片想い
私は大学の頃から彼に片想いをしていた。
いつも友達の輪の中に彼が居た。
彼は愛する人が居て、その人のことだけを一途に愛してた。
そんな一途に愛する彼が好きだった。
彼の想いは美しい一人の女性にだけ注がれていた。
美しい女性は難しい家庭で育っていて、その影響で精神的に不安定な人だった。
その精神面を彼は支えていた。
彼女が何かで傷ついた時、私の目の前を彼女が走って行った。
私は何か辛かったんだろうか?と思って、彼女が行った方に行こうとすると、私を押しのけるように彼が追いかけて行った。彼女を追いかけて行った。
彼にとって愛した人は彼女だけだったのだ。
大学を卒業して間もなく彼と彼女は結婚した。
私はお祝いした。
結婚式の二次会で笑顔の二人を見た。
哀しくなかった訳ではない。
ただ、彼のあの笑顔は彼女でないと引き出せない。
それは十分すぎるほど分かっていた。
だから、友達として祝福しようと思った。
25歳の頃、彼が離婚したと聞いた。
信じられなかった。
あんなに愛し合っていたのに……。
「出て行ったんだってさ。彼女……
男と出て行ったんだって……。
あいつ、大丈夫かな?」
信じられなかった。
彼女のあの笑顔が目に焼き付いている。
あの笑顔の彼女が……不倫?
「有り得ない!」と声に出してしまった。
後で事実だと彼から聞くまで、私は彼女の不倫を信じなかった。




