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昔は仲が良かったヤンデレ美少女幼馴染になぜかいじめられてます  作者: アレクサンダー
フッたはずの幼馴染がなぜか一緒の高校にいて、俺のことをいじめてくる件
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変わらない気持ち

「会長が卒業するまで付き合いましょう」


「けど、条件があります」

「ほう、なにかな?」

「私の許可無く私に触れることは禁止です」

「理由を聞いてもいいかな?」

「創君のための偽装彼女ですので、あなたが触れていいわけがありません。」

「ふーん」


 会長は不敵な笑みを浮かべている

 正直この条件が通る可能性は低い。私を手に入れたい会長がそんな条件に頷くとは思えない。

 けど、創君以外が私に触れるのは生理的に無理だ。

この条件が呑めないなら、偽装彼女なんて出来ない。


「いいよその条件で」

「えっ、いいんですか?」

「別に僕の目的とは関係ないからね」


 どういうこと?私を手に入れたいじゃないの?


「その代わり、登下校は僕と一緒だ。これだけは譲れない」


 創君と帰れなくなるのは嫌だけどこれくらいは許容範囲だ。


「わかりました」

「じゃあ明日から君と僕は彼氏彼女だ」

「………………」


 偽装とはいえ、創君と付き合う前に他の人と付き合っちゃった。

 けど、1年間の辛抱だ。これが終われば私たちは一緒になれる。誰にも邪魔させない。

 


 【翌朝】


「おはよう、綾香」

「……おはようございます会長」


 朝玄関から出ると、私の家の前に会長が待っていた。

 憂鬱な気持ちになる。好きじゃない人と付き合うのってこんなに気持ち悪いんだ。あんなに創君と付き合いたかったのに、それが他の人に代わるだけでこんなに気分が下がるとは思わなかった。


「つれないなぁ。付き合ってるんだから名前で呼んでくれてもいいのに」

「嫌です」

「僕は、綾香と呼ぶけどいいかい?」

「…………どうでもいいです」

「朝だからテンション低いのかな?」

「……違います」


 覚悟を決めた。


 学校に着くとすごい騒ぎになっていた。

 人から視線を向けられることには慣れていたけど、こんなにも注目されたことはなかった。

 もちろん私と会長が付き合っている話題によって引き起こされた騒ぎだ。


「すごい騒ぎになってるね」

「会長、余計なことしましたか?」

「僕は特にしていないよ。僕たち2人が付き合うだけでこんなにも注目されるんだね」


 会長が嬉しそうにしている。

 会長のテンションとは反比例に私の気持ちは下がっていた。

 

 創君も流石にこんな騒ぎになってるなら知ってるよね。

 創君はどんなこと思うのかな?どんな顔するのかな?


「じゃあ、私はクラスに向かいます」

「わかった。じゃあ放課後待ってるね」


 そんな会長とのやり取りを見て、周りはまた騒ぎ出す。


 なんで、みんながここまで騒ぐのかよくわからない

 他人の恋愛なんてどうでもいいと思う。


 クラスの扉を開け、私が教室に入るとクラス中の視線が一気に私に向いた。

 席に着くと、私を取り囲む様にクラス中の女子が集まってきた。


「綾香ちゃん、会長と付き合ってるってほんと?」

「私、お似合いだと思ってたんだよね」

「学校一の美男美女カップル誕生ね」


 私の返答を待たずにみんなが盛り上がっている。

 はぁ、こんなことになるとは思ってなかったな


「どっちから告白したの?」

「そ、それは、えーと」

「会長のどんなところが好き?」

「えっと、えー」


 別に好きでもないから、返答に困る。


「はいはい、みんな席戻って、綾香困ってるから」


 手を叩きながら舞がみんなに向かって注意をする。


「ま、舞」

「ほら、みんな授業はじまるよ」


 舞の言葉にみんな席に戻っていく。


「舞ありがとう。本当に助かったよ」

「後で、どういうことか聞かせてよね」


 ちょっと怒った様な口調で舞が私に話す。


「う、うん」



 その日はとにかく、クラスメイトから質問責めを受けたり、廊下を歩くと私に対する好奇な視線を向けられた。


 みんなからの追及をかわして、ようやくお昼休みになった。誰もいない屋上に舞と向かった。


「ようやく、静かになったわね」

「そ、そうだね」

「じゃあ、聞かせてくれる」

「え、なに?」

「何じゃないでしょ。なんで会長と付き合ってる噂が流れてるのよ。今回ガチっぽいし」

「………………」

「まさか、本当に付き合ってるわけじゃないでしょ?」


 迷っていた。創君と同じくらい舞のことは信頼している。だから話してもいいんじゃないかと迷っている。

 けど、誰かに話したのがバレたら創君を傷つけてしまうことになる。それは避けたい。


 だから、いくら親友でも話せない。


「…………付き合ってるよ」

「えぇ、なんで?綾香は一ノ瀬が好きじゃないの?」

「そ、それは」

「好きじゃなくなっちゃったの?」

「違う!」


 思わず叫んでしまった。創君を好きな気持ちまでは否定したくない。


「じゃあなんで、、、」

「話せない」

「え?」

「ごめん、理由は話せないの」

「私にも話せないの?」

「う、うん」

「…………わかった。私にも話せないってことはちゃんと理由がありそうね」

「ありがとう」

「けど、いつか話してよ」

「それは約束する」

「まぁおめでとうでいいのかな?正直私も会長と綾香はお似合いだと思っていたから」

「え、そうなの?」

「うん。けど、綾香が一ノ瀬好きなの知ってたから言えなかったけどね」

「そ、そうなんだ」


 舞でさえ会長が私とお似合いって思ってたんだ、、、


「まぁ、会長なら誰も文句言えないでしょうね」

「え?」

「だって、あんなにハイスペックイケメンなんて中々いないわよ」

「そ、そうなのかな」

「これが、一ノ瀬だったらめちゃくちゃ批判出るわよ」


 私はそう思わないけど、やっぱり他の人から見たら私と創君では違和感があるのかな?



 とにかく騒がしい1日だったけど、なんとか放課後になった。

 憂鬱だ。会長と帰らないといけないことが本当に嫌だ。


「きゃー」


 廊下から歓声が聞こえた。

 歓声が私のクラスに近づいてくる。


「高梨いるかな?」


 歓声の原因は会長だった。どうやら、会長が私を訪ねてきたみたいだ。

 クラス中の視線が私と会長にだけ向けられ、クラスのみんながニヤニヤしている。舞でさえニヤついている。


「やっぱり付き合ってるのは本当みたいだな」

「あー、俺の高梨さんがぁ」


「会長、高梨と付き合ってるって本当ですか?」


 クラスの男子が興奮して会長に質問をする。


「あぁ本当だよ。な、綾香?」


 会長が爽やかに答え、私に問いかける。

 わかりましたわかりました。会長はこうやって外堀を埋めていくつもりなんですね。

 絶対に私は耐えてやる。1年耐えて絶対に創君と結ばれる?


「はい、そうですね」

 

 嫌悪感を押し殺して、私は答える。

 

 私の返答にクラス中が歓声をあげる。いや、クラス中だけではない。いつのまにか集まっていた他のクラスの野次馬も同じ様に歓声をあげた。


「じゃあ帰ろうか綾香」

「…………はい」


 みんなの視線が集まる中、私と会長は並んで廊下を歩く。


「会長、こんなことは次から辞めてください」

「え、なんで?付き合ってるなら普通だろ?」

「………………不愉快です」

「ふーん。毎日来ようかな?意地悪したくなっちゃう」

「…………辞めてください」


 会長と会話しながら、私は別のことを考えていた。


 今日創君と会ってないなぁ。

 正直会いたくない。私のこんな姿を見せるのは嫌だ。

 出来ることなら1年後にタイムスリップしたいくらいだ。


「あっ一ノ瀬君じゃん」


 会長が指差した先には創君がいた。

 私たちのことをじっと見ている様子だ。


 どうしようどうしよう。創君に見られちゃった。


「一ノ瀬君にも報告しないとね」

「辞めてください!」

「今日1番声出たね。もうバレてると思うけど笑」


 それでも嫌だ。私から告げることで大切な何かが切れる様な気がする。


「おーい一ノ瀬君」

「辞めてください」


 私が静止しても意味は無かった。

 呼びかけられた創君は私達の元に駆け寄った


「こんにちは会長」

「おー、一ノ瀬君。こんにちは」


 会長と創君が楽しそうに話している。

 早くこの場から去りたい。


「綾香も最近会ったのに、なんか久しぶりに感じるなぁ」

「…………う、うん」

「どうした?元気無いのか?」

「そ、そんなことないよ」


 創君が心配そうに私を見る。

 あぁ嬉しい。私のこと心配してくれてるんだ

 下がった気持ちも回復してくる。


「あ、あの2人って付き合ってるんですか?」


 回復した気持ちが創君の問いによって壊される。


「えー、一ノ瀬君はそうだったらどう思う?」


 なんて言うんだろう?

 お願い「嫌だ」って言って。「嫌だ」って言ってよ


「もちろん、お似合いだと思います。前から付き合ってると思ってたんですけど、最近付き合ったんですね」

「そうなんだよ。昨日から付き合ってね」


 会長の返答なんて頭に入らない。


 なんで?なんで?私のこと好きって言ってたよね?

 なんで、お似合いとか言うの?なんで?

 


 

 


 

 

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