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昔は仲が良かったヤンデレ美少女幼馴染になぜかいじめられてます  作者: アレクサンダー
フッたはずの幼馴染がなぜか一緒の高校にいて、俺のことをいじめてくる件
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心の距離

「明日クラス発表だね」

「うん、そうだね」

「え、元気ないじゃーん。どしたの?」

「いや、舞と同じクラスになれるか心配でさ」

「何その心配。可愛すぎるんだが」


 電話越しに聞こえる舞の声はいつもと変わらない。

 舞と同じクラスになれるか心配しているのは本当だけど、他にも理由がある。


「…………」

「なに?また悩んでるの?」

「うーん」

「なに、また一ノ瀬のこと?」

「え、なんで分かったの?」

「やっぱりね。あんたが落ち込んでる時は一ノ瀬のことしかないじゃん」

「そ、そうかな」

「うん、そうだよ。何年友達やってると思ってるの?すぐ分かるよ」

「舞にはバレるか〜」

「でも、いいの?」

「何が?」

「会長と付き合ってるのに一ノ瀬のこと気にしてさ」

「………………」

「どうした?」


 会長と付き合ってるという事実がまた私を落ち込ませる。創君を裏切ってる気持ちになるから、、、


「なに、会長と上手くいってないの?」

「……上手く行ったことなんてないよ」

「ふーん。綾香がなんで会長と付き合ってるかはわからないけど、嫌なら別れてもいいんじゃないの?」

「え?」

「だって、あんたまだ一ノ瀬のこと好きでしょ?」

「………………」

「否定しない時点で分かっちゃうよ」

「……そうだよね」

「なに、一ノ瀬と何かあった?」

「いや何もない」

「何も無いならいいじゃない」

「いや、何も無いから嫌なの。最近あまり喋れてないし」

 

 私が会長と付き合ってから創君と話す頻度が減った。

 私から創君に関わるのは会長から制限されている。

 だから、創君から話しかけてくれれば話せるのに、全然話しかけてくれない。


「そりゃ、人の彼女に積極的に関わらないでしょ。一ノ瀬って大人しい方だし、そんなことしないと思うよ」

「ヤダヤダヤダ。普通好きなら話しかけるでしょ」

「え?好きならって何?」

「いや、だから私のこと好きなら彼氏いても話しかけることくらいできるでしょ?って話」

「誰が誰を好きなの?」

「え、創君が私をだけど」

「は?待って待って待って」

「うん」

「え、一ノ瀬が綾香のこと好きってこと?」

「うん、そうだよ」

「本当にどういうこと?」


 あの日の帰り道のことを舞に話した。

 2人で帰りながらお互いの「好き」を確認しあったこと。一緒に手をつなぎながら「運命」を伝えたこと。


「いや、綾香の勘違いでしょ。手つないだことは怪しいけどさ」

「何が勘違いなの?明らかに両想いでしょ」

「本当に好きって言ってた?」

「うん言ってたよ。聞き間違いなんかじゃないもん」

「うーん。けど会話の流れ的にLOVEじゃなくてLIKEの方の好きだと思うけどなぁ」

「どういうこと?」

「親愛の方じゃない?恋人の好きとは違うような」

「そんなことない、そんなことない、そんなことない」

「いや、怖いって。だって一ノ瀬の態度見てると綾香のこと好きとは思えないんだよなぁ」

「ひどいよ」

「いや、客観的視点をね。伝えてるだけだから」

「そんなことないもん」

「けどさ、仮に両想いだったとしても綾香が会長と付き合ってるなら一ノ瀬も綾香のこと諦める可能性あるんじゃない?」

「………………」


 確かに。今でも私のことを好きでいるかは分からない。

 私が悩んでいるのはそのことだ。


 私が会長と付き合う期間が長いほど創君の気持ちが私から離れてしまうのではないか?


「創君カッコいいから他の子が好きになっちゃったらどうしよう、、、」

「いや、まあ、それは気にしなくても良いと思う」

「そうかな?」

「まあ、綾香がどうしたいかが1番大切よ。会長の件も一ノ瀬の件もね」

「うん、そうだね」

「とにかく明日のクラス発表楽しみだね」

「うん!」


 どうか、舞と創君と同じクラスになれますように!



「綾香おはよう」

「………………」

「新学期から無視とは傷付くねぇ」


 今日もこの人と登校しないといけない。

 毎日憂鬱な時間だ。


「舞ちゃんと同じクラスになれるといいねぇ」


 聞こえない聞こえない


「それとも、一ノ瀬君と同じクラスになれた方が良いかな?」


 聞こえません


「彼と同じクラスになっても仲良くしちゃダメだよ」


 うるさい。無視しよう


「まぁ、同じクラスになっても根暗な彼が君に話しかけるとは思えないけど笑」


 …………無視無視


「あんな暗くてグズ男のどこがいいのか僕にはさっぱり分からないよ」


 ……無視…………無視


 …………できない


「バカにしないで!!」


「あなたと違って、創君は優しいのよ」

「そうかな?」

「…………私先に行きます」

「帰りはちゃんと待ってなよ」


 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。

 なんで、あんな男にバカにされなきゃいけないの?


 でも、いいわ。

 私だけが創君の良さが分かっていればいい。



「あやかー」

「うわっ、急に抱きついてこないでよ舞」

「だってだってだって、同じクラスじゃん」

「うん!」

「仲良くなってからずっと同じクラスだねー」

「舞とはずっと離れない気がするもん」

「あと、あんたの愛しの一ノ瀬も同じクラスじゃん」

「舞、声でかいって」

「嬉しいくせにー。このこのー」


 何年ぶりだろう?創君と一緒のクラスになれたのは。

 考えただけで楽しみだ。隣の席になったらどうしようかな?授業に集中できないかも。


 あっ、創君いた。

 誰も周りにいないよね?話しかけてもバレないよね?


「わっ」

「うわっ」


 後ろから創君の肩を掴んで驚かせようとした。

 私も一緒のクラスになれたことでテンションが上がっていたのだろう。

 けど、振り返った創君の顔は私の想像していたものとは違っていた。


「……なんだ高梨か」

「え、、、う、うん」

「何か用か?」

「あ、え、えと、同じクラスだね」

「あ、ああ、そうだな」


 会話がぎこちない。

 それに、私のこと名前じゃなくて名字で呼んでる。

 なんでなんでなんで?


「こ、これから1年……よ、よろしくね」

「おう」


 別に避けられているわけでも無い。私を嫌っている様子もない。

 けど、以前より私達の心の距離は離れている。そう感じてしまった。


 私は逃げるように創君の前から去った。


 

 

 


 

 



 

 

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