恋の終わり
毎日が楽しかった。
好きな男性とデートしたり、食事を作ったり、一緒に居ることが幸せだった。
こんなに幸せでいいのか、と思うほど幸せだった。
この幸せが一日も長く続いて欲しいと願っていた。
それが終わった。
その日は二人でクリスマスイブであり、私の誕生日。
私の誕生日を祝ってくれる予定だった。
予定だったのだ。
彼から電話が架かって来た。
「ごめん。行けなくなった。」
「どうしたの? 何があったの?」
「あの……あいつが自殺…自殺未遂で救急搬送されたんだ。」
「あいつ、って……彼女なの?」
「うん。」
「大丈夫なの?」
「うん。一命は取り止めたけど、精神状態が不安定で……
俺……病院に居るんだ。」
「……病院……。」
「うん。」
長い沈黙が辛かった。
「そう……彼女、戻って来てくれたのね。」
「えっ?」
「そうだったんだ……。」
「今日は誕生日、祝えないけれど……。ごめん……。」
「無事で良かったわね。」
「うん。ありがとう。」
⦅ありがとう……そうか……そうよね。
彼に連絡が行ったってことは……そうなのよね。⦆
「もう、いいよ。」
「えっ?」
「戻って来てくれたんだよね。あなたの元に!」
「……………。」
「戻りたいんだよね。彼女の元に………。」
「………………。」
「良かったね。」
「!」
「良かった。幸せになれるよね。今度こそは……二人で。」
「……………。」
「店はどこ? 私からキャンセルしておくわ。」
「すまない。頼むよ。メッセージで場所と連絡電話番号を送る。」
「うん。」
そうだ。
最初から分かってたんだ。
この日が来るのを……私は怯えながら分かってた。
長い沈黙を破ったのは私だった。
「ありがとう。
楽しかったし、とっても幸せな時間だった。」
「…………。」
「幸せに……彼女と……。
さようなら。」
「………すまない。」
「………すまない。」これが現実なんだ!と思った。
電話を切ったのは彼だった。
終了したのだ。全て………。
彼から送られたメッセージの店にキャンセルをす旨の連絡を入れてから、店に向かいキャンセル料を支払った。
それが終わった後で、「キャンセル終了しました。」とだけの返信メッセージを送りブロックした。
泣きながらブロックした。
スマホの中の連絡先から彼を着信拒否した。
それを終えて帰宅した。
布団を頭から被って一晩泣きとおした。
これが彼から貰った最後の誕生日プレゼントだった。




