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昔は仲が良かったヤンデレ美少女幼馴染になぜかいじめられてます  作者: アレクサンダー
フッたはずの幼馴染がなぜか一緒の高校にいて、俺のことをいじめてくる件
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私だけは味方

「一ノ瀬君これはどういうことかな?」


 級長が俺に問いかける。それと同時にクラスメイトの厳しい視線が俺に突き刺さる。


 状況を整理したい。クラスで女子の私物が盗まれることが度々あり、今日は愛の体操服が盗まれた。そしてその体操服は俺のロッカーから出てきた。

 つまり、体操服を盗んだ犯人が俺であると疑われている状況である。


『私のポーチも盗まれたけどもしかしたら、、、、』


 クラスの女子のざわついた声が聞こえる。

 一連の私物が盗まれた事も俺が疑われているのか?


 もちろん俺はやっていない。誰かが俺のロッカーに愛の体操服を入れたんだ。けど、そんなこと証明すらできない


「一ノ瀬君。問いに答えなさい」

「俺はやってない。さっき見た時は無かったんだ。」


 こう答えるしかない。


「それを証明できる人はいるの?」

「…………いない」


 苦しい。苦し過ぎる。


「愛ちゃんはどうかしら?」


 綾香が愛に問いかける。

 そうだ。愛だ、愛がいる。俺が盗むような奴じゃないことは1番愛が分かっていると思う。


「私、、、、


 愛が俺の方をチラッと見る


 私、そういえば創に体操服預けてたの忘れてた。」


 教室中がザワザワしている。


『さすがに嘘じゃね』

『今話作ったの丸わかりなんですけど笑』

『あの2人仲良いからそういうことなんだろ』


 愛が俺のことを庇ってくれた。苦しい言い訳ではあるが、俺に体操服を預けたことにしてくれた。

 泣きそうになるほど嬉しい。

 愛自身もいろいろ言われる覚悟で俺のことを庇ってくれた。


「そう?愛ちゃんが預けたと言うなら体操服の件は終わりね」


 こんな違和感満載の言い訳なのに綾香は全く指摘しようともしない。俺にとっては好都合だが、何かおかしい。


 ガラガラガラ


 クラスメイトの1人が息切れしながら、教室の扉を開けて入ってくる。


「はぁはぁはぁ」


 とても疲れた様子だ。


「…………音楽室からみんなの私物が出てきた」


 クラスメイトのその発言により、教室はまたもざわつく


『なに?どういうこと?』

『最近盗まれた女子の私物が音楽室にあったってこと?』


「ありがとう。見つかったのね。」


 綾香がそう呟く。


「一ノ瀬君って確か音楽室の掃除当番だったわよね?」


 級長が冷たい顔で俺に問いかける。


『やっぱり一ノ瀬か。本当に気持ち悪いな』

『私の、、、私のリップとかもあいつが盗んだってこと?』

『普通に犯罪じゃね』

『吐きそう。キモすぎる』


 誰も味方はいない。男女共に俺を罵る言葉しか発せられていない。ゴミを見るような目で見られている。


「俺じゃない、俺じゃないんだ。誰かが、誰かがやったんだ!」


 必死に訴えても、誰も聞いてくれない。


「こんだけ証拠が出てるのにまだ認めないの?体操服もあなたのロッカーから出てきて、盗まれた物もあなたが担当している掃除場所から見つかったのよ」


 呆れたように級長が俺に言う。


「誰も信じねーよお前のこと」


 平野が俺に吐き捨てる。


「そうね。現状、一ノ瀬君しか考えられないわね。」


 いや、待て。掃除当番は俺だけじゃない。クラスメイトの竹内さんと一緒に担当している。竹内さんに聞けば俺が掃除時間そんなことしていないと証明できるはず。

 音楽室は常に授業中以外は鍵がかけられている。なので、掃除時間での俺の潔白な行動が証明されれば疑いは晴れるはずだ。


「待ってくれ」


 クラス中が俺の方を見る。

 竹内さんは大人しい子だ。だけど、俺は掃除時間によく話したりはしていた。共通の趣味が読書なので掃除時間だけではあるが話すことはあったのだ。竹内さんなら俺の疑いを晴らしてくれる。


「同じ掃除の担当の竹内さんに聞けばわかる。俺がそんな不審な行動はしていないのは知ってるはずだ。」


 竹内さんはわかっているはずだ。


「どうなの?竹内さん」


 綾香が竹内さんに問いかける。


「私、、、よくわかりません。ずっと一ノ瀬君を見ているわけでもないですし、、、」


 泣き出したい気持ちでいっぱいになった。

 誰も俺の味方はいないのか、、、


 そこからはとにかくクラスメイトに罵られ、謝罪を強要された。考えることを放棄した俺はクラスメイトの言いなりとなり、謝り、暴言も全て浴びた。


 どうせ、この事を学校に報告されて停学になるだろ。もしかしたら退学かもな。

ハハハッ。これで大学進学の夢も絶たれたかな。

 もう何でもいいや。どうでもいい

 そんな時だった。


「みんな聞いて」


「一ノ瀬君の処遇に関してだけど、私は許してあげたいと思うのだけどみんなはどう?」


 綾香の発言に誰も何も言わない。


「同じクラスの()()だもの。私はまた一緒に学校生活楽しく送りたいと思っているわ。だから、この件もここで納めましょう」


『綾香ちゃんがそう言うなら仕方ないな』

『綾香ちゃんのおかげでクラスまとまっているし、それでいいと思う』


 誰も反対意見は出さない。普通ならありえない話だ


「じゃあそういう事で。会はお開きにしましょう」


 綾香はここまでクラスを支配していたのか。

あいつのおかげで、俺は退学の危機から脱した。


「貸し1ね」


 綾香が俺とすれ違い様に呟く。

 確信した。全てこいつが仕組んでいる。どのように仕組んだかは知らないが、こいつが関わっている事は確信できた。

 俺への復讐か?何が目的なんだ?



 しかし、いくら綾香によって話が収められても、クラスメイトの俺に対する目は明らかに変化した。

 女子の私物を盗むヤバい奴、気持ち悪い奴、そんな目で見られている。

そんな視線に耐えられず、逃げるように俺は帰宅した


 帰って自分の部屋に戻り、ベッドで横になる。


「今日はいろんなことあったなぁ。」


 そう呟くと、今日1日のことを思い出し涙が溢れる。


 俺が何をしたっていうんだ。

 ただ高校生活を楽しみたかっただけなのに

涙が止まらない。死にたくなるようなそんな気持ちだ


 ピンポーン


 チャイムが鳴った。母さんたちはチャイムなんて鳴らさないだろうし、誰だろう。

 急いで涙を拭いて、玄関に向かう


「よっ」


 そこにいたのは愛だった。何で愛がここにいる?


「何で…………なんで……いるんだ?」

「心配だから見にきた。住所は前教えてもらってたし」


 愛が住んでる都心からは遠いはずだ。わざわざここまで来てくれたのか、、、

 そんなことを思うとまた涙が溢れた


「めちゃくちゃ泣いてるじゃん笑」


 いつもと変わらないように接してくれる愛の優しさが沁みる。


「私は信じてるから。創がそんなことしていないって」

「えっ?」

「私だけは味方だから、一生味方だから」


 愛の目にも涙が溢れている。そんな愛を強く抱きしめる


「ありがとう…………ありがとう……ありがとう」


 そう呟きながら、俺と愛は抱き合った。


 しばらく経ち、涙もおさまった。


「本当に来てくれてありがとう。愛のおかげでまた学校頑張れそうだ」

「よかった。ちゃんと学校来なさいよ」


 そう言い、愛は帰っていった。送っていくと提案したが、愛は頑なに断り帰った。

 愛のために頑張ろう。愛だけは俺の味方だ。

 愛が嫌じゃなければ、こんな俺でもいいなら告白の返事もしなきゃな。こんな俺を今でも好きなら愛と付き合いたい。強くそう思った。



 


 しかし、その翌日から愛は学校へ来なくなった











―――――――――――――――――――――――


 平野・・・クラス1のイケメン


 竹内・・・おとなしい子。創と音楽室の掃除当番が同じ

 

 

 


 


 


 

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盗んだ物を名前入りの袋に入れたりしないだろ。
いつざまぁですか?
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