特務機関パンドラ
特務機関パンドラとは、不死性の高い危険生物の収監、貴重な生物の保護や研究などを行う秘匿機関である。
生物だけでなく、危険かつ強力な遺物や創造物などの回収と研究も行なっている。
パンドラに所属する職員はおよそ三種類に分けられる。
一つ目は収監されている生物や遺物などの研究を行う研究者だ。
彼らはパンドラの所長自らが選別したエリートたちであり、変えの効かない逸材たちだ。
日々、彼らは危険と隣り合わせの研究を続けている。
二つ目は危険生物の無力化や遺物などを回収する実働部隊だ。
彼らの多くは創が玉座から退くと同時に解体された王直属部隊のメンバーである。
追加で所長自らが集めたメンバーも所属しており、彼らの仲は良好と呼べるだろう。
この実動部隊は危険生物との戦闘を行ったり、異物を狙う敵対勢力との戦闘を行うため、それ相応の戦闘力が求められる。
そして、彼らは世界を当たり前のように崩壊させるような相手と普通にやりあえるだけでなく、無力化し、捕獲することもできる。
彼らもまた変えの効かない大切な人材であるのだ。
最後に三つ目は収監されている生物たちの世話や遺物などを管理する者たちだ。
彼らには力のある者もいれば、ほとんど一般人と変わらない者もいる。
頭の良いものもいれば、悪い者もいる。
彼らには決して共通点らしきものは見当たらない。
しかし、彼らには一つの共通点がある。
それは神国アヴァロンで大罪を犯し、死刑よりも重い罪に問われた者たちだ。
彼ら従業員は基本的に扱いは悪く、死んだとしても何もない。
その者が死んだとしても新しい人員が出されるだけのことだ。
そして、彼らの殉職率は非常に高い。
日々、危険な生物などの世話や管理を行っているのだが、餌やりの際に巻き込まれてそのまま食べられたりなど日常茶飯事である。
何なら、収監されている生物の餌としてこの職員たちが生きたまま与えられる場合も珍しくないのだ。
それに、彼らには契機というものは存在しておらず、生きている間はずっとパンドラで仕事を続けなければならない。
脱走しようにもパンドラは危険な生物を収監する監獄でもあることから、特殊な場所に建てられている。
そのため、絶対に逃げることなど出来ない。
何なら、無断でパンドラから出ようとすると、警備員たちに殺されてしまう。
そんな彼らは通称、贖罪人と呼ばれており、罪の清算のために危険な仕事に従事している。
あくまでもこれは通称であり、彼らの正式な役職はただの平社員である。
そのため、豪勢な肩書などはない。
中には罪人ではなく、彼らを管理する管理職として働く者や彼らに混じって普通に働いている者たちもいる。
そんな彼らと分けるためにもこの贖罪人という通称がつけられた。
この贖罪人たちの命は先ほども言ったように軽いのだが、罪人ではない平社員には待遇がとても良い。
流石に同じ平社員と言っても大罪人と同じ条件で働かせられるわけがない。
そのため、平社員間でも格差が生まれている。
この贖罪人の主な仕事は生物や遺物の管理などだが、時には違うこともする。
それは捕まえなければならない危険生物の囮に使われたり、生物や遺物に関わる実験する際の被験者にされたりなど様々である。
彼らも死にたくはないので、全力で抵抗しようとするが、抵抗した場合は即殺されたり、一種で拘束されてそのまま餌として檻の中放り込まれたりなど悲惨な目に遭う。
彼らには人権と呼べる者は存在していない。
だが、彼らの給料は危険に見合うだけの分を支払われており、プライベートはだいぶ制限がない。
まあ、このパンドラからは出ることは出来ないのだが。
そして、このパンドラには特殊職員というものも存在しているのだが、詳しいことは分からない。
実際にパンドラで働くか、パンドラの情報を伝えられるような国の上層部に行かなければ、知ることは出来ない。
パンドラがここまで秘匿されているのには理由がある。
それは危険な存在が数多くいるため、ここを攻め落とされると、世界に危険な存在が解き放たれ、滅びてしまう可能性があるからだ。
もしも、パンドラを破壊されてしまうと、神国アヴァロンだけでなく、世界全てが危ない。
それほどまで危険な存在たちが数多く収監されているのだ。
と言うのは表向きの理由であり、このパンドラは何があっても攻め落とされることはない。
それは比喩などではなく、事実として不可能であるためだ。
そもそもパンドラには許可なく侵入することすらも不可能だ。
見つけることも超難関であり、あの創ですらも見つけるのに苦労した。
そして、このパンドラが秘匿されている大きな理由はその攻略が不可能な理由に直結している。
その理由は公開されておらず、神国アヴァロンの上層部も知らない。
この情報を知っているのは源理イデアなどの超存在や所長の周辺人物に限る。
それほどまでに特務機関パンドラは秘匿されているのだ。