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忘れて  作者: yukko
14/15

一年が早い。

そう思うようになったのが何歳だったのか思い出せないほど昔のことだ。

私は40歳になってしまった。

何も残さないまま逝ってしまいたくない。

ただそれだけの気持ちで始めたのがボランティアだった。

誰かと繋がり、そして誰かの役に立つことがほんの少しでも出来たら……

そして、その繋がりの中で……

もし、私という人間が生きていたことを忘れないでくれたら……

そんなボランティアとは真逆の気持ちから始めた。

近隣の高齢者施設への訪問、視覚障害を持つ高齢者の買い物介助……。

少しずつ自分のためにしていたが、「ありがとう。」と言って貰えると嬉しい。

とても嬉しい。

会社と家との往復だけの生活に彩りが出て来たように感じる。


これからボランティアだけではなく、趣味も持とう。

趣味でも誰かと繋がろう。

人との繋がりの中で、人は傷つくこともあるけれど、傷ついた心を癒してくれるのも人だから……。

両親にも兄弟にも心配掛けているけれど、いつか安心して貰えるような……

そんな人生を歩みたい。


若かった日々は二度と戻ってこないけれども、残りの人生を精一杯生きよう!

同じなら笑って過ごしたい。



あの日……もう遠いあの日……。

あなたに忘れないで!と願ったあの日……。

そして、やっぱり忘れて!と思ったあの日……。

あの日から私は身動きできないままに生きて来た。


今も……もう私のことなど忘れてしまったあの人に……

忘れないで!と願う気持ちが残っている。


そして、忘れて………

そう思う気持ちも残っている。


失恋の歌が今も胸をキューっと締め付ける。

だから……


私は私に言う。


忘れて…… 私…… 

もうあの人のことは……  忘れて……

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