告白の答え
集合時間の30分前に、集合場所である駅に着いた。
『めちゃくちゃ可愛い子いない?』
『あの髪型ボブで黒いスカート履いてる子めちゃくちゃ可愛い』
周りのざわついた声が聞こえる。
そんなに可愛い子いるの?一目見てみたいな。
どれどれ、あの駅前の木の下にいる子かな?遠目で見ても可愛らしい雰囲気なのが伝わる。なんか男に絡まれている様子だ。ってかあれ愛じゃね。近づくほどに見慣れた愛だと分かった。
愛も俺に気付いた様子で手を振っている
「私、連れがいるんで無理です」
「ちっ、男連れかよ。嘘じゃなかったんだな」
男をイラついた様子で去っていった。
「創〜おそいよ〜」
「これでも30分前きたんだけどな、、、」
「あの男しつこかったんだから〜」
「ナンパされてたのか?」
「たまにされるんだけど、さっきの人は特にしつこかったわ」
たまにされるのか、、、
自分とは無縁な世界の話に聞こえる。
「愛はいつ来たんだ?」
「今から30分に来たわ」
「集合時間から1時間前からいたのか?待たせてすまない」
「いいのよ。私が勝手に早く来ただけだから」
「うん、じゃあ行くか」
「待ってよ。何か言うことないの?」
「えっ?」
「な、に、か、あるでしょ?」
愛の目が怖い。なんだろう。怒らせることしたっけ?
「わからん」
「ふ、く、そ、う」
「服?」
「そう。今日のために買ったのよ」
そう言われると、可愛らしい服装をしてることに気が付いた。黒色のスカートにトップスは白色。フリルも付いていて可愛らしい服装だ。
「………可愛いな」
思わず呟いた。すると愛は顔を真っ赤にしている。褒められるのに慣れてないのかな?
「…………髪も」
「えっ」
「髪も今日のためにアレンジしてきたの」
確かに。髪の毛も、ゆるふわボブ?って言うのかな。いつもよりパーマがかかっててめちゃくちゃ似合っている。
「うん。可愛いね」
「⁄(⁄ ⁄•⁄ω⁄•⁄ ⁄)⁄テレテレ」
うつむきながら顔真っ赤にさせている愛がとても可愛い
「早く行きましょっ」
照れ隠しなのかわからないが、俺の手を取り駅のホームに向かう。
「着いた〜」
「着いたな」
住んでいる地域では1番大きい遊園地に着いた。遊園地自体も久しぶりでとても楽しみだ。
「何から乗る〜」
「やっぱりジェットコースターでしょ」
「えぇー。ちょっと怖いなー」
「はぁー怖かったー」
「結局創が怖がってるじゃん笑」
「後ろに向かって進むなんて聞いてないぞ!」
「あんたが怖がりすぎて、冷静になったわよ」
その後もいろんなアトラクションを乗って愛と楽しんだ。待ち時間でさえも愛と話すとあっという間だった。
「そろそろご飯食べない?」
「夕方だけど、昼食べてないからな」
「ハンバーガー屋さんあるからそこ行こうよ」
ハンバーガー屋のカウンター席に2人並んで座る。
「何食べようかな?」
「私チーズバーガー」
「おれは普通のハンバーガーで」
「おっ届いたぞ」
「美味しそうね」
「これ美味いな。ポテトも美味しい」
「創こっち向いて〜」
「んっなに?」
パシャ
愛がスマホの内カメで俺とのツーショットを撮っていた
「急に撮るなよ」
「これも思い出だからさー」
「まぁいいけど」
ハンバーガーを食べ終わったが、少し休憩を取ることにした。
「ねー。創ってさSNSやってないの?」
「んー。インスタやってるけど、動かしてないなぁ」
「投稿もしていない?」
「うん。最近は開いてもない」
「だったらさ、だったらさっき私と撮った写真送るから創のアカウントから投稿してよ」
「えっ。なんでだよ」
「いいじゃん。いいじゃん。こんな可愛い女の子とデートしてますーってアピールできるよ」
「いや、フォロワーも少ないからアピールする相手がいないよ」
「そっかぁ」
少し愛が落ち込んでいるように見える。そうだ!
「だったら、このアカウントは愛専用にするよ」
「どういうこと?」
「こうやって愛と遊びに行った写真あげるためだけのアカウントにするよ。それならどう?」
「………………創って恥ずかしいこと平気で言うよね」
えっ、そんなに恥ずかしいことなの?愛がアップして欲しそうだったから、名案だと思ったんだけど
「それってさぁー、めちゃくちゃカップルみたいじゃん」
そう言われると途端に恥ずかしくなる。
「いや、別に、そういうわけではなくてだな」
「焦りすぎだって笑」
よく考えたらキモい発言だったな。なんだ愛専用のアカウントって。
「けど嬉しいっ。発言したことは守りなさいよ。ほら今写真送ったから投稿して」
「わ、わ、わかった。」
愛に言われた通り、インスタに愛とのツーショットを投稿する。投稿した直後すぐ愛からいいねが来た。
「私以外の女の子との写真はダメだからね」
「うん、わかった」
「じゃあ、そろそろ行くか〜。後少し遊んで最後は観覧車ね」
様々なアトラクションで遊び、気が付けば日も暮れていた。
「最後は観覧車だっけ?」
「うん。景色も綺麗だろうし、乗りましょ」
観覧車に乗り込み、向かい合って座る。ちょっと恥ずかしい。愛も恥ずかしそうにしている。
「ねぇ創」
「なに?」
「私、伝えたいことあるの」
「うん」
ちょうど観覧車が頂点を過ぎた。
「私、創のことが好き。一目惚れだったの。私の運命の人だって確信した」
「うん」
「だから、私と付き合って欲しいです。」
嬉しい感情が溢れ出した。すぐ返事しなきゃ。もちろん俺も好きだよって言わなきゃ。
「俺も、愛のことす………
なんで
なんで、、
なんでいるんだ、、、なんであいつがいるんだ
鼓動が激しくなる。あのパッチリとした目。長い綺麗な黒髪。見間違えるはずがない。
見覚えのある顔が、向かい側のゴンドラにいた。
綾香だ。綾香がいる。確実に目が合った
偶然なんかじゃない。あいつは俺を見ていた。
何のために?もしかしてこの告白さえ仕組まれたもの?
愛が俺を騙すようなことはしないだろうが、動揺して考えがまとまらない。
「創、返事は?告白の返事はしてくれないの?」
「あ、あぁ」
どうしよう。わからない。何を信じるべきかわからない
わからない
わからないんだ。
「愛、少し考えさせてくれないか」
知らず知らずのうちに俺はそう答えていた
モチベに繋がるので評価お願いします!