ、だからこそ、、、


「ねぇ、だったらさ、そんな仲良い私からのお願いなんだけどさ、、、」

「な、なに?」

「その勉強会私も参加させてよ」


 だからこそ、あの子を創君に近づけるわけにはいかない。

 

 

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