表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘れて  作者: yukko
12/15

私の愛

あれから10年が経った。

彼は彼女と結婚しなかったそうだ。

彼女は再び彼の前から姿を消したと聞いた。

その後、失意の彼を心配した人の紹介で再婚して、今はその人との間に子どもが居ると……。


私は……38歳になる今まで誰とも接点がない人生だった。

恋はあの日終わったままで、二度と私に誰も近づかなかった。

私は女性としての魅力など欠片も無いのだ。

この人生がいつか終わる日。

その日までに何かを残したくなった。

今は、それを探している。

彼は子どもに恵まれたから、子を残すことが出来る。

私は? 何も無い。

私の友達も子を残していたり、起業して会社を残せる人が居たり……。

私も何かを残したいと切に願っている。

せめて、誰かの役に立って死を迎えたい。

ささやかな願いである。


今も、あの日の痛みが残っている。

私はあの人が愛する女性の代わりにもなれなかった。

あの人は忘れてしまっただろう。私のことなんか……。

捨てた女のことなど記憶の片隅にも残らないだろう。

忘れて! 忘れてしまってくれた方がいい……そう思っていたけれど……。

今は……忘れ去られてしまった今は……記憶の片隅にでも残りたかった。


もう、誰も愛さない。愛せない。

愛することは辛いことだから……

これ以上、傷つきたくないから……

もう二度と同じ経験をしたくないから……


これから、どう生きたらいいのか……

私の残りの時間を考えよう。

何かを与えて貰うことを考えるのじゃなく、与えられる人間になってから死にたい。

探そう。私に出来ることを……

泣いている時、友達が寄り添ってくれた。

私には友達がいる。

幸せなことだと……やっと、この歳になって分かったから……。

やっと、心から言えるのかもしれない。

無理しないで言えるのかもしれない。


あなた、ありがとう。

私にたった一つの恋を教えてくれて……


あなた、ありがとう。

私の…若い私の日々に美しい彩りを与えてくれて……


私、忘れないわ。

幸せだったから……。


あなた、奥様とお子さんとお幸せに……。

そして、元気で居てください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ