俺の再婚
彼女と別れて、元妻が居なくなってから、俺は彼女のことばかりを思い出していた。
今更だ!
そう思っていても、考えるのは彼女のことばかりだった。
もう会えないことは分かっている。
会わす顔が無いことは分かっている。
それでも、求めてしまう。
優しかった。
俺のことを考えてくれた。
あんなに愛されていたのに………。
何故、俺は彼女を選ばなかったのか……。
選べなかった………。
あの時、元妻は自殺未遂の直後だった。
母親は俺に全てを委ねてから一度も見舞いに来なかった。
あの時、元妻の傍に居られたのは俺一人だった。
だから元妻を選んだのだ。
それを日が経つにつれて悔やむようになった。
あれから、俺は彼女を探した。
家は引っ越していた。
会社は辞めていた。
彼女がどこに居て、何をしているのか分からない。
どこに行ったのか知りたくて友人に電話したら怒られた。
当たり前だ。
「誰がお前に話す!
もう二度と彼女の前に現れるな!
いいか! 二度と俺にも聞くな!
今更なんだよ! 今更、何を言うんだ。
傷つけておいて……。
彼女が泣かなかったと思うのか?
立ち直れないかと思うほどだったと妻は言ってた。
………いいか……良く聞けよ。
妻と彼女が大学から仲が良いからって……
二度と聞くな! 彼女のことを二度と俺に聞くな!
もう一回言う。二度と彼女の前に現れるな!」
あれから、俺は親が薦めるままに再婚した。
それが今の妻だ。
妻も再婚だった。
子どもを連れて………。
俺が選択した俺の人生だ。
ただ、後悔は残っている。
どこで、どうしてるんだ?
幸せか?
幸せに暮らしてるか?
好きだった。
あの時、俺は本当に好きだったんだ。
傷つけてごめん。
どうか……どうか……幸せになってくれ!




