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4. ――― 習得

 夜が明け、目が覚めた。


 目を開けると、リリはちょうど俺の部屋のドアを開けて入ってきたところだった。


「おはようございます、ノルス様」

「おはよう、リリ」


 突然リリは何かを見つけたような顔をして、手を伸ばして俺の後ろを指さした。


「すみません、ノルス様。どうして椅子が窓のすぐ近くにあるのですか?」


 あっ!やべえ!

 昨夜はひたすら自分の魔力値を上げて忘れてしまった。


「さっ、昨夜は星を見ていたから戻すのを忘れてしまったみたいだ」

「そうですか。星を見終わったら椅子を戻すことをお忘れなく注意してくださいね、ノルス様」

「うっ、うん……」


 よかった、彼女は俺の言うことを信じてくれたようだ。


 リリは窓のところまで歩いて行って、窓を閉じて椅子を机のところに戻した。


 でも正直、地球よりこの世界の星空はとても綺麗だ。

 地球にはネオンなどがあり、星はほとんど見えなかった。


 光の氾濫のほかに、空気汚染により空気中のちりも多い。

 そしてまだいろんな汚染があるかな、地球には。

 これは所謂大自然の反撃だろうか?


 思わずため息をついた。

 この世界は地球のようにならないことを望む。


「ノルス様、どうしましたか?お元気がないですね」

「いいえ、別に……。まあ、早く顔を洗って朝食を食べよう。お腹が空いた」

「はい、わかりました」


 リリは俺を抱き上げて、この部屋を出た。



 ✭✭✭✭✭



 朝ご飯を食べてから、書斎に来た。

 さっきちょっと本を読んだ。


 魔法をかける時、手の平に現れる奇妙な丸い模様は、なんだろう?『魔法陣』というものだったのか。

 それと、なぜ俺が倒れた原因ももう分かっていた。

 ―――魔力が尽きたのが原因だ。


 魔力が尽きると、意識不明やめまいや吐き気などが起こる。


 魔力といえば、俺の魔力値は上昇しただろう。

 魔力値の上昇はどうなるか?

 最初は完全に成功して《水玉》を六回も発動できた。倒れた後、発動できる回数は十二回になった。


 とすれば、俺の魔力値は等差数列で上昇するか?それとも等比数列で上昇するか?

 もし魔力値は等差数列で上昇したら、魔法を完全に発動できる回数は十八回になる。

 もし等比数列で上昇したら、二十四回になる。


 二つを比べてみると、魔力値は等比数列で上昇して欲しい。


 上級の魔法ほど多くの魔力値が必要になるからだ。


 他のより速い上昇型式があれば、とても欲しいけどさ。


 そして魔力値が消耗するからには、どうやって回復させたらいいのか?

 本を読んで、本には「少し休んだらいいです」と書いてあった。


 今度は水属性下級魔法を勉強しよう。

 水属性下級魔法教本を取って、開けて読んだ。


「《水流》……これに決めた」


 椅子を窓のところまで押していって、椅子に登って窓を開けた。

 椅子から飛び降りて、教本を持ち上げた。

 右手をまっすぐに伸ばした。


「水の神ヒノーエア様、私の召喚に応えなさい。私に霊の源泉を与えたまえ!降臨せよ!水属性下級魔法《水流》発動!」


 次の瞬間、魔法陣が現れて噴水のように魔法陣から水が噴き出した。

 《水流》は太陽に照らされて虹が出た。


 よし、成功した。


 もう一度試してみよう。


「水の神ヒノーエア様、私の召喚に応えなさい。私に霊の源泉を与えたまえ!降臨せよ!水属性下級魔法《水流》発動!」


 魔法陣が現れて水が噴き出して、成功した。


 次のページを開けた。


 次の魔法は《水刃》だ。

 この名称を見て殺傷力がすごくあるって感じる。

 いいぞ、これは。


 再度右手をまっすぐに伸ばした。


「水よ、刃となって我が敵を斬れ!私に敵を斬る力を与えよ、神様!水属性下級魔法《水刃》発動!」


 魔法陣が現れ、水は刃のようになり、凄まじい速さで前へ向かって飛んでいく。


「すっ、すげえ」


 俺はちょっと《水刃》に驚いた。


 《水刃》が高速で前に飛んでいったのを見て、威力は強いはずだと思った。


 じゃ、もし《水刃》で切られたらどうなるか?


 やってみよう。


 椅子に登って、窓の外を眺めた。

 何か俺の魔法の標的になるものはないか?


 一本の木を見つけた。

 その木で試してみよう。


 だが、その木を倒したら、騒ぎになるかもしれない。

 ひょっとしたら、魔法を勉強していることがばれてしまうかもしれない。

 ……なら、梢を切るしかない。


 また右手をまっすぐに伸ばした。


「水よ、刃となって我が敵を斬れ!私に敵を斬る力を与えよ、神様!水属性下級魔法《水刃》発動!」


 《水刃》が梢に向かって飛び、梢をみごとに切り落とした。


 やはりすげえな、《水刃》は。

 将来、魔物に対応してレベルを上げるのは役に立つはずだ。


 椅子から飛び降り、教本を取り上げて次のページを開けた。

 次の魔法は《水之矢》だ。


 《水刃》と同じような攻撃魔法だ。

 威力は《水刃》と似ているはずだ。


 善は急げ、早速試してみよう。


 右手をまっすぐに伸ばした。


「水は矢、矢は水。空と大地を渡りしものよ、一切を通り拔けたまえ!我が手に集いて、力になれ!水属性下級魔法《水之矢》発動!」


 魔法陣が現れて水は矢のようになり、高速で前へ向かって飛んでいった。


 やはり《水之矢》は《水刃》との威力は似たり寄ったりだと感じる。


 次のページを開けた。


 《氷之矢》……、ただ水を氷にするだけじゃない?

 まあ、やってみよう。


「水よ、氷になって矢に変われ!目先の敵を突き抜けよ!水属性下級魔法《氷之矢》発動!」


 手の平に魔法陣が現れ、水が凍って氷になって矢のように変わって、すごいスピードで前方に向かって飛んでいった。


 さすが攻撃魔法だけあって、スピードが本当に速い。


 次のページを開けた。


 まだ攻撃魔法だ、魔法の名称は《水弾》。

 この名称を見て面白いと思った。

 水の弾丸という意味らしい。


「水の神の聖霊よ、神の聖水を与えたまえ!敵を射抜け!水属性下級魔法《水弾》発動!」


 右手を上げて呪文を詠唱した。


 手の平に魔法陣が現れて、水は弾丸のようになって、加速度的に前方に向かって飛んでいった。


 次のページを開けば、次の魔法は《氷弾》だ。


 また水を氷に変えるんだな。


「氷よ、我が敵を消滅して、弾丸となれ!水属性下級魔法《氷弾》発動!」


 手の平に魔法陣が現れて、水は氷になり弾丸のように変わって、飛ぶように前方へ。


 しかし、今発動したすべての魔法は長距離での攻撃には適していない。安定性が不安定であるし、精度も不安定だから。威力も速度も高いんだけどな。


 次のページを開けた。


「《水壁》……防御性質の魔法か」


 さっきは攻撃的性質の魔法だったが、今回は防御的性質の魔法か。

 だけど、ここに発動するのはちょっとむずかしいな。

 ここを水たまりにするかも。


 スキップしよう。他日機会があったら試してみる。


 ちょっと残念だったが、全部の防御魔法をスキップした。


 そして防御魔法を読みとばしたら補助魔法だ。

 補助魔法って攻撃魔法と防御魔法の効率を上げることができるし、敵の行動を遅らせることもできる。


 補助魔法を覚えたら、将来にも大きな助けになるかもしれない。

 じゃ、補助魔法を学ぼう!


 最初の補助魔法は《水霊陣》だ。

 《水霊陣》は攻撃魔法と防御魔法の効果を上昇させることができる。


 でも、効果が上がると、何倍になる?

 ちょっと気になった。


 しかし、さっき俺は防御魔法をスキップしたから、攻撃魔法でしか実験できない。


 実験しよう!まずは《水霊陣》の呪文を詠唱する。


「偉大な水霊よ、私の呪文に応えなさい!敵が倒せる力を!水属性下級魔法《水霊陣》発動!」


 足元に魔法陣が現れて、体に力が湧いてきたような気がした。


 あとは《水刃》の呪文を詠唱すること。


「水よ、刃となって我が敵を斬れ!私に敵を斬る力を与えよう、神様!水属性下級魔法《水刃》発動!」


 手の平に魔法陣が現れて、《水刃》は目に見えないスピードで前へ飛んでいった。


「わぁ!」


 俺は《水刃》に飛ばされた強い反動で尻餅をついた。


「痛い……」


 お尻を撫でた。


 さっきの威力から見ると、二倍以上になったような感じがした。

 《水刃》の威力で、大きな木を切り倒すのは決して難しいことではない。


 が、魔法の勉強を続けたいけど、お腹が空いた。


 まず昼ごはんを食べよう。残りは午後から練習しよう。


 窓を閉じて、椅子を元の所に戻した。教本も本棚に戻した。

 すべてを元通りにしたことを確認してから、ドアを開けて昼ごはんを食べに行く。

「とても面白い!」

「読み続けたい!」

「更新を期待です!」


とか思いましたら

是非下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、素直に感じた気持ちでまるで構いませんか!

よろしくお願いいたします。




                  白皇 コスノ 拝啓

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