わたしのこと嫌い?
「すいませーん。はじめ君いますかー」
はじめ君に会いたい気持ちがあふれちゃって、学校に行く前にはじめ君のお家に来ちゃった。
いっしょに学校行くのもひさしぶりだし!
「あらあら綾香ちゃん。昨日は創がごめんねぇ。あの子急に体調崩したなんて言うものだから、、、」
「はじめ君は元気ですか?心ぱいになったので、来ました。あと、いっしょに学校行こうと思って、、、」
「さっき創、学校行っちゃったわよ」
「ええっ」
「せっかく来てくれたのに本当にごめんねぇ。帰ってきたらあの子叱っとくわ」
いつもはじめ君はギリギリに学校に行くタイプなのに、今日は早く行っちゃうなんて、、、
わたしが家に来るからとかじゃないよね?
あとで、はじめ君のクラス行ってみよう
「はじめ君いますかー?」
今日も休み時間にはじめ君のクラスに行く
「たかなしさん、今日もいちのせに会いに来たの?」
「うん、、、」
いつも、わたしとはじめ君のことについて、いろいろ言ってくる人だ。私はちょっと苦手。
「おい、いちのせ呼んでるぜ」
「あぁ」
はじめ君は今日もまた元気がないように見える。
「はじめ君、元気?きのうのことはさ、気にしなくてもいいから!わたしは何にも気にしてないよ!」
ムリに笑顔を作ってはじめ君と話す。
「うん、、、」
私と目も合わせようとしないはじめ君。
やっぱり、わたし何かしちゃったかな?
「おい、いちのせ、たかなしさんに言いたいことあるんだろ?」
さっきの男子がニヤニヤしながら、はじめ君の肩を叩く
本当にイヤな人だな。はじめ君の顔も重たいし、、
「どうしたの?はじめ君」
「…………あのさ、おれに話しかけるのやめてほしいんだ。」
「え?」
「めいわくなんだよね。いつもいつも、クラスに来るし、休みの日もムリやり遊ぼうとしてくるし、、、」
「どうしちゃったの?はじめ君」
なんで、なんで、そんなこと言うの?
「どうもしてない。昔からお前のことキライだったんだよ。引っ付いてくるのもキモいし、これから一生話しかけてこないで」
そこからは何もおぼえていない。気付いたら学校が終わって、家のベッドの上で泣いていた。
今までで、1番悲しかった。一生分泣いたと思う。
次の日から、ご飯も食べられなくなった。はじめ君のことばを思いだして、息が苦しくなることもあった。
学校も行けなくなった。はじめ君と話せないなら行く理由がない。それに、はじめ君に会うのもこわい。
学校に行かなくなって一週間になる。
お母さんが毎日いっしょにいてくれるから、ご飯は食べられるようになったけど、学校に行くのはやっぱりこわい
「綾香、お母さんは元気になるまで学校は行かなくてもいいと思ってるのよ。あなたが行きたくないなら無理に行かせはしないから」
「お母さん、、、」
「だから、安心してね。私だけは綾香の味方だから。私にならなんでも話していいからね」
抱きしめてくれるお母さんの手があったかい。
やっぱりそうだよね。前を向かなきゃ!
「あのね、お母さん」
「うん」
「はじめ君とケンカしちゃったの。わたしははじめ君のこと好きなんだけど、はじめ君はわたしのことキライって」
お母さんに話してる間も、何回も思い出して泣いちゃう。はじめ君の言葉がわたしの頭にひびいている。
「あらそうなの。フフッ」
「お母さん、何で笑ってるの?」
「大丈夫よ。時間が解決してくれるわ。創君はあなたのこと大好きだもの」
「えっ、そうなの?」
「そうよ〜。創君のお母さんも言ってたわぁ。いつも綾香ちゃんの話ばかりしてますって」
嬉しい。今もわたしの話をしているかはわからないけど、とにかく嬉しいな。
「けどね、どんなに仲が良くても喧嘩はするものだし、付き合ったり結婚したりしても、いっぱい喧嘩は起きるのよ」
「そうなんだ」
「だから、きっとこれも綾香と創君が結婚するまでの道のりだよ」
「わたしと、はじめ君が、結婚、、、結婚、、結婚」
「顔赤くしちゃって〜」
「お母さん、からかわないでよ〜」
そうだ、きっとそうだ、昔結婚の約束もしたことある。
わたしたちは結ばれる運命なんだよ
「大丈夫。今喧嘩してても、絶対仲直りできるし、また創君と話せるようになるよ」
「そうだといいなぁ」
お母さんに話したおかげで、元気になれた!
まだ、学校に行けるかはわからないけど、はじめ君とまた話せるようにするためにがんばる!
わたしが学校を休んでから1ヶ月がたった。
わたしの体はお母さんのおかげでどんどん元気になっている。
けど、もう一つ元気になっている理由がある。
それは、
ピンポーン
「綾香〜、舞ちゃん来たわよー」
「わかったー」
同じクラスの山下舞ちゃんがわたしのおみまいに来てくれるからだ。
はじめ君以外に学校で仲いい人はいなかったけど、舞ちゃんは前からわたしに話しかけてくれていた。わたしが休んでいる間も毎日のようにお家に来てくれた。
舞ちゃんはその日学校で何があったかを、わたしに教えてくれた。舞ちゃんが来ることでわたしはどんどん元気になっていた。こうして、わたしにとって舞ちゃんは一番仲いい女の子になっていた。
「あやかちゃん、学校来てみない?」
毎日のように、わたしに言ってくれる。
舞ちゃんといっしょなら楽しそうだなぁ
「うん、行ってみる」
「ほんと!!」
「うん、舞ちゃんと学校で話したいし、、、」
「ゔれじぃよぉ〜」
舞ちゃんは泣きながらわたしに抱きついてくる。
そんな舞ちゃんを見てるとわたしも泣けてきた
「舞ちゃん、これからも仲良くしてね」
「もちろん!」
次の日から、わたしは学校へ行くようになった。
舞ちゃんのおかげで、クラスのみんなとも話せるようになった。わたしが思ってるより、みんなやさしかった。
人と話すことは苦手だったけど、意外と話すことは楽しいことに気づいた。
わたし自身もどんどん、明るくなっていった。はじめ君と2人でいた時も楽しかったけど、今も同じくらい楽しい。みんなのおかげで、わたしは変わることができた。
相変わらず、はじめ君とは話すことはなかった。
何回か話しかけようとしたけど、わたしを見るとはじめ君はどこかに行っちゃう。
けど、また話せる日が来るまでわたしはあきらめないからね!
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